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手口分析とは?|初心者向け解説記事

手口分析って何ですか?

・・・という質問が非常に多かったので、少し簡単に説明していきたいと思います。この記事は、”手口分析って何?”についてしか書かれていないので、既に手口分析についてそれがどういうものか知っている方々には時間の無駄になってしまうかもしれません。

大手証券会社の取引状況が見れる

日本で馴染みのある野村證券や大和証券含め、世界には様々な証券会社があります。日本でも有名な会社で言えばゴールドマンサックス証券やモルガンスタンレー証券などがありますね。

彼等は日々、現物株(一般的な株式投資のこと)のみならず、先物や商品(金とかプラチナなどのこと)など色々なモノに投資をしています。その中でも先物の取引データは一般に公開することが義務付けられています。

いつから公開される様になったかは正直分かりませんが、私が証券会社で働き出してからは既にこの開示はあったので、10~15年前から既にこういう流れはありました。それだけ続いているものですから、いきなり無くなるなんてことはこの先ないと思います。

取引量が違う!

「大手証券会社の取引状況が見れる」について、それがどんな良いことがあるのか?ですが、彼等の取引総額は数百億円を余裕で超えます。我々、個人投資家の取引額は、平均するとせいぜい数百万円程度でしょうから、1社で数百億、数千億と動く証券会社の売買状況が見れるというのは、例えるなら投資で生計を立てている凄腕トレーダーの売買状況が見れるに等しい訳です。

17時頃に一般開示

各証券会社が売買した1日(前日の16時30分~当日の15時15分)の取引情報が17時頃にJPXより一般開示されます。

https://www.jpx.co.jp/

それを見て、各社がどういう方向を向いているのか?を分析するのが手口分析と言います。

例えば、野村證券が先物を100億円買っていたら・・・

日経平均株価の上昇に投資しているのか?下落に投資しているのか?

どちらだと思いますか?

当然、買っているので、上昇に投資していることが分かると思います。

それが他にも国内外合わせて数十社あり、更に日本の各証券会社で取引している個人の売買状況も見れるようになっています。

SBI証券で取引している全体の売買状況や松井証券で取引している全体の売買状況などが見れます。

それを見て、A社は100億円買っているけど、B社は200億円売っている。でもSBI証券で取引している個人は全体で30億買っている、あ、でも松井証券で取引している個人は全体で10億円売っている・・・。

それらを見て分析していきます。

20時にも開示

17時に開示されるデータは開示範囲内データと言って、どの証券会社がどこにどれだけ投資しているのかが分かるようになっています。ですが、20時に開示されるデータではどこの証券会社が取引しているかまでは見ることができません。その代わりに、より広範囲の情報が開示されるので、実は20時に開示されるデータの方が大事だったりします。

なぜか?ですが、

開示されていることを知っている

当然ですが、各証券会社は自社の取引が一般開示されていることを知っている訳です。それが個人はもちろん、他社(ライバル会社)も同様に見れる訳です。

つまり、A社が先物を100億円買っていたとしても、それが本当に株をあげたい理由で買っているとは限りません。

例えば、自社で保有しているインデックス系の現物株(ファーストリテイリングとかソフトバンクなどの寄与度の高い株)の価格を一時的に上昇させたい狙いがあるかもしれませんし、オプション(権利)価格の高騰を狙っての捨てポジかもしれません。

裏の裏まで読んでいく必要があるので、非常に奥が深いです。そしてあまり裏読みしすぎると逆に外してしまったりと、正直、手口分析には正解も不正解もありません。

まぁ、当然ですよね。A社やB社の社内㊙情報を完璧に日々取得することなんてできないですし、普通に犯罪ですからね。

ですので、過去の傾向とか直近の勝率に頼っていきます。

過去の傾向

「A社が1000枚とか2000枚といった千枚単位のまとまったオーダーを出したら、それは素直に受け取った方が正しい場合が多い」という過去の傾向を頼りに分析することは多々あります。

直近の勝率

例えば、B社が先物もオプションもとにかく上目線でガンガン買いまくっていたとしても、B社が全然投資で成功していなかったら信用性は低いですよね。

直近の勝率は、過去3ヶ月、6ヵ月、1年の3つに分けて調べていきます。これはどこかに載っている情報ではなく、自分で記録を付けていく必要があります。

直近の勝率で、6ヵ月間、1年とずっと勝ち続けている会社があれば、そこの売買状況を1番重要視するのは、至極当然の話ですよね。ただ中には普段全く取引しない会社があって、急に目覚めた様に爆買い、爆売りする会社があります。そういう時、その会社の勝率も急上昇することが多く、各社ちょっと癖というか性格があるのでそれらも記録付けていく必要があります。

※記録しなくてもだんだん慣れて自然に覚えていきますが

勉強7、経験3

過去の傾向や直近の勝率もそれらは即ち、経験に寄るところが多いというのはありますね。

手口分析についての勉強は非常に重要です。ただ1~10まで勉強したとしても、じゃあ直ぐに手口分析できるようになるかと言われると、正直それは厳しいです。

やはり自分で分析してみて、自分で考えてみることが大事だと思います。そこで周りと考え方が違う場合はその人の考え方をメモして結果が出てから照らし合わせてみる。

インプットとアウトプットを繰り返していくことで手口分析は読めるようになっていくと思っています。

僕は2年くらい継続すればほぼ完成形に近いところまで成長すると思います。

研修は3ヶ月

僕がディーラーしていた頃は手口分析の研修があって、座学で1~2週間(確か)座学期間含めて3ヵ月間を実践研修。隣に先物オプショントレーダーの上司がいて、毎日自分の意見や考えを聞いてもらって、それに対するフィードバックをしてもらう。

と、いうのをやっていました。・・・もう10年も前とか信じられません・・。

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手口分析にご興味のある方は、下の記事(買い切り型)でイロハを書いています。

手口分析の方法|先物分析①|元証券ディーラー|先物 (note.com)

手口分析は経験に寄るところも多いので、僕が「今日の手口は癖があったな」とか「今日の手口は落とし穴が多いな」、「今日の手口は勉強になるな」と思ったら実践例をリアルタイムで書いていきます。

https://note.com/to_gyu_shi/n/nf89b042665d0#3c207d34-45f2-4433-818d-61bc0ceb9326

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