詩|病床ノオト―境界
大輪の花が咲くことも
木の葉が枯れおちてゆくことも
成熟だという
季節にゆだね
めぐる風にゆだね
時は止まって見えるが
うつくしい
成熟だという
ここは時間がなくなる境界
空気がうすい
古い階段が ひび割れている
うしろで 一つずつ
足音が固まってゆく
誰かがつくった料理が
今日も そっと境界に置かれる
(詩誌『北極星』第57号 収録)
大輪の花が咲くことも
木の葉が枯れおちてゆくことも
成熟だという
季節にゆだね
めぐる風にゆだね
時は止まって見えるが
うつくしい
成熟だという
ここは時間がなくなる境界
空気がうすい
古い階段が ひび割れている
うしろで 一つずつ
足音が固まってゆく
誰かがつくった料理が
今日も そっと境界に置かれる
(詩誌『北極星』第57号 収録)