見つめ直した夫との関係 ~10月のもぐら会に参加して~
10月のもぐら会のお話会に参加した帰り、私は心地よい気持ちに浸っていた。
お話会も楽しかったけど、特に楽しかったのは同じテーブルに座った女性4人でのアフタートーク。
会話を交わすのはほぼ初めてだった4人。でもとても楽しかった。
こんなに言いたいことを言えたのは久しぶりだったから。
こんなに気を遣わずに会話を楽しめたのも久しぶりだったから。
そこでふと思った。
あれ…私って毎日こういう会話がしたくて、夫と結婚したんじゃなかったっけ?
私と夫は7年前にとある読書会で出会った。
『100の思考実験』という本の読書会。
神保町のバーでお酒を飲みながら哲学の問題について語り合う、
本当に楽しい時間だった。
その会で最後の方に話したのが今の夫。
話した内容の詳細は忘れてしまったけど、
思ったのは「こんなに深くて楽しい話が出来る人がいるんだ」ということ。
その後、紆余曲折あったが私たちは無事に結婚。
しかし、今や私たちは『100の思考実験』の読書会で交わしたような深い会話をすることも無くなってしまっていた。
結婚してまもなく出産、今では3人の子供がいて、互いの人生も進学やら転職やらで何やら慌ただしい。
会話と言えば、子供たちに関する情報共有やそれぞれ今日あった出来事で終わってしまう毎日。
そんな折に参加したもぐら会。
そして、私は夫と結婚した理由を忘れていたことに気づいたのである。
そこで思い切って夫に突っ込んで色々と質問してみた。
「なんでそう思うの?」
と繰り返し問いかける私に、子供がまだ起きていて料理をしている最中ということもあり、面倒くさそうな対応を取る夫。
でも私はめげない。
なぜなら、毎日家庭でもぐら会のような会話が出来る夫婦になりたいから。
哲学問題の話で意気投合した夫ならそういう話が出来るはずという期待を持って。
しかし、そこで判明した衝撃の事実。
何と夫は自分の考えや内面についての話をするのが苦手だという。
知り合って7年だけど、そんなこと全く知らなかった。
そういえば確かに結婚してからはあまり深い会話をした記憶はない。
初対面のインパクトが強くて、どうやら私は夫について大いなる誤解をしていたらしい。
はぁ~ショック。
でも私は思った。
まだまだ自分についても分からないことだらけなんだもの。
夫とは言え所詮は他人で知らないことが沢山あって当たり前だ。
そしてどうやら夫は自分の内面に強固な蓋を被せているタイプらしく、自分でもその内部がよく見えていないようだ。
本当に聞いているかはともかく、話を聞くパフォーマンスがとても上手いので、妻である私も騙されていた。
しかし、私は夫の内面をもっと見たい。
そのために、夫と結婚したいと思った時の初心を思い出し、もぐら会でしているような会話をしたい。
縁あって夫婦になったのだもの、お互いの内面を掘り下げられるような関係を一生掛かっても築いていきたい。
10月のお話会の日の夜、私は1人そう決意したのである。