短編小説|部長のイス #1
たった数秒前、部下が辞表を提出した。
コレを受け取るのはオレの役目だが、2回目となると驚きはしない。
いつまでたっても成長の兆しが見えない部下。
いつまでたっても現場の惨状に目をつぶる経営層。
いつまでたっても上向かない会社の経営状況。
「またか」と思うようなトラブルの毎日。
これだったらエンマ大王様の下にいるほうが楽かもしれない。
解決策を求めて本屋に足を運んでも、上っ面だけの成功者の話ばかり。
今オレが置かれている状況に、そんな高みの見物をしている奴らをぶち込みた