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八重歯の話

自分の八重歯がちょっと人と違うらしい気づいたのは、
絵の得意な小学校の同級生が描いた自分の似顔絵を見たときだった。

小学校高学年の確か学校イベントの表紙。
元気に走る私の笑顔にはキバとも思える八重歯が輝いていた。
可愛らしく描かれていて、誰が見ても好印象な感じ。悪い気は全くしなかった。
ただ、気づいた。私の歯は特徴的なのだと。

それから、よく歯を褒められることがあった。八重歯カワイイ、羨ましい、私も欲しい、などなど。悪い気は全くしなかった。
ハロウィンには、みんなが黒猫や魔女や天使なんかの比較的王道でちょっとお洒落な仮装をする中、当時大好きだったNARUTOの犬塚キバの仮装を堂々と出来たのも、この八重歯のお陰だ。(だってもう生えてるからね、という説明をみんなにしていた)褒めてくれる人たちは、素直に肯定的な気持ちを伝えてくれていたと思うし、私も肯定的に受け止めていた。

だが、これは完全に個人の意見なので聞き流してほしいのだが、20代後半になって、これいつまで続けるんだろう?と思ったのである。
八重歯カワイイは、八重歯カワイイと思ってくれている人がいて初めてその瞬間に成立する(当事者視点) 。
本人は案外そうは思っていないことが多いんじゃないかと思う。そして不思議なことに、他人の八重歯はすごくチャーミングに感じる。
だからやっぱり八重歯もいいな、と思い、自分の笑顔の写真を見てやっぱちゃうな、と思う。どうでしょう、同じ悩みを抱えたみなさん。八重歯っていやだけどいいよね。

そんな私が歯列矯正を決意した話です。

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