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泥水すすり太郎

彼女はインプラントだった。


28本の内、13本がインプラントだった。


自分の歯が少ないのは残念なことのように思えるが、彼女曰く、元々は卵子に行き着くことだけを追い求めていた、あんなに小さな物体だったことを考えるとどうでもいいことらしい。




彼女にとってのもっぱらの悩みは、寝ないといけない時に限って付けたテレビが面白かったり、家の近くにユニクロはあるのにGUがないことだったり、端からみればそれこそどうでもいいことばかりである。



飼ってるドーベルマンが毎晩脇腹を食いちぎってくることや、百発百中で夢にThis Man が出てくることの方が大変そうだが、彼女は全く意に介さない。




そんな彼女に、今度一緒に住んでみないかと言われた。

彼女の生活と言えば、降りしきる阪神カレンダー2008に邪魔されながら顔ハメパネルを逆向きからはめた後、氣志團が着ている学ランをつぎはぎにしたベットの中でドーベルマンに脇腹を食いちぎられながらThis Man の夢を見るのである。



そんな生活を、僕は1日でも出来る気はしないが、どんな物事も長い目をうっすら開けて見れば一緒である。

もし嫌になった時は、後の祭りで太鼓を叩けばいい。




首ったけの愛〜!!!!!


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