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埼玉県私鉄の乗りつぶし計画の立て方(埼玉県民の日周辺限定)


はじめに

乗りつぶし初心者の方向けに、地域ごとの乗りつぶし計画の立て方をご紹介します。第6回は、ちょっと角度を変えて埼玉県民の日(周辺)の埼玉県の私鉄。
なお、私の乗りつぶしの考え方は、こちらにまとめてあります。

対象路線

埼玉県民の日記念乗車券の対象範囲となる、各私鉄路線:
(各きっぷの金額は2023年9月末日調べ)

  • 秩父鉄道 全線(埼玉県民の日フリー乗車券 1,000円)

    • 11月14日のみ有効

    • 土日祝、夏季/冬期休暇期間中に販売される秩父路遊々フリーきっぷは1,800円

  • 埼玉新都市交通 全線(埼玉県民の日フリー乗車券 430円)

    • 2022年は11月12日(土)~13日(日)有効

    • 通年販売のニューシャトル1日フリー乗車券は720円

  • 東武鉄道 埼玉県内(埼玉県民の日フリー乗車券 480円)

    • 11月14日のみ有効

    • 伊勢崎線系統・東上線系統の両方乗車可能

  • 西武鉄道 埼玉県内(埼玉県民の日フリー乗車券 480円)

    • 2022年は11月12日(土)~11月14日(月)有効

      • 例年、県民の日当日だけでなく土日にも販売している

    • 「○○1日お出かけきっぷ」(1000円)の名で随時販売されている1日乗車券は、所沢以南に乗れる代わりに、池袋線 高麗駅以西が範囲外

下記路線は、他の時期にも同様の一日乗車券があるので、今回は言及しない:

  • 首都圏新都市鉄道(つくばエクスプレス)

    • 学生の休み期間に販売している一日乗車券と金額・対象が同一なうえ、販売箇所が埼玉県内の八潮駅・三郷駅だけなので、今回は除外

  • 埼玉高速鉄道

    • 土休日・年末年始に販売している一日乗車券と金額・対象・販売箇所が同一なので、今回は除外

注目すべきは、西武鉄道東武鉄道。いずれもわずか480円で埼玉県内乗り放題、しかも、通常販売されている一日乗車券がない西武秩父線や東武伊勢崎線・日光線系統に乗れるのは、大きい。
ただ、東武伊勢崎線・日光線は、埼玉県からさらにその先栃木・群馬まで伸びているので、中間部分が乗り放題となることを生かす機会は作りにくいかもしれない。

なお、毎年恒例のように販売されているきっぷではあるが、販売開始の案内が出るのはいつもかなり直前になってからであり、2023年以降販売が継続されるかどうかは、9月30日現在不明。

実乗例

西武東京メトロパス+埼玉県民の日記念1日フリーきっぷ

2021年11月13日(土)、西武東京メトロパスと埼玉県民の日記念1日フリーきっぷ(+α)で、西武線(多摩川線以外)乗りつぶし。翌日が埼玉県民の日だが、西武はこの土日で埼玉県内フリーの1日乗車券をだすとのことで、使ってみることにした。

登戸発0817+01各駅停車立川行きE233系8000番台6両0845+02着。
0855各駅停車青梅行きE233系10両。西立川までのルートは連絡線。0907+01拝島着。
西武東京メトロパスを購入。1000円。小竹向原・池袋・西武新宿のどこからでも東京メトロに乗り換えられる優れもの。拝島~西武新宿が440円であることを考えると激安。券面に記載された「西武線内では途中下車できません」が「前途無効」(『途中下車』ができない)の意味か「下車禁止」(途中で『下車』できない)かは、後で試してみる予定。0919急行西武新宿行き30000系10両0938+03小平着。
0940+04急行本川越行き同編成0949+02所沢着。
0959Fライナー快速急行元町・中華街行き東急4000系10両1016+02練馬着。
1018+01各駅停車池袋行き20000系8両1028+01着。
副都心線池袋駅へ。1038+08Fライナー急行飯能行き東急4000系10両1047+08練馬着。
1100豊島園行き2000系8両1102着。150円払って出場。(地下鉄小竹向原からの乗り越し精算。)
150円のきっぷを買って入場。1108折り返し各駅停車池袋行き1110練馬着。
1111+01各駅停車新木場行き6000系10両1123池袋(有楽町線)着。
1128荻窪行き02系6両1203新宿着。
西武新宿発1211急行本川越行き2000系8両1249所沢着。
西武東京メトロパスで出場しようとしたが自動改札機で区間外とされ、通れず。所沢駅が西武新宿から拝島の最短ルートから外れているせいかもしれないので、萩山での出場を目指す。1254準急飯能行き6000系10両1256西所沢着。
1303各駅停車西武球場前行き30000系8両1309着。
1318多摩湖行き8500系4両ワンマン1325着。
1326国分寺行き9000系4両ワンマン1333+01萩山着。自動改札機では止められたが、係員にインターホンで途中下車前途放棄の旨申し出たら、出させてもらえた。これが正しい対応なのか、駅員の裁量によるものなのかは不明。
1355国分寺行き同編成1402+01着。
1412各駅停車東村山行き2000系6両1423着。
1428西武園行き2000系4両1433着。西武園駅は埼玉県民の日の1日乗車券で乗降可能な駅となっているが、販売はしていなかった。
1439折り返し東村山行き1442着。
1436+09各駅停車本川越行き2000系8両1439+09所沢着。出場し埼玉県民の日記念1日フリーきっぷ購入。
1452急行本川越行き30000系10両。まさかのオンタイム出発。1513+02着。一旦出場する間に折り返しは出てしまったが、想定内。
1525+02各駅停車西武新宿行き30000系8両1546+01所沢着。
1554準急飯能行き6000系10両1618着。
1620各駅停車西武秩父行き4000系4両1715+02着。

