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【詩】詩を書いてみました【Poem】

 (このノートは無料で最後まで読む事が出来ます)

 タイトルは「僕は疾っくに、」としています。

 これまで作詞をしたことはあっても、作”詩”をしたことはあまりありませんでした。字脚という枠組みや、メロディなどの想定で、自分の文章に道筋をつけると、書きやすかったのです。いわゆる『定型詩』を好んで書いていた訳です。

 ですから、これは僕にとって初めての『自由詩』と言えます。分類としては『叙情詩』で、僕の心中や考え方を感覚的に描いたものです。客観的にどちらかと言えばネガティブな情念を詠っている気がしますが、ネガ・ポジどちらのスタンスにも身を置かず、自身の感覚を知っている語彙に置き換えていったつもりです。表現の純度を上げる為に、いくつか過激な文言も用いていますが、誰かを中傷したり傷つける意図ではない事をご理解下さい。

…ってちょっとカタすぎるかな(笑)結構、根っからクソ真面目って揶揄される方なので、悪しからず。それでは、本文言ってみよ〜かど〜。

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夜へ奔る。

そこから吹きすさぶ風の匂いを、嗅ぎ分ける僕は、一匹の浪犬だ。
だからといって何かを主張する訳でもなく。
ただ奔る。
何を急ぐのかと聞かれて、応えられる訳でもない。
ただ何かが駆り立てるのだ。
見開いた目を、そばだてた耳を、息せき切った舌下静脈に震えている心臓。を
その内奥に潜んだ心とか言う物を。

過たず何かを見つめ、睨め上げた視線に怒りっぱかしを湛えている。
たった一つの何かに向けて、ただひたすらに。

夜へ奔る。

そうだ、この風は心臓の左心房と右心房、その間からやってくるようだ。
冷たくしばれて、何かを凍てつかせるように。
突き刺さったつららから立ち昇る湯気が、気化熱として奪ったものがあるとして。
それは例えば安らぎだろうか?
いつのまにか産まれた場所も忘れて、育った場所も通り過ぎて。
あらゆる景色が後ろへ流れて行く中で、ぜぇぜぇと喉を鳴らしながら、ただただ大地を蹴りしだく。

止まれ。
止まれ。
止まれ。

そう誰かが呼ぶ声は、ああ、ずっと前から聞こえているさ。
だけど知ったこっちゃ無いね。
ここは地獄でもないが、天国でもありゃしない。
巷じゃ現実とかのたまっちゃいるが、その実飛び散る夢と念いの欠片で一杯になった、理想の宙だ。深淵だ。
甜言蜜語と酒池肉林の甘い香りの坩堝の中で、阿鼻叫喚をあげる無辜。
もうたくさんだ。
糖蜜を塗りたくった様に甘い言葉なら、教壇と道徳にでも吐かせておいてくれ。
その堝中に息づくきな臭さをこそ、僕は嗅ぎ分けたいのだ。
弾ける感情の明滅や打つかる言葉の千刃に、心が吹き上げる鮮血を。
その生臭さを。

空っ風よもっと吹け。
冷たく凍てつく夜風を起こせ。
銀河の闇に瞬く星が廻り巡った時空の様に、胸に渦巻く風の香りが僕らの命を運ぶなら。
それはこの心に広がった空っぽの、その中に消えずに点す篝火だ。
チロチロと燃える炎を絶やさぬように、僕は抗う。
自らの内と外から吹きすさぶ烈風に。
そして自らも風を起こすのだ。
「灯火たちよもっと燃え盛れ」そう吠え立てながら。

夜へ奔る。

ひた奔る。

その疾駆する残影が、君の瞳に映えたその時は。
どうかその一匹ぽっちの浪犬の、寂しげな後姿。
刻んで、想って、くりゃりゃんせ。

________以上_______


お気に召しましたれば、投げ銭ひとつ、くりゃりゃんせ♪

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