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【tockni流コラム】花の名【歌・言葉】

 BUMP OF CHICKENの一曲「花の名」は、映画「ALWAYS 続・三丁目の夕日」のエンディングテーマとして歌われました。

 今日これを取り上げるきっかけとなった事とは全く別ですが、じつは今日7月7日…つまり七夕に書かれた曲なのだそうです(wikipedia「花の名」より)。こうして取り上げようと、情報を整理している中で新たに知ったこの事実。ちょっとした偶然で、「妖怪ゾロ目小僧」に会った時の様に嬉しくなります♪

 さて、本曲を聞いたのは映画館でした。実に強い印象が心に遺っています。使い古されたフレーズになってしまいますが「嗚咽を堪えるのに必死」という歌でした。
 ALWAYS 続・三丁目の夕日という作品自体が、切なくも暖かく、人間の甘酸を味わえる作品なのですが、この歌はその内容を一層美しく、感動的な物に仕上げています。全編を通して、様々なシーンでホロリとくるのですが、この歌はそうしたシーンを全て内包したような詞と曲です。あらゆるシーンのホロリが繫がって、胸の堰を切られた様に感情が湧出しました。

 その歌詞の一節、「みんな会いたい人が居る。みんな待っている人が居る。会いたい人が居るのなら、それを待っている人が居る。いつでも…」が映画のキャッチコピーの一部に使われる程、世界観が作品と一致しているのでしょう。
 優しく美しい歌です。

 ところで、この記事のきっかけは「おはよう誕生花」でした。

 「ヒマワリ(向日葵)」…日に向かう葵と書きますね。そこで以前ポストした「タチアオイ(立葵)」を思い出したのです。

 「葵」とは「仰ぐ日」から来ており、即ち太陽に向かって花が開くよう幹や枝が屈曲して成長する植物の性質(日向性)をあらわした名前です。ですから実は「向日葵」とはトートロジー(同義語反復)の類いであることが判ります。

 一方で漢字としての葵は「艹(くさかんむり)」と「癶(はつがしら)」に「天」で構成され、草が天に向かって発する様に伸びていく様、すなわち「成長」を顕わします。
 ですから、向日葵という和名は「日に向かう成長性」と正しく、その名を表した物だった訳です。
 こうして花の名について考えると、一口に花と言っても名前には様々な側面がある事に気付かされます。植物学的にはトートロジカルな向日葵という和名も、言語学的には美しい漢字の構成による命名であることが見えて来た訳です。(因に、僕は表現としてのトートロジー自体は好きです。)



 
 同じ葵でも、向日葵はいわゆる「アオイ科」ではなく「キク科」です。けれど、その太陽に向かってスッと伸び、大輪の花を咲かせる様は、正しく「葵」の名にふさわしい一輪だと言えるでしょう。
 

【参考】
wikipediaより「花の名(http://ja.wikipedia.org/wiki/花の名 )」 
ブログ「今から出来る名前の意味付け 名前・漢字の隠れた魅力」より「葵」(http://ameblo.jp/namaewohomeru/entry-11574870932.html )


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