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南阿蘇鉄道全線復旧記念 九州残線区乗りつぶし(計画立案編)

はじめに

2023/5/19 南阿蘇鉄道高森線が、2016年4月の熊本地震以来7年ぶりに、2023年7月15日から全線で運転再開することが発表されました。
中松~高森は一部復旧後に2度ほど乗りに行きましたが、立野~中森は2013年以来ご無沙汰だったので、この機会に乗りに行こうと思います。
合わせて、先日の九州北半分乗りつぶしで乗らなかった各線区にも出来る限り乗ってこようと思います。7月15日~17日は3連休。復旧初日の騒ぎに加わるのはあまり気が進まないのですが、せっかくの3連休なので、九州行きのプランを立てます。

今回の目的

九州のご無沙汰線区完乗。対象路線は以下のとおり(記載順は、博多から概ね反時計回り):

  • 九州新幹線全線

  • 豊肥本線 肥後大津~大分

  • 高森線全線(立野~中松は9年半以上ぶり

  • 鹿児島本線 新八代~八代

  • 肥薩おれんじ鉄道線全線

  • 指宿枕崎線全線

  • 鹿児島市電全線

  • 日豊本線 大分~鹿児島

  • 肥薩線 吉松~隼人(吉松以北は長期運休中)

  • 吉都線全線

  • 日南線全線

  • 宮崎空港線全線

  • ラクテンチケーブル

くま川鉄道湯前線は、部分復旧しているが地元の方のための運転と言う性質の運転に見える(観光列車を走らせていた高森線とは違って見える)ことに加え、アクセスの困難さもあり、今回は対象外。乗りに行くなら、全線復旧時。

全体プラン作成

先日同様「旅名人の九州満喫きっぷ」(有効期間:1日×3回)だと、九州新幹線に乗れない他、特急中心でダイヤが組まれている日豊本線の移動にもちょっと苦労しそうなので、何か良いきっぷはないかJR九州のサイトを見ていたら、「みんなの九州きっぷ 全九州版」というきっぷを発見。連続する土休日2日間、JR九州の全路線(新幹線・在来線特急含む)乗り放題で18,000円。今期の発売は7月9日まで、有効期間は7月17日まで。
「旅名人」をベースに特急利用区間で追加出費するか、「みんなの九州きっぷ」をベースに1日目か3日目は別の切符を捜すか、と考えてプランを考え始めたけれど、これが非常に難しかった。

難点1:長い盲腸線が2本

今回の乗車対象には指宿枕崎線日南線と言う長い盲腸線が含まれる。基本的に夜間乗車は乗車履歴に含めない方針なので、長い盲腸線は、その始点か終点で1泊することで、往復どちらかを夜間移動に回すのが時間を有効に使う常套手段(例:日没寸前に枕崎に着いて、夜の折り返しで鹿児島中央まで戻っておき、翌朝の旅程は鹿児島中央からスタート)なのだが、この二つが近すぎて、どちらかは真昼間に終点に着いてしまうことになり、時間の無駄を排除し切れない。終点同士を結びショートカットが出来れば言うことなしだが、大隅半島の付け根にある志布志と、薩摩半島の西端の枕崎との間には、さすがにそういう都合の良いルートはなかった。

難点2:運転本数の少ない区間が2つ、営業時間の短い区間が1つ

吉都線豊肥本線 宮地~豊後竹田は、日中に走破できる列車が早朝を含めても6往復しかない。特に吉都線は、朝と夕方に極端に偏っている。
ラクテンチケーブルは、遊園地の営業時間内は20分に1本出ているが、営業時間は9:30~17:00(最終入場は閉園1時間前)なので、早朝や日没直前に立ち寄る形が取れず、結果的に大分~別府~ラクテンチ下の往復時間を消費することになる。(これを抑制するには、最終日に大分か別府に泊まって、朝一でラクテンチに入ってすぐ出るのがベスト。)

難点3:使うきっぷ

「みんなの九州きっぷ」は土休日連続2日有効なので、九州新幹線+αの日と、日豊本線+αの日に充てたい。難点2対策のためには、2日目に大分に着いておきたいが、そうすると、鹿児島~宮崎間に充てられる乗車時間が数時間しかなく、指宿枕崎線・吉都線・日南線の少なくともどれか1線は乗れない。

2回に分割

いろいろなパターンを試すうち、そもそも、3連休の日中に対象路線すべてに乗車するのは絶望的であることが分かった。そもそも使おうとしているきっぷが、有効期間3日の「旅名人」と有効期間2日の「みんなの九州きっぷ」なので、今度の3連休と別の土日の2回に分けて、以下のような合計5日間の旅程を立案してみた。「旅名人」の方を、1回と2回に分けて使うのが工夫。(ただし、「旅名人」の3か月の有効期間の間に2回九州訪問が必要。)

