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蒼生のレファレンス

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世界を知りたがる少女と、世界を知りたがらない青年。 星《ルーレタ》の導きによって結ばれた二人が不思議な事件に立ち向かっていく、異世界謎解きアドベンチャー。
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#蒼生のレファレンス

『蒼生のレファレンス』告知その2

小清水志織
5か月前
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『蒼生のレファレンス』告知その1

令和6年1月26日(金)から note に連載する小説『蒼生のレファレンス』 告知映像です。

小清水志織
5か月前
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【最終回】18. 蒼生のレファレンス

目が覚めてしまえば、あっけないほど世界は平和だった。 分天の祭りで多大な犠牲者が出たこと…

小清水志織
1か月前
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17. 決闘

エルが天井高く跳躍した。 空気のざわめきと硝煙のゆらぎが彼の輪郭を曇らせる。 アルファル…

小清水志織
1か月前
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13. カペラの追憶

カペラ・オリーヴェの部屋にエルが訪れたのは、午後の授業が終わった夕方のことだった。 早く…

小清水志織
2か月前
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12. 守れなかった朝を迎えて

空気の透きとおる朝。雲ひとつない秋晴れの空にむかって硝煙が立ち昇っている。 エルは熾きが…

小清水志織
2か月前
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10. 分天の祭り

豪華絢爛、という言葉が今日ほど似合う日も少ないだろう。 錦糸の刺繍が施された紅麻の帷子を身にまとい、客を接待する女たち。 村の若衆は早くも紹興酒が回り、千鳥足で歌い、踊る。 都市庁の高官は冠にあしらった宝石の美しさを自慢している。 ふだん贅沢には無縁の農民たちも、この日ばかりは髪を整え、化粧をし、一張羅を着こなして街に繰り出す。 帝国民にとって一年に二度だけの楽しみ、分天の祭りの夜がついに到来した。 正装姿のハマル神父のそばに、可憐なホワイトドレスが際立つエレナが立ってい

9. 光と闇の狂宴

「だっさ。こいつが強盗を倒したって大嘘ね」 梯子から滑り落ちて頭を抱えているエルを見下ろ…

小清水志織
3か月前
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8. 雷撃王の恐怖

「本校が建っているハレーという地域は、五百年前まで城塞として利用されてきた。北側には当時…

小清水志織
3か月前
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7. 天に近づく秘密

その日は夕暮れと同時に激しい夕立となった。 エルは図書館の仕事を終えると休む間もなく女子…

小清水志織
3か月前
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6.同族の誼(よしみ)

「調べてないってどういうことよ!」 エルは髪の毛を逆立てて怒る女性というものを初めて見た…

小清水志織
3か月前
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5.たぶん運命の出会い

乳白色の朝日がカーテンを柔らかく照らしている。薄い雲のヴェールに包まれた空の下を鳶がゆっ…

小清水志織
4か月前
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4. ニアミスの二乗

たなびく雲の合間から、白沙を撒いたような星たちが瞬いている。 すっかり夜が更けた「裏の市…

小清水志織
4か月前
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3. ハマル神父

エレナが坂道を駆け下りるほんの少し前、エルは守衛たちの追跡を逃れて同じ坂道を登っていた。 足腰に自信のあるエルでさえ、凸凹ばかりの坂道には閉口した。古代、この坂の上の台地に城砦が築かれ、外敵の動きを常に探査していたという。 「……!」 エルはあまりの美しさに目を奪われた。彼の背後にはウノ市街のまばゆい夜景と湾港に停泊しているいくつもの船、そしてまっくらな近海の様子がはるか遠くまで見渡せた。 しばしの間、彼は昼間のことを忘れて夜景に見入っていたが、無粋な声に意識を遮られ