小池知事は”HTT”に夢中・・・・でも「言葉遊び」都政にはもうウンザリです

 郵便受けに「広報東京都6月号」が入っていました。一面トップには青色の”HTT”の大文字が、どどーんと踊っていました。おそらく「広報東京都」史上最大級の文字だと思います、この大きさは。まさに小池知事の気合いの入れ具合が伝わってくるわけですが、いったい都民の何割がHTTの意味を理解できるのでしょうか。大いに疑問です。

 コロナ対策が一段落するのと時期を同じくして、小池知事が盛んに喧伝しはじめたのがこのHTTです。電力をH(へらす)T(つくる)T(ためる)の頭文字です。だったら、そのまま「へらす・つくる・ためる」でイイじゃないですか。何もタレントのDAIGOさんの真似をしなくても日本語で充分通じますよ。

 小池知事と言えば、言葉遊びが大好きなことで知られています。コロナ対策でも、密です、東京アラート、東京ワクション(ワクチンとアクションの合体造語)など、事態の深刻さとは裏腹に、軽薄な言葉を多用して小池知事一人が悦に入っている感じがアリアリで、筆者は不快感しか抱いてきませんでした。(現実の政策としても、東京ワクションなどは、税金を投入してどれだけの効果があったのか、今後厳しく検証する必要があります。)

 にもかかわらず、小池知事はこの言葉遊びから抜け出せない。というか、都知事の仕事は言葉遊びだと勘違いしている節さえあります。
 HTTも大のお気に入りのひとつです。本人の口からも頻繁に発せられていますし、定例記者会見の場の後ろにも飾られています。まさにナゾの暗号といった趣きです。筆者はDAIGOさんに習って、H(はったりかまして)T(とくをするのは)T(とちじだけ)というのを考えてみましたが、うーむ、我ながら駄作ですね。

 それはさておき、前述の「広報東京都」では、「電力をHTTする」(おお、ついにHTTが動詞化されてしまった・・・・)工夫が列挙されています。冷房は28度にとか、エアコンのフィルターを掃除とか、散々言い古された事柄が載っているかと思えば、省エネ性能の高い家電に買い換え、高断熱性の窓に改修、節水型サワーヘッドに交換など、家計に負担が重くのしかかる事項がいくつも並んでいます。正直、新鮮味に欠け、決定打に欠けると言わざるを得ません。こんな広報活動で都民の心に響くとは到底思えません。

 この夏の電力逼迫が危惧されています。小池知事はこれを奇貨として、今後、HTT戦略を強力に推し進めていくはずです。HTTをコロナ後の小池都政における目玉政策に位置づけています。HTT押しで自らの存在感を示し、政治的な影響力を維持したい、そんな野望が見え隠れします。だからこそ、小池知事のHTTには要注意なのです。
 
 それにしても、「HTTする」は酷すぎます。都知事が率先して日本語を破壊してどうするつもりですか。流行語大賞でも狙っているんですか。小池知事、いい加減にしてください。

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