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妄想紙[vol.4]Life in the Cyber Space ~2020年3月から7月のわたし~

今年の長かった梅雨の間に、地元九州は「令和2年7月豪雨」で甚大な被害を受けた。実家のテレビからは避難情報と被害の映像のニュースが流れ、その映像を横目にソワソワしながら授業を受けた。毎週楽しみにしていた授業に、全然集中できなかった。歴史に残る事実に対して、歴史には残らない私の些細な思い出。でも、あの時おぼえた危機感と緊張感は決して忘れてはいけないものだと思う。今年のパンデミックは、きっと歴史の教科書に載る出来事だ。それに対して、歴史には残らない私の日常や感じたこと。しかし、この3月から7月に私はいつの間にか変化していて、この間の日常や思考は、その変化のプロセスを表す、私にとって大切なものだ。今回の妄想紙のテーマは「Life in the Cyber Space ~2020年3月から7月のわたし~」。3月から7月の生活を振り返り、それぞれにとって大切なことを書き残す。(なつ)

□故郷はもうないのか/いずみ

四月初頭、東京にある寮から実家へと戻ったといういずみ。実家暮らしだと生活リズムが良くなると語っていた一方で、地元にいるからこその大きな苦悩を抱えていた。赤裸々な言葉で伝えられる悲痛な思いに、心が動かされるに違いない。


□カレンダーから覗く日常/齊藤湧太

常にたくさんの仕事をこなしているように見える齊藤。一見仕事人間に思えなくもないが、そのイメージとは程遠く齊藤の感性はいつも独特で面白い。その源泉は何気ない「日常」にあるようだ。

□わたしのだいじなもの/はるか

新しい日常という名のオンライン生活。家族以外の人と会えない日々は誰もが寂しさを感じるだろう。しかし、そんな中でもこの春学期は充実感に溢れていたという。それははるかにとってだいじなものおかげだそうだ。

□オンラインの関係性/たかしゅん

常に0か100で決めてはっきりさせようとしているように感じられたたかしゅん。一度はゼミを辞めようとした時も白黒はっきりつけることは焦っているように見えた。動きながらも考え続け、自分自身も環境も変えていけばいい。焦る必要は全くない。

□思考の変化/こうすけ

前期のゼミでは「13歳からのアート思考」をゆっくり読み進めた。常にどこか急いでいるように見えるこうすけにとって、もともと好きだったアートなどの話をゆっくり考えれる時間があったことで、思考も変化できたようだ。

□My Change story/mika

おそらく、この半年間で最も成長した一人であろうmika。その原動力となっていたのは何だったのだろうか。自身の中でのいくつかの「変化」を紐解きながら、人生の転機の一つとも評したこの半年間を振り返る。

□変わったこと、変われなかったこと/くらっち

健康に対しての意識がコロナを通じて大きく変わったというくらっち。コロナ以前より健康体になったと喜ぶ一方、オンラインに関しては向いてないという思いもあるという。社会はもう元には戻らないと考えるくらっち。この思いもアップデートしていこうと意気込む。

□考え方の変化/さら

多くの新ゼミ生が前年度の秋学期から少しずつゼミに参加していた中で唯一この4月からゼミに参加し始めたさら。おそらく戸惑うこともたくさんあっただろう。しかし戸惑いながらも大きく成長できたはずだ。

□コロナと私のお話。曖昧さの中を歩いていく。/Yui Tanaka(やさころ)

グローバルデイが中止になり、新しくオンラインイベントを企画し開催したやさころ。いつもの明るさは見せつつも、どこか疲れているような、何か迷っているような雰囲気がずっとあった。明日がどうなるかもわからない状況で、どう自分と向き合い、どう乗り越えてきたのだろうか。

□ゆるやかな坂をのぼるように/natsu

大学に入ってから少しずつ変わっていったnatsu。そんなnatsuを横目に世界は物凄いスピードで変わっていき、答えのない問題が次から次へと立ちはだかるだろう。しかし、世界とはそういうものだ。だからそれに焦ることなく、これからもnatsuはゆるやかに坂をのぼり続ける。

□編集後記

「いつかコロナが過去のものになったときのために、歴史に残るこの半年間の記録を残そう」
その言葉から始まった今回の妄想紙。これだけ聞くと、僕は何かすごいことをしているんじゃないか、そう思えた。しかし、会う人のほとんどは画面上にいる。目の前にいるはずの人に対してすら、僕たちは何もできない。というよりも、誰かに対して、社会に対して何かできているという手触り感がオンライン生活では全くない。この無力感が何とも虚しく思えた。しかし、よく考えてみれば社会に対して僕たちができることなんてもともとちっぽけなものだ。
この半年でゼミ生一人一人が行動、考え方を大きく変えた。その変化が社会にもたらすものは微々たるものかもしれない。でも、初めはそれでいいのではないだろうか。僕達はまず、半径1mの世界を変えていこうとしているのだから。(いずみ)

[Chief Editor] 長岡健
[Editor] 西山なつ美、泉拓真、小澤未花
[illustrator]高村南美

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