影

ご夫婦で運動を始められたおふたり。

近くを散歩することから始めて、
ウォーキングが日課になり、
二人で健康のために歩いていました。

楽しかったと、旦那様はわたしに話してくれました。

奥様はどんどんウォーキングをしていくうちに、
体重が落ちていったので、
とても喜んでいたそうです。

ダイエットしようと思ってもなかなか続かなかったけど・・・

「一緒にウォーキングしていたら
　痩せてきた！嬉しいな〜❤︎
　健康にもなるし、
　ダイエットにもなるし一石二鳥だね」

とご夫婦二人で話をして楽しんでいたそうです。

そんな話を、奥様が安んでいる布団の横で
旦那様が聞かせてくれました。

その時、ポツリと
「あの時、気が付いていたら・・・。」

奥様の身体には気が付かない間に病があり、
ウォーキングをしたあたりから身体が痩せ始めたのは
病のせいでもあったそうです。

症状もなく、ウォーキングのタイミングだったことから、
体重減少に不安は一切生まれずに、
楽しく過ごしていたそうです。

ある時、
体調不良になり病院へ行ったのだと話されました。

可愛らしい亡き姿から、
ご夫婦お二人が楽しそうにウォーキングする姿や、
体重計に乗って嬉しそうにする奥様の姿が、
鮮明に想像できました。

その反面、仲良しのご夫婦が落胆する姿も・・・。

「残念で仕方がない」

「あんなに楽しそうに喜んでいたのに」

「こんなことってあるんですね」

旦那様は、私に静かに話しをしてくれました。

後悔からの悲しみがとても切なかったことを思い出します。

私たちは、このような仕事をしていますと
亡くなる前の様々な状況を知ることもあります。

その中には、悲鳴のような伝言もあるように感じます。

このご主人も・・・
身体に気をつけて、ちょっとでも異変があったら
病院に行って・・・
健康診断を受けてほしい
早く気づいたら、気づいていたら・・・
僕は奥さんと今でも笑っていたはずだから・・・

同じ思いをする人がいないように
きっと、そう願っているんだと思います。

私たちは逝く人からも見送る人からも
多くのことを受け取ります。

そして、心を広げさせていただき、命について考え学びます。

人の人生は、未来に繋がる
かけがえのない物語です。

皆様とのご縁に心より感謝を送ります。
ありがとうございます。

湯灌納棺・特殊修復　統美
https://toubi-tokyo.com/