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ブックカバーチャレンジ 読書note

2020年5月 本の表紙だけを7日間投稿してリレーするというのが一瞬流行った。自分を何が支えてきた言葉を振り返るいい時間だったので、忘れないうちにメモ。

三島由紀夫『豊饒の海』4部作
三島由紀夫が割腹自殺を遂げる直前に筆を置いた傑作。日本語の美しさとリズム、現世で実らない思いを輪廻転生に託す、三島の言葉で語られる世界は、全てが儚く美しい夢のよう。
第1巻『春の雪』は妻夫木聡&竹内結子で映画化されていて、映像も優美。
第3巻『暁の寺』の舞台、タイの寺院を見上げた瞬間に、隣にいたタコ坊主のようなおじちゃんが「三島の小説のね!」と叫んだw 感動を共有したのが今でも忘れられない。
その後、「椿説弓張月」が歌舞伎で上演され(しかも横尾忠則さんのポスターという豪華さ)歌舞伎にどハマりしたこともあり、自分の想像の世界をぐいっと広げてくれた作品。

福原義春『私は変わった変わるように努力したのだ』

資生堂名誉会長が、社長に推された時の覚悟と哲学を綴った短文集。形だけは『修造本気の言葉』(絶版)に同じく、ビジネス書とも言わんとすることは全く同じ。
平易な言葉を使っているけれど、底知れぬエスプリ臭に恐れおののいて、10年経っても、こんまりコンプリートしても、手放せなかった数冊のうちの一つ。

宮崎 駿『風の谷のナウシカ 全7巻箱入りセット「トルメキア戦役バージョン」』

幼少期に「よく分からない自然や人間への畏れ」とともに、心の奥に「何か違う世界を作り上げよう」という種を植え付けられた作品。

Dead Poets Society (いまを生きる)
iPadのCMにも採用された、ロビンウィリアムスの見せ場の語りに素晴らしい映像。あの時のように一日一日を大事に生きているのだろうか。

Words and ideas can change the world  

宮本武蔵『五輪書』
親の蔵書トラック1t分を神田の古本屋が取りに来た時、何か残しておこうと思って手にしたのが鈴木大拙とこの一冊。我ながら、良いチョイスだった。
精神と身体の奥義。武道をやる方なら鍛錬の凄まじさがわかると思う。

山口桂『美意識の値段 』(集英社新書)
ホンモノの美術品を見抜く眼力を磨くには

-最高級の作品だけを沢山観る
-金、地位、外見に惑わされず最高級の人を見抜いて人格者だけと付き合う

日本の美術品が世界中で大切に受け継がれていること、日本のお金持ちは残念ながら美術館を私物化して後世に引き継ぐ意識が低いことなど、知らなかったアートの世界。
誰かが価格を決めて受け継いできた世界。
ホンモノ、最高級って何だろう?

ユヴァル・ノア・ハラリ『21 Lessons: 21世紀の人類のための21の思考 』
サピエンス全史の著者。一行一行、思考の深さと言葉の強さにシビれる。視野が世界に広がり、時間軸とともに深まる。

Keep learning and re-invent yourself

落合陽一『デジタルネイチャー 生態系を為す汎神化した計算機による侘と寂』
7冊出したあとに読んで、衝撃だったので追加。
「右か左か」に分けてしまう英語圏の考え方の違和感が言葉になっていて感動した。
「日本は中庸を善とし、八百万の神がおりまして」と言っても、それはヨーロッパの教養ではないと一蹴されてきたけれど、うまく言い返せない、単なる教養の浅さがなせる技だったんだな。。。

まだまだ勉強不足


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