小池知事のカムカム・エブリバディ的横文字・カタカナ語には御用心 ~令和4年施政方針演説の言葉分析~

 毎年2月下旬から3月末にかけて、新年度予算を審議する第一回都議会定例会が開催されます。今年は2月16日に小池知事の施政方針表明がありました。本会議場で施政方針を朗々と読み上げる小池知事、「おお都政に光が」と思ったのもつかの間、知事お得意の横文字・カタカナ語がこれでもかというほど登場して辟易してしまいました。

 小池さんの「英語崇拝」は今に始まったことではありませんが、今回の施政方針を改めて読みかえしてみると(東京都のホームページで全文を読むことができます)、出てくる出てくる、ざっと数えても60種類以上にのぼります。もちろん既に日本語として定着している言葉もありますが、それにしても多すぎます。

 中でも5回前後も使われているのは、デジタル、サスティナブル、そしてイノベーションです。プレゼンスも頻出用語。ああ、やっぱりって感じですね。しかし、デジタル一押しのわりに小池知事の政策で特筆すべきものが何かあったでしょうか。昨夏、若者向けのワクチン予約システムが二転三転して混乱を来したのは記憶に新しいところです。都政は今でも十分にアナログですから。 

 カタカナ以外にもアルファベットの略語もやたらと目立ちました。DX、BCP、QOS、ZEVなどなど。それも日本語による注釈なし。本会議場で小池知事の演説を聴いていた都議会議員の皆さんでさえ、はたして100%理解できた人がどれだけいたのか、はなはだ疑問です。一事が万事こんな調子ですから、小池知事が「誰一人取り残さない」と胸を張ってみたところで、ほとんどの都民が置き去りにされてしまう施政方針だったと言わざるを得ません。いったい誰に理解してもらいたいのか、自分だけが演説に酔いしれても意味はありません。

 さて、今回の施政方針中、一番ナゾだったというか、一番笑えたのが次の言葉です。「テクノロジーの巨大実装フィールド」 ん? なにそれ? あ、ガンダム、エヴァ? 正解は、「東京ベイeSGプロジェクト」の先行プロジェクトとして中央防波堤エリアに創出する世界の最先端を走るサステナブル都市のモデルなのだそうです。やれやれ、小池さんの言葉遣いに付き合っているとホトホト疲れます。

 最後にもう一つ。街づくりの箇所でこんな言葉が出てきます。「ウォーカブルなまち」・・・・ あのぉ、それって、歩きやすいまちとか、歩きたくなるまちじゃダメなんですか。日本語で十分表現できますよ。なんでも英語にすれば良いってもんじゃないと思うんですけど。。。

 横文字・カタカナ語の多用=インテリといった軽薄な教養主義をひけらかしているようでは、小池知事の器もその程度ということです。前から分かっていたことではありますが、念のため。

 

 

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