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以前はこうだった「から」ではなく以前はこうだった「けど」で考える

過去にとらわれるな、なんて言葉もあるし、過去の経験やノウハウを大事にしろ、なんて言葉もある。一見矛盾しているように見えるこの2つの言葉、見方によっては矛盾はないかもしれない。

題名のように、以前はこうだったから…という意見を聞くことが良くある。むしろ自分も良く使っていた。それだけでなく、他社はこうだから…あの部署はこうだから…なんていう言葉も良く使っていた。

そんなときふと気づいたことがある。この言葉は、思考を停止させる言葉なんじゃないか。ああ、以前そうだったんだ、ということは今回もそうかもなぁ…と根拠もなく考えを固めてしまう言葉だと思う。

自分が関わっている事業において、ベンチマークしていた他社を調べていたことがあった。その企業は僕たちが新規事業として始めた事業を、10年以上前からやっていた。上場していたこともあり、ある程度事業KPIはオープンにされていた。

その会社のIRを見て、事業成長を想像し、自分たちに当てはめた。
なるほど、このタイミングでこれくらい企業を獲得して、このタイミングでユーザーがこれくらいになるのか。ということはこれくらい企業を集めることができれば、ユーザーも集まり、売上が立つー。

完全に「この企業はこうだから」という考えになっていた。表面に出ていた数字のみを捉え、「あの企業がこういう成長をしていたので、僕たちもこれと同じ成長を目指します」と宣言した。

結果は大失敗。その数字の裏に隠れた過程も把握できていなかったし、自分たちの持っている強みや資産などを鑑みた上での戦略が全く作れていなかった。

こうだった「から」の思考は、考えることを停止させ、結果的に深く考えられなくなる。ここで気づいたのはこうだった「けど」という考え方。「けど」という接続語のおかげで、前提を疑問視し、考えを深くさせる。

また、自分も周りも変化や成長していれば過去のままなわけがない。自分の考えだって、昨日はこう考えていたけど、今日こんなことを学んだ結果、こう考えるようになった、と常に答えは変わり、解像度が高まっているはず。

あの人また同じ話しているよ、目標ころころ変えるよ、なんてことも言われるかもしれない(たしかに忘れていて同じ話をすることもある…)。

ただ、新たな発見と学びがあれば、日々自分の答えはアップデートされるはずだ。より解像度高くなったことが見えるようになっているはずだ。

朝令暮改こそ、成長の証。その秘訣は「けど」を使いこなすこと。昨日と今日、なんなら今日の朝と夜で考えが変わってなければ、思考停止を疑った方が良い。

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