3連休分

1日目(みんなの九州きっぷ利用1日目):(新幹線または飛行機で福岡入り)博多 13:25(さくら579号)14:51 鹿児島中央 15:16(鹿児島本線・日豊本線)15:51 隼人 16:19(肥薩線・吉都線)18:55 都城/日没 19:09 (日豊本線)20:05 宮崎/泊
2日目(みんなの九州きっぷ利用2日目):宮崎 8:10(にちりん6号・ソニック24号)11:18 別府 11:45(バス)11:58 ラクテンチ下 12:00(ラクテンチケーブル)12:05 ラクテンチ上 12:20(ラクテンチケーブル)12:25 ラクテンチ下(徒歩)別府 13:29(日豊本線)13:43 大分 13:46(豊肥本線)14:59 豊後竹田 15:00(豊肥本線)15:46 宮地 16:35(豊肥本線)17:11 立野 17:36(高森線)18:09 高森 18:46(高森線) 19:16 立野 19:20(豊肥本線)19:33 肥後大津/日没 19:38(豊肥本線)20:15 熊本/泊
3日目(旅名人の九州満喫きっぷ):2日目に高森線に乗れなかった場合に備えた予備日。成功していたら熊本近辺をぶらぶら(ケータイ国盗り合戦のため、天草方面に足を延ばすことを想定)し、新幹線または熊本空港からの飛行機で帰京。

吉都線の本数が少なく、博多発をもっと早めても、都城以降で新たな日中乗車線区を増やすことが事実上できない(隼人~都城は、指宿枕崎線・日南線と組み合わせる)ので、博多発は13時台。
2日目のラクテンチ前後のプランがタイトすぎる点が大きな懸案事項。ラクテンチ下から別府駅までは過去に何度も歩いて移動したことがあり、20分も掛からず着けるとは思うが、日豊本線が遅れたりして13:29までに別府駅に戻らなければ、(豊肥本線は特急あそぼーい!に乗れれば日中乗車可能だが)高森線の日中乗車が絶望的となってしまうので、3日目に以下の行程を準備:
熊本 8:48(豊肥本線)9:23 肥後大津 9:26(豊肥本線・高森線※)10:14 高森 10:25(高森線)10:56 立野
※:今回のダイヤで新設される、高森線直通乗り入れ列車。
(ちなみに、ラクテンチ下→別府駅はバスで10分以上かかるが、これはバスルートがかなりの遠回りであることが原因。直線距離は2km弱で下り坂なので楽。)

別の週末分

1日目(旅名人の九州満喫きっぷ):(飛行機で熊本空港か福岡空港入り)新八代 11:43(鹿児島本線)11:46 八代 11:57(肥薩おれんじ鉄道)13:16 出水 13:18(肥薩おれんじ鉄道)14:19 川内 14:22(鹿児島本線) 15:12 鹿児島中央 16:02(指宿枕崎線)18:36 枕崎/日没 18:41(指宿枕崎線)19:55 山川 19:58(指宿枕崎線) 21:10 鹿児島中央/泊
2日目(旅名人の九州満喫きっぷ):鹿児島中央 9:00(鹿児島本線・日豊本線)11:35 南宮崎 11:45(にちりん3号)11:50 宮崎空港 12:09(にちりん10号)12:19 宮崎 12:30(快速日南マリーン号) 14:55 志布志(以後、宮崎空港か鹿児島空港から空路帰京)

1日目の出発時間を7時台に早めれば1本早い指宿枕崎線に乗れるが、それでも鹿児島中央への到着は18:42で、日没までに新たな線区の乗りつぶしは困難。
3連休1日目の宿泊地次第だが、南宮崎~宮崎間を乗りそびれるリスクがある点に注意。今回のプランでは2日目の宮崎空港からの戻りで南宮崎でなく宮崎まで行くことで回避している。
4日分のルートを色分けして記載したのがこちら(国土交通省 九州管内路線図に加筆):

ルート概略(赤:3連休初日、橙:3連休2日目、緑:別週末土曜日、紫:別週末日曜日)
九州への出入りは空港アプローチも含めて省略(三角線・熊本~新八代間は加工ミス)

鹿児島市電

単純に鹿児島駅前や鹿児島中央駅前を起点終点に全線乗りつぶすには、約1.5時間。ただし、要注意ポイントが郡元電停周辺。
郡元電停は三叉路に設けられていて、交差点前後で「郡元」「郡元(南側)」と二度止まる。市電1系統は郡元~郡元(南側)を、同2系統は中郡~郡元を結ぶ線路を走るが、少ないながら、中郡電停と郡元(南側)を結ぶ列車がある。朝と深夜しか走らないその直通便を組み込むと、2系統の通常ルートである「中郡~郡元」に乗り損ねてしまう。
(※:以前は深夜だけだったため、乗車対象としなかった覚えがある。平日朝も運行していたかも。2023年6月現在、土休日も谷山方面行きの直通便がある。)

