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45夜 それでも人口減少社会はすすむ

 民間の有識者グループ「人口戦略会議」は全体の4割にあたる744の自治体で、2050年までに20代から30代の女性が半減し、「最終的には消滅する可能性がある」とした分析を公表しました(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240424/k10014431611000.html)

この数字は、以前に同会議が公表した人口減少問題に関する値からは多少改善されたものの、根本的な問題は改善されておらず、同会議が1月に公表した『人口ビジョン2100』 ー 安定的で、成長力のある「8000万人国家」へ ー
https://www.hit-north.or.jp/cms/wp-content/uploads/2024/02/01_teigen.pdf)における内容から考えれば、国としての人口減少対策がすすんでいないことの現れであろうと考える.

詳しいことはこのビジョンを読んでいただければよいのだが、これによればこの国の今後の人口規模は8000万人程度が最適解らしい。多くの自治体が人口減少がもたらす将来的な消滅を危機的に捉えて、そのための地道な対策をとってきていることは、それぞれが住んでいる地域における子育て支援や、永住定住外国人に対する施策を見てみれば明らかであろう。どこの自治体も四苦八苦して、少ない予算から少しでも将来につながるような施策実現のための予算を捻出しようと努力している様子がうかがえる。沖縄や九州地方の小自治体で減少改善がみられていることからもそれがうかがえる。
 逆に残念なのは、東京一極集中問題に対して有効な対策を出せていない政府や首都地域の、この問題に対する姿勢の本気度であろう。
 例えば、国際空港ひとつとってもいえることだろう。羽田空港の過密化は一向に収まる気配はないどころか、滑走路を増やすという始末で、世界的な空港のハブ化を考えれば、福岡空港の拡充や関空や中部など洋上空港をもっと機能的な空港へと変貌させるような予算をつけて地方活性化につなげるような複合的なデザインを考える事こそ必要なことなのではないだろうか。
 また、コロナによりはじまったリモート勤務という新しい働き方を、もっと多くの業態に増やしていく努力も、少子化対策に寄与できることなのではないだろうか。この点において、学校の在り方を見直す試みがなされるべきであると筆者はみるのだが、一向にそのような傾向はみられず、結局のところ、コロナ前の状況に戻ってしまっているのはなんとも歯がゆいばかりだ。リモートで運営する民間の高校への入学者数が増加している事をみても、今こそ公立学校の形態を考えるよいチャンスであるのに、「今年は、コロナ前の行事をすべて実施することができました。」と喜ぶ人々が多いことに、筆者は落胆の色を隠せない。なんともなあ。
 

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