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【蕎麦百名店】砂場 赤坂店@東京・赤坂

「砂場」

この言葉を聞いて、公園の砂場を思い浮かべるか、蕎麦の名店「砂場」を思い浮かべるかで蕎麦通かどうかはすぐに分かる。

かくいう私もつい最近までは前者の方だった。


圧倒的なたたずまい

建物を囲む緑が生き生きとしていて

入る前から生命力を与えてくれる

店の中が見えないことでこのお店はいるとどんな世界が待っているんだろうと

知的好奇心をくすぐられる

店内は超満員

顔ぶれは老老男女といったところで

「若い衆が来るところじゃないぞ」

と言われているかのような圧を感じながらも

店員さんは優しい顔で店の奥へ案内してくれる


もちろん注文するのは大ざる

白っぽい蕎麦は蕎麦の香りが強くないが、つゆをよく吸い込むので
つゆの味を最大限引き出す名脇役の立ち位置に座ることが多い

このつゆが甘みもありつつ、芳醇な香りも兼ね備えてて

なんとも言えない、再現不可能な味を生み出していた


店員さんも3人ぐらいが接客を行なっていて、その見事な連携に圧倒され続けた

1人は水を入れる

1人はそばを運びながら蕎麦湯も配る

お会計は席でするのでお金をもらう役割を担っている方も

これらの作業が三位一体でそれぞれ持ち場があるわけではなく各々が考えて最適な動きをしているように見えた

これが伝統の連携ですよ。と言わんばかりに

「さてと。。」

幸せな気分で帰ろうとしたその時

「ありがとう存じます」

存じます? 聞きまちがい?? 

いや、違う。

他のお客さんにも間違いなく言っている。

こういうところに歴史の積み重ねが現れるのか

これは同じ言葉を普通のお店が言ってもほぼ意味がないだろう

歴史を積み重ねている砂場さんだからこそ、納得感を持って受け入れることができる

「こちらこそ、ありがとう存じます」


室町 砂場 赤坂店  2021食べログ百名店

Reviewed by とある蕎麦

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