【コラム】TKG(卵かけ御飯)の美味しさを巡る冒険【話題】

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最近はまってる食べ物と言う話題で、盛り上がった時の事です。○将の餃子にはまってるとか、HA○IBOのグミが好きだとか、そういう中で「僕はTKGが。」と得意満面で言ってしまった訳です。

と言うと、ぽかんと言う顔をされました。

空気読めなかった、僕。そうでしたか、まだTKGは誰もが知っているほどの略語ではなかったんですね。

おっかしーなぁ、高校生の従兄弟には通じたのに、同年代は駄目かいな。

卵かけ御飯（Tamago-Kake-Gohan)…略してTKG。（以下、TKGと表記）

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　では本題に…。

　まず、TKGが美味しいと言うのは、日本人なら多くの方が共感していただける感想ではないかと思います。

　しかし、一方で海外では卵を生食することにはかなり抵抗感があり、「生卵を御飯にかけて食べる」というとかなりヒかれることもあると聞きます。有名なところでは、シルベスタ・スタローン監督の「ロッキー」での描写についての逸話があるでしょう。

　作中では、ロッキーがボクシングの訓練の中で「生卵を何個も割って飲みくだす」というシーンがありますが、これは当時相当衝撃的だったそうです。というのは「何個も卵飲むなんて、すげえタンパク質の摂り方！」ではなく「生卵を飲み込むなんて、ロッキーは大丈夫なのか！？？」という趣旨だとの事。

　海外の卵はサルモネラ菌などに汚染されている事が多く、火を通して調理したものを食べるのが普通だそうです。ですから、卵を生で食べると言うロッキーの行為は半ば自傷行為の様でショッキングだったのかもしれません。スタローン監督も訓練の一環と言うよりは、行為としての衝撃度がロッキーの”覚悟”を顕すと思って、この演出を用いたのだと聞きます。

　そういった状況ですから、TKGに抵抗感があるのは当然なのでしょうね。

　

　でも、それは残念。TKGはマジで美味いので、文化や環境の違いで生じた抵抗感が原因でその美味さを味わえないとしたら、それは勿体ないとしか言いようがありませんもの。

　加えて、TKGは食品としても優秀です。卵自体がタンパク質や脂質をはじめ、５大栄養素の総てを含んでいる上、卵に不足している炭水化物を御飯が補ってくれます。塩分などのミネラルを醤油から接種すれば鉄壁でしょう。

　さらに卵はあらゆる食品と親和性が高い素材です。洋菓子のほとんど総てに卵が使われるのは、つなぎやテリと言った意味合い以上に、卵の持つ風味がバターや小麦・砂糖などの風味と絶妙の親和性をもっているからです。これは和食にも言える事で、すしネタの一つに「厚焼き卵」があることは一つの象徴でしょう。

　つまり、TKGはさらにアレンジの可能性を多様に有していると言う訳です。納豆やネギは言わずもがな、海苔や佃煮、漬け物、ごまや山椒などの薬味ともよく合います。エグ味や酸味・辛味などの角のある味をまろやかにするので、キムチやイカの塩辛などにもGOOD！！

　【tockniオリジナル：TKGレシピ】

①卵　②とろろ芋のすりおろし　③練りショウガを少々　④醤油を多めに　⑤これらを海苔で巻いて食べる。

　いかがでしょうか？卵納豆というのもよく食べますが、最近はとろろやモロヘイヤなど他のネバネバ食品もTKGにぶち込んでみています。美味いです。

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　さて、所変われば味変わるというか、寿司も海外に浸透してから、その土地独特のものに変わっています。寿司ネタにアボカドというのは、日本人ではなかなか思いつかなかったであろう「カルフォルニアロール」を代表に、「寿司」という料理がグローバリゼーションを経てよりバリエーションに富むようになったと言えます。

　物事の価値も同様かもしれません。TKGを美味しいと誰もが思う日本人が、同じことをアメリカですればドン引きされてしまうように、価値というものやそれに伴った営為も、環境が変われば自ずと変化するのでしょう。

　もっと言えば、時間の流れ…時代の移り変わりによっても価値は変化して行きます。かつては「寿司」といえば「なれずし」が普通だった時代があって、「握り寿司」が一般化するのは江戸時代以降です。江戸前の活きの良い魚があって初めて、獲って捌いてすぐ握る「握り寿司」が成立し、粋を好む江戸っ子の価値観によってそれが寿司のメインストリームへと置き換えられて行った訳です。

　物事の価値は、時代と環境の影響を受け、いつも揺らいでいますね。また同様に価値の創出が、時代と環境を醸成して行くとも言えるかもしれません。例えば、１０年前だったら見られなかったアボカドが今では普通にスーパーで買えるこの現状。アボカドに対する意識や価値観を、僕たち日本人が有するに至った背景には「カリフォルニアロール」が手ぐすねをひいていたかもしれないと思う訳です。

　

　と、言う事は、TKGが海外で受け入れられ、そして想いもよらぬアレンジを受けてまだ見ぬ新しい料理となって、日本に還ってくる事もあるのでは？

　そして、願わくば「好きな食べ物は？」と聞かれた時に「TKG！」とドヤ顔で言っても大丈夫なまでに、その言葉が受け入れられる日が来る事を祈っています。

（ちなみに写真はまったく話題と関係がありません。TKGの写真、撮った事無かった…不覚！！）

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これにてコラムを終わります。

最後まで読んでいただいて、有り難うございました。TKGの価値を繙いてみて、お腹がペコペコになりましたが、同じように「TKGが食べたくなってきた」と思われた方がいらしゃったら、Tipsをお投げください♪

そしたら、少し高めのヨード卵を食べてみたいのです！！