短編小説|明日を探す私の進路
ラケットがボールを跳ね返す快音とセミの声が遠くに聞こえる教室。
三者面談で反抗的な態度を取ったことが、最初の一歩だった。
「今のところはかなりの好成績ですね。特に英語がよいので、花海外国語大学への進学も充分かと」
年配の男性が自分の事かのように断言する。進路相談員の立山先生だ。
「あら~、そんなことないですわ」
否定しつつも嬉しそうな表情を見せる母に嫌悪感を抱く。
「花山外大ですと、国家公務員や大手航空会社などへ多くの卒業生がいます。どんな社会人になるか期待していますよ」