「頂き女子りりちゃん」の手紙から滲むもの

(注意 私は「頂き女子りりちゃん」こと渡邊真衣被告が行った犯罪を擁護するつもりは一切ございません。あくまで本人の書く「文章」に注目をしたまでです。)


国民の多くが知っている上に注目の的となっているであろう「頂き女子りりちゃん」。
恋愛感情を利用して複数の男性からお金を騙し取ったとして、懲役9年と罰金800万円の刑が言い渡された犯罪者だ。

その「りりちゃん」が獄中で書き、友人に送っている手紙がある。それには獄中での出来事や考えた感じたことが赤裸々に書かれており、その手紙は友人がSNSに定期的にアップすることによって誰でも見られるようになっている。
※【X(Twitter) りりちゃんはごくちゅうです。@inu2narenakatta】

人を欺く詐欺を働くような犯罪者はどう考えるのか、さらに普通の詐欺師とはまた違った感じの詐欺師な故に内容が気になった自分。早速そのアカウントを覗くことにした。
ざっと読んでみて、まず思ったのは"やっぱり刑務所に入るってしんどいことなんだな"ということ。テレビなどで取り上げられたように、あれだけ気丈に振る舞って被害者のおじさんたちに「かまってあげる女」と「弱い女」を演じて金を騙しとるような人が精神を病ませる。もともと病んでいる部分があるからもっと病んでいるだけとも言えるが…。ここまで気持ちが落ち込むのは寒く暗い檻の中で人との交流が大きく減ったことが要因とも言えそうだ。
次に思ったのは"犬ってどこの犬だよ"ということ。初回から犬についての記述があり、「少しキモめの犬 キモ犬」や「しょげちゃった犬 しょげ犬」などが出てくる。その犬はどこからきた犬なのか。刑務所で飼っている?頭の中で犬が出てきただけ?結局考えても正解は本人にしか分からなさそうだ。
そして一番強く思ったことが"もしかしたら文才なのかも"ということ。検察側が懲役13年を求刑した後、3月25日にアップされた手紙を読んでもらいたい。ここでは一部だけ引用する。

「(懲役13年を求刑されていることを受け)ながながながーい!!!!ながびよーん。ちょっぴり涙を流してみたけど、私の涙甘いの。」

↑ここだけ読んでみてどうです?最後の一文が引っかかりません?


どこか阿久悠や井上陽水といった大物作詞家、ミュージシャンを思い浮かばせるような一文だと作詞家ではないが素直に感心した。前文が前文なだけに余計に響きよく感じる。ただただ感じたことを書いただけなのかもしれないがこの言葉が出てくるのはスゴい。これは感性が磨かれているからなのか、表現力が磨かれているからなのか、どちらなのだろうか。とにもかくにも我々のように普通に犯罪もせず暮らしている人には分からない「心」を持っているのだろう。分かるのは犯罪心理学に詳しい刑事ぐらいだろうか。

結局詐欺というのはこの先ずっとなくならない。詐欺を防げるようなAIか何かがどれだけ社会に馴染もうが、詐欺師は頭を回転させて抜け道を必ず考え出して詐欺を行う。
ましてや女性が恋愛感情を利用して男性からお金を騙しとること、またはその逆は「男」と「女」という区分がなくならない限り、なくなることはないだろう。
我々(特に男性)が恋愛感情を利用する詐欺師から身を守るために、詐欺を働かせる理由や詐欺師の考え方を知ることが詐欺防止に関して一定の効果を得ることができると考える。そのため、世に出ている手紙をざっとでも読むことが損をすることではないと思う。

社会に衝撃をあたえ、多くの関心を集めた「頂き女子りりちゃん」。そこから学べることは意外とあるのかもしれない。


追記
ストーカーをしていたとされる男が被害にあっていた女性を殺害する事件が発生した。男は「交際していた事実があり、貸していたお金が返ってこなかったから殺した」という旨の供述をしているという。
私はこのニュースを知り、被害を受けた女性から「頂き女子りりちゃん」と同じ匂いがすると思ってしまった。これも恋愛感情を利用してお金を貸してもらっていた、または貰っていたのではないだろうか。まだ十分な情報は明るみになっていないがそう考えざるを得ない部分があった。
当然殺害する方が悪いのだが、被害を受けた側が全く悪くないわけではなさそうだ。

恨みを買ってでもお金が欲しい人が社会には一定数いる。このような大きなリスクを理解していてもお金を貰おう、奪おうとする人がいる世の中が残念でならない。よほどの理由がない限りダメなものはダメ。社会の基本が今、揺らいでいる。

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