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第15話「アーガマ入港」2 小林昭人

条約トリーティーについては、ある地域リージョンを拘束していた条約は、新政府が旧政府と連続性シリアリティがある限り、その地域が併合され、単一国家になった場合でも継承されるのが原則です。旧同盟アライアンスは外交と宇宙艦隊はオルドリン市の統一政府で管掌していましたが、その他の行政については各市国が独立した主権と条約締結権を有していました。地球連邦の首都ニューヨークに同盟大使館とアスワン大使館、シェナンドア大使館が並立してあったのがその名残です。各々が市国軍シティガーズを有していたこともご存じの通りです。従って、オルドリン市長として市長会議の信託の下、統治権を行使していた旧リーデル政権と、新憲法による議会と選挙の後に成立した現リーデル政権との間にはリーデル・フォン・ミッテラーという一個人の連続性はあっても、政治的連続性ポリティカル コンティニュイティはないという解釈の余地があり、「白紙の原則クリーン スレート」の適用の余地があります。ただし、以前の市国制から段階的に統一国家を形成した我が国のような事情で白紙の原則が問題になった例はなく、ソロモン政府もこの件につき結論を出していない以上、ブレックス准将の解釈も、マシュマー本部長の解釈も、私的見解プライベートということになります。」
 ソロモン政府が結論を出していない? 予想外の展開にマシュマーは戸惑った。不明な領域アンノウンでこれ以上交渉を継続すべきではない。彼はクワトロに明日までの休会を申し出、クワトロもそれを了承した。
 マシュマー対シャアの最初の対決は、僅か20分間で幕を閉じた。

サイド5の歴史:ややこしいので一覧にするとこうなります。
 ①~0079:連邦領ルウム自治共和国
 ②0079~0080:ジオン領ルウム総督区
 ③0080~0084:市国時代(数十~25市国)
 (モスクワ条約、タイタニア安保条約、ヴェッセナー条約) 
 ④0084~0097:自由コロニー同盟(25邦)
 ⑤0097~:ソロモン共和国
統治の連続性:第六話で同盟首相としてリーデルが登場しますが、彼が戦った選挙はオルドリン市長選で為政者を選ぶ選挙ではありません。同盟首相は市長会議の互選で決められます。オルドリン市長しか選ばれていないので、事実上オルドリン市長が同盟首相になっていますが、マシュマーが休暇中の間に総選挙があり、体制が一新されたことがあります。

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「ATZ」vol.3は、第14話~20話までの7話14本を収録。

宇宙世紀0097年。「亡国の恋」が結実し、つかの間の幸せを味わったマシュマーとハマーンだったが、父マハラジャ、そしてジオン公国公王ミネバの…

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