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扇山火まつり2022

別府の春の恒例行事、「扇山火まつり」が4月1日に行われました。

別府の海側の方から山なみを見ると、扇を逆さまにしたような裾野がきれいに広がった山、それが「扇山」です。

「あの山は何なんですか? 何であんな形、色をしているんですか!?」
と県外のお客さまから聞かれることも多い扇山。本来の名前は「大平山」というのですが、スキー場のゲレンデみたいに均一で平らに見える山肌は、全面、草で覆われているのです。

そんな扇山の野焼きが、別府では春を告げる「火祭り」として毎年、多くの人が楽しみにする行事になりました。

標高815mほどの低い山ですが、広大な草地の山肌を、端の方から少しずつ燃やしていく様子は、別府市内のあちこちから見ることができます。扇山の麓近くから見るのも迫力があるし、別府湾岸沿いから町の夜景と一緒に遠目に眺めるのもロマンチック。けれども、別府らしい火祭りは、鉄輪の湯けむりの中に浮かぶ野焼きの炎のダイナミックな景色だと思います。

常々、方々からモクモクと立ち昇る湯けむりを「火事!?」と本気で勘違いする観光客も少なくない鉄輪ですが(笑)、野焼きの時は一段と湯けむりに火のパワーを感じます。湯けむりが野焼きの炎と一緒になって、まるでスケールの大きな自然の儀式を行っているように見えました。

画像リンクから動画

ちなみに、別府の火祭りの広告写真などで、山全体が炎に包まれた扇山の写真がありますが、あれは長時間露光して野焼きの炎の軌跡を撮影した写真ですね。現実には見たところ少しづつ山肌の炎は燃え進んでは消えていきます。

本当の扇山の見どころは、野焼きの後。
冬の間、枯れ葉色に覆われていた扇山は野焼きの後、真っ黒い姿に。そして、次第に新緑の若草色へと色を変えていきます。漆黒の扇山は、5月のゴールデンウィークの頃には美しい緑色の山へと変貌を遂げるのです。

野焼きを見逃した方も、4月は扇山の華麗なる変化を楽しんでくださいね■


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