ネットでの匿名性の話

ネットはリアルと違って匿名だから気軽に何でも言えて楽、というのはしっかりネットを使ったことがない人の意見だと思う。
ネットはリアルよりもっと恐ろしいものだ、というのもまた正確ではない。

リアルから逃げネットにどっぷりハマった私からすると、ネットなんてリアルとあまり変わらない。
下手な事言って嫌われないかビクビクしてるし、誹謗中傷は怖いし、余計な一言で傷つくし、嫉妬はするし、あの子にはハブられるし。

きっと健全なネットの使い方をしている人や、あまり使ったことがない人には理解ができないだろう。
何故私が気軽といわれるインターネットでしんどい思いをしているか、それは私にとってネットこそがメインの世界だからである。

私にとってリアルはさほど重要ではない。
友達はいないし、気を使うべき同僚も好きな人もいない。
でもネットにはいる。大好きな友達が、嫌われたくない人が、私と関わる人が。

確かにリアルでの私はここにいない。匿名だ。
だが、帳という私は確かにネットの海に存在している。
私はここにいる。ここにいて、真剣に誰かと関わっている。
だからしんどいし、怖いし、楽しいのだ。


ネットが恐ろしいだけのものではないというのも、同じ話だ。
私は主にネット、SNSを誰かとのつながりを求めて使用している。独りで生きられるほど強ければこんなにハマってなどいないだろう。
なので、関わる人と言えば同年代の似たような人間である。
ネットは偽る人が多いという風潮があるが、やってみると意外と嘘偽りない自分で、素っ裸で踊り狂っている人が多い。世間体などを考えなくていい分ありのままでいる人が多いのだ。
リアルでは周りを気にして言えない、聞けない事も、ネットでは不特定多数の人に発言し、聞くことが出来る。

そういう、最初の取り繕いをある程度すっ飛ばして中身で知って繋がることが出来る、というのがネットの良さだろう。

もちろんネットに恐ろしい面がないとはいえない。気を付けながら使用しないと、ニュースで報道されるような事態になることもあるだろう。

だが、それを言うのならリアルもそうじゃないか。リアルなんか本名で名乗るし、場合によっては住所だって知られてるし、関わりたくない人と関わらなきゃいけない状況だって結構ある。捉えようによってはそっちの方が怖い。


でも、それだけではないのだ。
リアルもネットも、怖いだけでも楽しいだけでもない。使い方によって楽しい場所にも怖い場所にも化ける。色んな側面があるのだ。

その在り方はどこに重きを置くかによって変化し、自分の意思で制御できるものである。それはあらゆるものに共通する。
どう使いたいか、どういうものにしたいかで、目の前の世界は変わるのではないだろうか。


何事もどれかに傾くとしんどくなってしまう。程々に嗜むのが賢い人間ってやつだろう。

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