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「持続化給付金」対象外のフリーランスがいる件

新型コロナで休業を余儀なくされているフリーランスのための支援「持続化給付金」の申請が始まりました。

持続化給付金申請規定 個人事業者等向け

第3章 給付対象者
給付金の給付対象者は、個人事業者のうち、次に掲げる全ての要件を満たす者とする。ただし、給付金の給付は同一の申請者に対して一度に限るものとする。
(1) 2019 年以前から事業により事業収入(売上)を得ており、今後も事業を継続する意思があること。

ここでの「事業収入」という縛りがクセモノです。フリーランスの中には業務委託契約であるにもかかわらず「給与」でギャラが支払われている人がいます。塾・予備校講師や音楽教室の先生など,教育産業によくある習慣のようです(追記:様々な業界でこのような習慣があることがわかってきました)。「給与」ですが社会保険料を折半してもらったり年末調整をしてもらったりしていないケースがあります。私はこれを「 #名ばかり給与 」と名付けました。

このことをとある国会議員に相談したところ,最初の反応は「その場合は契約先から休業手当が出ます」というものでした。そうです。それが当たり前なのです。雇用調整助成金というものがあるので,企業は休業手当を出すはずなのです。ところが実際は,フリーランスには休業手当を出さない業者がかなりあります(Twitterでは名指しで批判されています)。

また,「雑収入」として確定申告している場合も「持続化給付金」の給付対象から漏れます。具体的に説明します。私はフリーで予備校講師をしています(白色申告)。普段の授業は「給与」で支払われていますが,講演収入は「報酬」です。また,私には著書が複数あるので印税収入もあります。この講演収入と印税をどのように申告するべきかを税務署で相談すると「迷ったら『雑』にするといいよ」のように言われます(実際,私は以前にそう言われ,ずっと「雑」で申告してきました)。私の場合は講演料と印税が収入の約半分を占めます。アーティストやミュージシャンなどの方からは税務署で言われるまま,すべての収入を「雑」で申告してきたという声が複数寄せられています。私はこの件を「 #本業なのに雑所得 」とフレーズ化しました。

#名ばかり給与 」と「 #本業なのに雑所得 」のタグは国民民主党・玉木代表にも使ってもらえるようになりました。その他の野党にもフリーランスの状況が伝わり,政治問題になりつつあります。

おそらく制度設計者はこうした業界があることに気付いていなかったようで,おそらくは「悪意」からではなく,ただなんとなく「事業収入」の4文字を規定に入れたのではないかと思います。そう信じています。

「持続化給付金」でフリーランスは救われているように思われがちですが,今回紹介したようなケースもあることをまずは知ってください。多くのフリーランスがピンチです。

【注】
私自身は「持続化給付金」対象外のフリーランスですが,幸いにも職場からギャラの補償をされています。しかし,大切な友人・知人や後輩が困っているので色々と動いています。私の行動がこれまで社会を支えてきた皆さんのお役にも立てれば幸いです。

皆さまからのお布施はありがたく頂戴いたします!