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【意味のない日々】シャドーハウス・ロストラッドロンドン

○シャドーハウス

うわあああ…!!今回も、すごかった…

シャドーハウスは、アニメで知ったんだけど見たこともない世界観とキャラクターの可愛さに相反するダークさに一瞬で魅了されて沼った作品。


少しずつ真相に近づいているんだけど、9巻で生き人形たちの人間だったときの記憶が蘇って来て、エミリコ以外の四人の関係性だとか、エミリコとケイトがシャドーハウスに来る前に会っていたとか分かって、やばいわぁ…こんな話考えられるとか、神なの…?面白すぎるでしょう…とページをめくる度にドキドキしてたけど、10巻はそれを上回る真相が語られてた。

一言で言えば、ケイトの生い立ちとシャドーハウスに行くまでの事がわかる巻だった。

いや、何回読んでも世界観がしっかり作られているのがすごい。そして、無駄なエピソードが一つもないよね。


とくに、ケイトがエミリコにそう名付けた理由が分かって、個人的にはじんわり涙が出てしまった。見開きの表情が、そしてその後の抱擁が。

また会えて、のセリフは今までの全てを思い出すセリフだった。

ケイトはエミリコを信じながらも、打ち明かすタイミングを見計らいながら、今まで孤独に戦ってきたんだな、と。分からないながらに、いつも優しく一生懸命だったエミリコに何度も救われて来たんだな、と。

そして、これからは本当に一心同体なんだな、と。


真相を知った二人のこれから、そして記憶を取り戻した生き人形達、本館の生き人形達がこれからどうなっていくのか楽しみで仕方ない…!!

そして、原作と若干違う展開を見せているアニメの続きも、気になる!!完結するのを見届けるまでは、死ねないぜ!!


○ロストラッドロンドン

異質な、というかちょっと異彩を放っていた表紙でつい買ってしまった作品。3巻で終わるという手軽さもあったし、いつも読んでいる漫画とは違う空気感を感じたかったのかもしれない。

アメコミ?それともオノナツメさんみたいな感じ?シンプルな絵柄で、でもキャラも表情も分かりやすい。


舞台は、タイトル通りロンドン。その地下鉄で市長が刺されてしまう。その凶器は見つからず、なぜかアジア系のアルの上着のポケットに入っている。

アルは一人訪ねてきた怪我をした定年間近の黒人警察官エリスに、その見知らぬ凶器のことをつい話してしまう。そして、アルとエリスは真相を探すこととなる。


一見するとミステリなんだけど、アルが養子だったり、エリスは昔冤罪事件を見過ごしてしまったことを苦く思いながら行きていたり、人種間差別の描写も結構出てくる。その部分の感情のやりとりや、二人の諦観、けれどそれらを含めた生き方からも目を離せない。

なんだか濃い映画を見せられている気分になってくるよ!!


そういうものが、アルの生い立ちを遡ることで明らかになっていって、ドキドキする。

それに、警察の目をすり抜けて、どうにか時間を稼いでいるシーンも(誰かがアルの存在を匿名で告発して追い詰めようとするから)スリル満点。


エリスの家に転がり込むことになるんだけど、ちょこちょこ生活感があるのもいいスパイス。エリスは、捜査以外は基本ポンコツなので。チャーミングおっさん。

よく同僚のアジア系の女性ユキにも怒られたり呆れられたり。ユキもなかなか頼りになるし、エリスの良き理解者としてそれこそ何も知らないままエリスに協力したり。二人のエピソードもあって、エリスとユキの人となりと関係がよく分かる。


結局、犯人は見つかり、物語は静かに幕を閉じる。犯人もまた、自分のルーツや親との関係を上手くこじらせてしまった、という感じ。

それらを飲み込めない人と、飲み込んで行きていける人の差ってなんなんだろうか。

奇妙な縁と、お互いの過去にケリをつけて少しホッとしたような終わり方は個人的に幸せだったなぁと。エリスの最後のページの表情を見て思った。

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