X(旧Twitter)のコミュニティノートが投げかける波紋・2
コミュニティノートの問題事案は多々ありますが、身近に体験したものをこちらに記録したいと思います。一つはX内で記録するより他のサービスで心理的に距離を置いて見る方が適切だからです。
もう一つはノートの内容が執筆者に改ざんされたり、今回のように周到な方法で削除されてしまうことがあるからです。どうもXはこの機能の瑕疵を認めないよう処置をしたがる傾向があるようです。これは新しいコミュニティノートの問題と言えそうです。
今回はノートがついた投稿者が投稿を訂正するよう指示されたという事です。誤りは削除という方法で訂正されましたが、元投稿が消えればそこについてノートも消えます。ノートを不適切としたくないので、ノートの執筆者でなく、ノートをつけた投稿の投稿主に消させることで、間接的にノートを消去した訳です。
執筆者やXが不適当な内容であることや、そのようなノートを公開した瑕疵を認めたくないので、自身らは内容の訂正も修正も行いませんでした。
その一方で投稿主には、内容が不適当だから削除せよ、と指示したわけです。
〇経緯
この事件の中心となった話題は放射線の安全性に関わる議論でした。と、いうよりは放射線の測定をしている方(かなり徹底して行い、国にも報告されている方)に、海洋放出絡みの話題で問題はないとして絡んでいった人物がいて、そちらに加担する形でノートがついた事にあります。
ノートの内容は完全に誤りでしかなかったため、指摘がつきました。
これに反論できなかったために、運営側が冒頭のような指示を出すことで、デマのノートを消去するために、投稿主にそもそもの投稿を削除させたという流れです。
話題の詳細は少々複雑な所があるので簡単に経緯をまとめるとこうなります。
問題ない、として放射線の大小比較に持ち出された数値がベクレルであった
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投稿主が、体等への影響を論じるためにこれを累積値で示し、月辺り〇〇ベクレルになると書いた
▽
ベクレルは1秒間の放射能だ(誤りママ)、何も分かってないと返す
この揚げ足取りを受けてベクレルを月累積で示したことが間違いなので訂正せよ、との指示が来たため、削除となりました。
この指摘自体は揚げ足取りでしかないのですが、単独で文章を見るとベクレルに1秒以外の時間単位をあてはめてるように見えるので、その時点で定義を逸脱していて理解していない、という言い分が公式に評価されたということになります。
議論の流れ的には、問題ないと言う側がベクレルで数値の大小を提示したので、同じベクレルで累積量を提示したというだけです。
また、時間単位を省略して1秒を1月に見せて騙そうとした訳ではなく、月あたりと注釈の上で提示しているので、そちらも問題はありません。(認識上の虚偽を提示してない)
反論側は勝手に単位を作っていると揶揄しましたが、インフラの使用年数により累積値を使用する例も示されています。
そもそも論では被爆の影響を1秒で完結すると考える事の不自然さもありますが、言葉の上だけでの整合性を挙げ連ねた形です。
要するに表現上の瑕疵もなく言いがかりなのですが、このような海洋放出推進体制派がノートの執筆陣にいることは一度ならず執着的にこの話題でリスクへの感じ方を表明する投稿を標的にしていることから察せられます。彼らがWiki学者(にわか学問でWikiPediaをひも解いて理解を欠いた持論を組み立て専門家を装った主張をする)としてさもあらんと追い打ちをかけたつもりのコミュニティノートがでたらめだったことで今回の事件となりました。
理解が伴っていないので、断片的な知識を文章上で組み立てて整合を取ったに過ぎない主張です。揚げ足取りが得意なだけあって、理解より他から揚げ足取りされないよう言葉と主張の破綻のなさにばかり気がいってるので、思考が浅く、様々に見落としがあるのは当たり前なのですが、極めて短時間にノートが作成された後、極めて短時間に10人以上の執筆陣がこれを問題なしとして認可し公開されました。X的にはこの仕組みには問題はない、公正さは保たれているということに是が非でもしたいように思われます。
それでは核心のノートは以下になります。
こちらに次の二つのコメントが付きました。
少々分かりにくいかもしれませんが、数値の大小を語るもの、として放射能という言葉を使っているのは誤りだということです。
これは先ほどの揚げ足取りに比べると、深刻に致命的な誤認識、および理解の欠落です。解釈の余地もありません。
大きな誤り の「大きな」は煽りでしかありません。
重大かつ基本的な誤り も投稿主を貶めるために付加されたハラスメンシャルな表現です。
どの口が言うのか、とかこのようにあたかも真理であるかのように装う文面で多くの人を騙す意図があることも問題ですが、このような文面と表現についてはXが説明する「丁寧な言葉遣い」の意図するものとは異なるように感じます。
表層的な礼儀の形式美でしかなく、慇懃無礼というもの(挑発と攻撃)でしょう。
どちらにせよ、運営側はこの制度に関する自らの瑕疵を認める気はないようです。
以上です。ありがとうございました。
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