恥ずかしがり屋の立方体 #3|#毎週ショートショートnote
「さぁ皆様!とくとご覧あれ!」
男はそう言って、テーブルの上に伏せられた黒いコップを持ち上げた。
そこから現れたのは1つのダイス。弐の目を上にしている。
男はやれやれという表情でダイスに向かって声を掛ける。
「ここは壱になる場面だろ?」
男は生まれつきダイスと会話ができた。不思議なことだが。
「だって……」
「ん、なんだって?」
「恥ずかしい……から」
「そうか」
男はその感覚を理解することはできなかったが、その気持ちを理解することはできた。
「ねぇ、どうして