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人間、くせえ

今日はあっちいかったので、延々と夏について愚痴っている。初めに言うが私は四季の中で夏が一番好きだ。光が眩しいから。光の強さによって良くなる健康がある。

夏だねえ。夏だ。いや夏だよ。いや、厳密にはまだ夏ではなさそう。夏なのか?今調べたら北半球の夏って、6月21日から9月23日までみたい。じゃあ、今は夏か。
昼間によくよく耳をすませてみると、セミっぽい声が聞こえる。ジーーって、蛍光灯の音をちょっと高くした感じの音が聞こえる。やば!こわ!これから家の窓にバンバン体当たりするセミが現れると思うともう憂鬱だよ!

てか暑すぎ!ちょっと前までちょっと涼しかったり、なんならちょっと寒いまでの日もあったのに、今じゃあすっかり蒸し暑い。汗が蒸発しない。背中が濡れる。家に帰って、まずするのは、それまで着ていた服をあらいざらい脱いで洗濯機に突っ込むことだ。肌着が、肌着のくせに汗を吸って妙に重い。

満員電車に乗りたくないなあ…。すみません、すみませんって腕全体で人を押しのける時に伝わってくる、むんわり汗の染みついた服の感触。

ありし学校時代、体育終わりの男子が、なぜか他に色々スペースがあるのに好き好んで一箇所にみちみちでつまってるところの、その近くを通りかかっただけで、むわあと広がる芳醇な香り。健康的な男子の体温がニオイを伴って僕を包み込む。ウオッってなる。くせえ。しかもさらに悪いのが、必ずしも香って来るのが汗臭さだけではないという点だ。絶対誰かは、汗を吸って匂いが出るタイプの柔軟剤を使ってる。あとスースーする汗拭きシートも誰かは使ってる。なんかの匂い消しスプレーも絶対にある。色々混ざって、ただでさえ汗臭いのに、それを誤魔化そうとする多種多様な強烈な匂いが上書きを試みて、結局消しきれてないし、匂いも統一感ないからすごいケミカルな匂いがする。ウオッってなっちゃう。まじで鼻に悪い。

夏は人と人を遠ざける。僕は割と人とボディタッチをするタイプ(当然気を許してる人に)だ。以前に、後ろから友人に抱きついたことがあるのだけれど、その時の不愉快さといったら。彼の背中と、そこに接触している自分の鳩尾から腹にかけて辺りが、急速に熱を集め始めた。その熱はみるみる広がって、あたりにむわあっと暑さのオーラが出始めて僕はさっさとその場を離れた。今年の夏は絶対に人と接触しないと決めた。さっき、不愉快だとか被害者面で語ったけれど、よくよく考えたら一番の被害者は、罪もないのに突然抱きつかれて暑い思いをした友人かもしれない。気の毒に。

というかハグところじゃない。前に友人が転びそうになったから咄嗟に腕を掴んだんだけど、その腕のぬるぬるさ。チュルって滑ってった。ぐおおって、なった。風よ吹いてくれ。この汗をかき消してくれ。別にベタベタ触らないからさ。ふとした時に触れる肌はどうかサラサラであってくれ。

いやあ、プールに行きたいねえ。プールに行きたい。ごめんやっぱ行きたくないかも。行きたいと思った瞬間が一番プールに対する期待がある瞬間だから。結局プールに入ることは、プールに入りたいと思った時点でのプールに抱いでいる期待を上回ってはこない。

僕は学校のプールの授業で、水着を忘れて泣く泣く見学することがたまにある。その時に、誰かのバタ足や、飛び込みの時に、偶然足にかかるプール水の嫌さ。なんかぬるぬるしてる気がする。日焼け止めとか汗とかそういうものじゃなくて、なんか豚バラ肉を限りなくサラサラした液体みたいな、概念としての「肉」って感じの液体が足にかかるような感覚がして嫌だ。

では水着を忘れずにちゃんと持ってこれれば、ちゃんとプールを楽しめるだろうか。
そうでもない。なぜなら僕は泳げないから。どうしてみんな泳げるの?僕は金槌ではない。金槌ではないから、浮かんで毛伸びくらいはできる。足をバタバタして進むこともできるし、潜れる。でも息継ぎが何もできない。クロールとかで、息継ぎする時はどこそこを見ましょうとか、よくいうけれど、僕は毎回勢い余ってひっくり返るか、ひっくり返らなければ結局水が口の中に入って、次第にお腹がタプタプになる。とまでは言わないけれど、だいぶ水を飲んでしまって、めちゃくちゃ気持ち悪くなる。おええ。

めちゃくちゃ気持ち悪くなるのは、実際プール水を飲めば気持ち悪くなるのはそりゃそうだって感じだけど、それ以上に、プール水の汚さを知ってるから、実際以上に心理的な気持ち悪さもあるんだと思う。枯葉とか、底に沈んでる。枯葉以外も。やっぱりプールに入るのはいいや。

なんだかんだと愚痴ってたけれど、それでも、四季の中で何が好きかと聞かれたら、僕は夏が好きだと答えるかな。
よく冬派の人が夏に対して、夏は暑くても脱げない服があるけど、冬は着ればいいからいいじゃん、って言う人がいる。動きずらくないの?って思う。服の上にさらに服を着ている時のゴワゴワ感とか、明確に関節の動きが制限されてる感覚とか、気持ち悪くないの?というか冬、寒いのはいいんだけど、痛くなるのはやめてほしい。
確かに布団がぬくぬくだと気持ちがいいし、温かいものが美味しいけどさ。夏は夏で…うん?夏って風物詩として色々食べ物があるけどどれもこれも味さっぱりしてるよな。でもクーラーガンガンに効かせた時にかぶる布団もめっちゃよくない?勿体無い…?それは…そう。

でも風物詩の美しさは、圧倒的に夏の方が優っていると思う。僕が夏を好きだと主張する主な理由がこれ。花火に風鈴、浴衣、ラムネにビー玉。川のせせらぎでスイカを冷やして、光さす縁側で、入道雲を眺めながらアイスを食べる。実際に僕はそれを体験したことはないし、おそらくこれからもこない。でも、一種の憧れも含めて想像してみると、色彩鮮やかだな〜って思う。冬って、白じゃん。ああでも、冬景色と暖色の家のコントラストが綺麗だな…。結局両方にいいところがあるから、これ以上考えたら堂々巡りになってしまう気がする。

季節の話をすると、なんだかんだいつでも四季折々の体験ができるVRCはすごいねえって思う。ノスタルジー系のワールド、とても好き。Yayoi summerとか。いいよね。

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