鹿児島市電路線概略図


中郡~郡元に乗る日を別に設けることも考えたが、直通便の時間に合わせて以下のように1日で回りきった方が良さそう。

鹿児島泊の翌朝:鹿児島中央駅前 7:02(鹿児島市電2系統)7:14 郡元 7:20(鹿児島市電2系統)7:23 中郡 7:28(鹿児島市電谷山直通) 7:40 谷山 7:42(鹿児島市電1系統)8:17 鹿児島駅前 8:23(鹿児島市電2系統)8:42 鹿児島中央駅前/鹿児島中央 9:00~

ちなみに高見馬場電停近くの三叉路も、全方向直通可能な配線になってはいるが、2023年6月現在、甲東中学校前方面と加治屋町方面を直接つなぐ線路を走る営業列車は存在しない。

4日間での巡回プラン

このnoteを作成するために、「もし3連休の後にもう1日休みが取れたら」と仮定してルート案を作成してみたところ、意外にも、ケータイ国盗り合戦向けの寄り道を含め、綺麗に4日間に収まることが判明。
1日目:博多 13:25(さくら579号)14:51 鹿児島中央 15:16(鹿児島本線・日豊本線)15:51 隼人 16:19(肥薩線・吉都線)18:55 都城/日没 19:09 (日豊本線)20:05 宮崎/泊
2日目:宮崎 8:10(にちりん6号・ソニック24号)11:18 別府 11:45(バス)11:58 ラクテンチ下 12:00(ラクテンチケーブル)12:05 ラクテンチ上 12:20(ラクテンチケーブル)12:25 ラクテンチ下(徒歩)別府 13:29(日豊本線)13:43 大分 13:46(豊肥本線)14:59 豊後竹田 15:00(豊肥本線)15:46 宮地 16:35(豊肥本線)17:11 立野 17:36(高森線)18:09 高森 18:46(高森線) 19:16 立野 19:20(豊肥本線)19:33 肥後大津/日没 19:38(豊肥本線)20:15 熊本/泊
3日目:熊本 8:06(鹿児島本線・三角線)8:58 三角/三角産交 9:05(九州産交バス)9:11 岩谷入口 9:51(九州産交バス) 9:56 三角産交/三角 10:15(三角線)11:06 宇土 11:21(鹿児島本線)11:46 八代 11:57(肥薩おれんじ鉄道線)13:16 出水 13:18(肥薩おれんじ鉄道線)14:19 川内 14:22(鹿児島本線)15:20 鹿児島/鹿児島駅前 15:30(鹿児島市電2系統) 15:49 鹿児島中央駅前/鹿児島中央 16:02(指宿枕崎線)18:36 枕崎/日没 18:41(指宿枕崎線)19:55 山川 19:58(指宿枕崎線) 21:10 鹿児島中央/泊
4日目:鹿児島中央駅前 7:26(鹿児島市電2系統)7:32 高見馬場 7:40(鹿児島市電1系統)8:06 谷山 8:10(鹿児島市電直通) 8:25 中郡 8:27(鹿児島市電2系統)8:29 郡元8:32(鹿児島市電2系統)8:47 鹿児島中央駅前/鹿児島中央 9:00(鹿児島本線・日豊本線)11:34 南宮崎 11:45 (にちりん3号)11:50 宮崎空港 12:09(にちりん10号)12:19 宮崎 12:30(日南線快速日南マリーン号)14:55 志布志/志布志駅前 15:59(鹿児島交通バス)17:50 鹿児島空港(飛行機で帰京)

ルート概略(赤:初日、橙:2日目、緑:3日目、紫:4日目)九州への出入りは空港アプローチも含めて省略

3日目の指宿枕崎線への乗り換え時間に、市電の鹿児島駅前~鹿児島中央駅前に乗っておくのが、ちょっとした工夫。これで4日目の寝坊リスクを少しだけ減らせる。

プラン選択結果・実乗状況は別記事

「3連休の翌日にさらに有給休暇を取ること」さえできれば、九州との往復を1回節約可能。これは体力的にも金額的にも非常に大きく、単純に考えれば有給休暇をねじ込むことで生じる精神的ストレス(業務の調整など)くらい何とでもなる、と言いたいところなのですが、そこはサラリーマンなので、私の損得勘定だけでは決められないのです。
どういうプランを採用したのか、実際行ったらどうだったのかは、また別記事で書きます。

2023/7/25追記

実乗記事、公開しました。


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