日没。

特急で帰ろうかと思ったら特急券は売り切れていたので、普通に帰る。1734折り返し各駅停車飯能行き1821+02着。
1828快速池袋行き6000系10両1858+01秋津着。夕食。
新秋津発1931府中本町行きE231系8両1944着。

使用したきっぷ
(金額はいずれも、2021年当時のもの)

  • 西武

    • 拝島からの「西武東京メトロパス」:1000円

    • 小竹向原~豊島園往復:150円×2

    • 萩山~西武園:178円

      • 西武線の運賃計算ルールは、JRの近郊区間同様、乗車経路によらず最短距離で算出(つまり、経路重複しなければ遠回り乗車可)

    • 西武園~所沢:178円

    • 埼玉県民の日記念1日フリーきっぷ:480円

  • JR

    • 登戸~拝島:473円

    • 新秋津~登戸:396円

東上線系統+秩父鉄道+羽生~春日部~大宮

2014年11月14日(日)乗車。埼玉県民の日記念きっぷを使ったのか、他のフリーきっぷの類を使ったのかは不明。

府中本町発0933快速東京行き205系8両0956北朝霞着。
朝霞台発1003準急池袋行き10000系10両1008和光市着。
1013急行小川町行き50000系10両1043坂戸着。
1045越生行き8000系4両ワンマン1108着。
1115折り返し坂戸行き1134着。
1144急行小川町行き8000系10両1213着。
1237普通寄居行き8000系4両ワンマン1252着。
1307普通羽生行き5000系3両1400着。
1425普通久喜行き30000系6両1444着。
1445急行中央林間行き30000系10両1457春日部着。
1507大宮行き8000系6両1528着。

余談

西武鉄道の「埼玉県民の日記念1日フリーきっぷ」の説明文で、解釈に悩む文言がある。その内容を2022年度のNews Releaseから転載する:

埼玉県内の西武線各駅と西武園駅、多摩湖駅での乗り降りが自由となる大変お得な企画乗車券「埼玉県民の日 記念 1 日フリーきっぷ」を埼玉県内の西武線各駅にて発売します。

2022年10月31日 西武鉄道News Releaseより

多摩湖駅は西武山口線の終点。2021年3月までは「西武遊園地駅」であった。東京都に所在するが、山口線のほかの駅はすべて埼玉県内の駅なので、多摩湖駅でも乗り降り可能というのは理解できる。
問題は西武園駅。西武園駅は東村山駅から伸びる西武園線の終点。多摩湖駅とは1km以内の距離にあるが、乗換駅扱いはされていない。西武園線は全線東京都に所在する。西武園駅は多摩湖駅同様都県境ギリギリに所在する駅ではあるが、埼玉県側には線路はつながっていない。下の路線図を見てほしい。

西武線路線図(全体)2023年9月30日 西武鉄道Webサイトより

西武園駅での乗り降りが自由」ということは、つまり、このきっぷで東村山から西武園線に乗車することは許容されている、ということになる。しかし、東村山へのアプローチ方法については何ら記載がない。というか、このきっぷで乗車可能な路線についての記載が一切ない。(購入したきっぷの券面にも記載がなかった。)
「多摩湖駅と西武園駅は乗換可能駅ではありますが、このきっぷで乗降できるのは多摩湖駅だけです」、あるいは、「西武園駅は埼玉県に所在しますが、このきっぷでは乗降できません」というのなら理解できるが、実際はまるで逆。

西武鉄道の普通乗車券のルールに従えば、多摩湖から西武園までの運賃で、多摩湖→西武球場前→西所沢→所沢→東村山→西武園と乗っても、多摩湖→萩山→小平→東村山→西武園と乗っても問題ない。(東京都を回る後者のルートの方が、前者より3km短い。)もっと極端な話をすれば、多摩湖→萩山→国分寺→小川→東村山→西武園と乗ったって、経路は重複していないので何ら問題ない。
では、このきっぷを所持しているときには、後者のルートは許容されるのだろうか。いずれのルートも最終的に埼玉県外に出ることに変わりはないが。

乗り降り可能な駅に東村山駅も加わっていれば、「埼玉県内の各線と、西武園線・西武新宿線 東村山~所沢が本券の乗車可能範囲である」という意図は汲み取れるのだが、東村山で降りられないことで、どう乗ってほしいのかよくわからなくなってくる。
(この謎を解くカギになればと思い、2021年には西武園駅で降りてみたが、上述のとおりこの駅ではこのきっぷのことなど我関せずといった感じであった。)

まあ、「どう乗ってほしいのか」云々はある意味屁理屈であることは自覚しているので、2021年の西武園駅訪問時には(このきっぷは使わず)普通に運賃を払って行ったわけだが、「なぜ西武園駅をわざわざ乗降可能駅に追加した経緯」は、今でも知りたい。情報募集(憶測でも可)。
(Wikipediaの「埼玉県民の日フリー乗車券(東武鉄道)」の項の「東武鉄道以外の埼玉県民の日フリー乗車券」の節では、『西武園ゆうえんちへの来園者に便宜を図るべく両駅を乗降駅に加えたものであり、西武園ゆうえんちのリニューアルで出入口駅が変更となった後も取り扱いが継続されている』旨の記載があるが、出典記載なし。)

(2023年11月6日追記)
西武鉄道から、今年の埼玉県民の日フリー乗車券の発売が発表されました。今年は、西武園駅は乗降可能駅に含まれていないようです。


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