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一人情シスの話

某ニュースサイトで「一人情シス」つまり会社の情報システム部門の人員が1人しかいない会社について記事を見かけた。

#デル・テクノロジーズは、中堅・中小企業を対象にしたIT投資動向調査によると情報システム部門の担当者が「1人以下」と回答した企業の割合は、従業員数が400人以上1000人未満の企業では平均11%なのに対し、50人以上400人未満の企業では平均58%だった。

このアンケートは概ね実態を表しているとみて間違いないだろう。
この記事に触れられている一人情シスの問題は日々の業務過多でDXにかける時間が取れないというものだったが、そもそも情報システム部門がDXを行うという考えが間違いで、DXは全社で取り組まないと意味がない。米国発の記事ではDXは全社が担うべきで情報システム部門は不要であるとまで言っており、DXとは全社員が情報システムを担当するのが理想ということなのだろう。まぁ、でも現実にはそうもいっていられないので、会社の規模に対して必要な人員を少し考えてみよう。

デルのアンケートは大雑把だが、私の経験では非IT系の企業で正社員50人に対して最低1人ぐらいはITの保守要員が必要だと感じている。つまり従業員数200名の起業なら4名程度の要員がいる。4名いれば分業が出来て組織的な動きが出来るのでDX等の企画を行うことも可能となろう。これを飲食チェーン企業で見ると直営店50店舗につき1人の情報システム人員が必要とみて間違いがないと思っている。企業にとってITが重要な昨今において、この定員を満たしていない場合は、恐らくその企業の成長は鈍化していくとみて間違いがない。

これはITに限らない。経理、人事などの管理部門が事業規模に応じて適切な人員を確保できなければ、それが成長の壁になってしまうことは、判る経営者なら判っていてちゃんと手を打っている。

飲食店であればオーナー1人で3店舗ぐらいが限界になる。経理専任を置ければ5店舗ぐらいには到達するが、ここから先は総務や情報に担当者が居ないと先には進めない。10店舗を超えるチェーン店は商品や人事の部署を揃えていかないと50店舗の壁にはとうてい到達しない。現実にこの3店舗、5店舗、10店舗辺りで立ち止まっている企業は珍しくもなく、必要な管理部門に人材を確保できた先見性のあるところが、50店を超える企業へと成長しているように思える。ちなみに1業態200店舗が適正との話を聞いたことがあり、それを超える店舗数になると私の経験外のことだ。
この管理部門に必要な人員は企業の成長に遅れてはならない。人員確保が後手に回ると、それが原因で成長が止まってしまうからだ。
つまり、一人情シスというのは論外なのだ。現状の事業規模に留まることは出来るが成長を目指すなら、まず先に情報システム人員を増やすべきだ。
私が一人情シスだった企業に入ったのが30店舗の時で、200店舗まで常に先行して人員を増やしていたので、成長するためには先に人を手配すべきだと確信している。

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