山田ズーニーさんの表現講座に参加して~第1回~
そのメールが来たのは、先月下旬のことだった。
ずっと前に申し込んでいた山田ズーニーさんの表現講座の受講案内メールが届いたのだ。
確か申し込んだのは今年の初旬。
人気の講座なので、ウェイトリストに登録されるのだが、とうとうその順番が回ってきたらしい。
申し込んだことすらすっかり忘れていたが、来年度は忙しくなる予定なので、このタイミングで受けられて良かったと私は嬉しかった。
山田ズーニーさんとの出会いは、私が2回目の大学受験を志した際に試験で必要となった小論文の勉強を始めた時だ。
小論文について調べているうちに、ズーニーさんがほぼ日のサイトで連載されているおとなの小論文教室に辿り着いた。
当時会社を辞めて進学するか否か、迷いに迷っていた私は、ズーニーさんの著作を何冊かのめり込むように読んだ。
そして、とうとうそのズーニーさんに会える日が来たのだ。
ズーニーさんは、思っていた以上に美しく、柔らかい印象だった。
しかし、その語り口は文章の通りはきはきと明瞭で、私はたちまちズーニーさんの世界に引き込まれた。
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表現講座第一回の課題は、「自分を伝える」ということ。
自分を伝えるには、まず「考える」ことが必要だ。
私はこの「考える」ということに関して、どうにも自信がなかった。
以前から自分は考えることが苦手で、浅はかなつまらない人間だという意識が抜けなかった。「思考法」といった本を何冊も読んだりもしたけど、それで考えが深まった実感はなかった。
しかし、ズーニーさんは「考えるための道具」を明確に提示してくれた。
それは、「問い」。
ズーニーさんの言う「考える」とは「自分に問う」こと。
具体的な小さな問いを出して、自問自答する。
なるほど、これなら私でも出来そうだ!
人生で初めて「考える」ということが、具体的にどういうことかわかった気がした。私も「考える葦」である人間になれるかもしれない・・・!
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学びが多くあっという間に感じられた講座の最後は、「自己紹介」だった。
ここでは自分の伝えたいことを「1つ」決めて、それを書いて読み上げなくてはならない。
私は何となく自己紹介ならこれを言うだろうなという、あたりさわりのないことを、その「1つ」に据えようとしていた。
その時ズーニーさんが言った。
「あなたの自己紹介を一番楽しみにしている人は、生まれた時から自分に寄り添っている自分です」
私は衝撃を受けると共に、涙が出た。
そうか、この自己紹介は今までの人生の集大成なんだと。
ズーニーさんが仰るように躊躇してはいけない。
そこで、私はその「1つ」をそれまで考えていたことから、がらりと変えて話した。
話している途中で感極まってつい泣きそうになってしまったけど、話せた時は嬉しかった。生まれた時から今までの自分が喜んでいるような感覚だった。
この自己紹介を書いて話したことで、私は自分の今の人生における役割を認識できたし、最近ようやく出来るようになってきた自己受容がまた一歩進んだ感覚があった。
ズーニーさんが仰っていた
「表現=訓練と勇気」
これは、まさに私の今年度下半期のテーマかもしれない。
私にひつようなのは、勇気。
追記:
途中、ペアワークをやったのだが、色々と共通項がある方で、その方のお話を聞いて、自分の中のブロックが1つ外れたのがわかった。
こういうことがたまにあるから、引き寄せの法則なるものを私は信じてしまう。