夕暮れ躑躅
洗いたての白さをくれた
あなたの人肌が恋しくて
夕焼け躑躅の道をゆく
この日常を許すのはわたしだけ
遠い空は雲隠れ
脆い手足は土塗れ
耳元にささやく風の音は
ふたりの道しるべ
思い出の忘れ際に
美しく照らされるそれが怖い
歌に乗せるなら雨模様
けして この心が消えぬよう
この世に花の死があるかぎり
だれかの言葉は乱れ咲く
この世に魂の灯があるかぎり
あなたの哀しみは燃え尽きる
すべてを朱く染めてゆく
夕暮れ躑躅の道を選ぶ
この日常を許すのはわたしだけ
一陣の風に今日を託した
舌足らずな歌に口づけを
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