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mmhmmにおける図と地のデザイン

この記事はもう一つの記事の続きとなっています。ぜひそちらもお読みください。

上のリンクの記事では自分自身のmmhmmに対する考えを書きました。今回はmmhmmのデザイン面での気づきについて書きます。

All Turtlesのデザイナーのプレゼン動画

Twitterのタイムラインでmmhmmの日本語アカウントのツイートを拝見しました。

ツイートではデザイナーの灰色ハイジさんのmmhmmを使ったプレゼンが紹介されていました。

感動しました。目から鱗です。配色やデザインセンスなどは言うまでもないですが、「背景の一部として資料が配置されている」点があまりにも自然すぎて感動です(重要なので二回言いました)。

mmhmmが資料、人物を自由自在に配置できる機能を生かした非常に効果的なプレゼンテーションです。mmhmmの画期的な面はここにあったんだなと再認識しました。もちろんこのmmhmmの特性を理解しデザイン的に違和感が無いように昇華させられる技術も必要です。プレゼンの後半では資料には動画(または画面共有)を使い、全画面表示にしたタイミングで人物をラウンド表示に切り替えています。このラウンド表示も背景に馴染んでいていいですね。これは真似したい。

やはりこのプレゼンで注目すべきは背景と資料の関係でしょう。図と地という関係です。

図と地

デザインの世界には図と地と言う考え方があります。自分はデザイン出身ではないため(音楽出身です)、正確な解説は別の方の記事を参照ください。

自分がこの概念を知ったのは過去にメディアアート作品を作っていた頃で、知り合った美術系アーティストの方の作品に図と地という考えが使われていました。

一枚の背景でも明確に知覚される部分とそうでない部分がある。

その時に感じた感覚が灰色ハイジさんのプレゼンテーションを観て思い出されました。

ここからさらに思いついたのが、この図と地を生かした画面作りは今後のオンラインイベントでの絵作りにも十分応用できるのではないだろうかということです。

オンラインイベントでの絵作り

昨今のオンラインイベントにおける画面作りでは、プレゼンター、資料、背景、プラスαでヘッダー、フッター、コメント/Twitterタイムライン 、そして全体に被せるフレーム、これらをレイヤー的に重ねて一枚の絵が作られることが多いです。素材が共通化していることもあり、画面構成はどれも似たり寄ったりになってきています。もちろんノウハウが共有化され一般化し、普遍的になってきたためと考えます。

<先日オンライン登壇したJTF2020の時の絵作り>

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その反面、絵作りにおける概念がレイヤー構成による一枚絵を目指すため画一的になりやすく画期的な-クリエイティブな-結果にはなり得ないように思われます。それに対して灰色ハイジさんのmmhmmを使った絵作りはクリエイティブな作業であり、そもそもの概念が異なることがはっきりと分かります。最終的にはX pixel : Y pixelに収められた動画のフレームの一枚でしかないのですが、異なる概念の元で構成された絵には大きな違いがあると考えます。

最後に

世の中にブレイクスルーをもたらすのは画期的なツールが出てくるだけでは不十分で、自由な発想力、アイデアによる活用の結果だと再認識しました。今後さらに拡大していくオンラインイベントにおける絵作り。これをさらに面白くしてくためにはいかにクリエイティブであり続けられるか、これがとても重要な点だと考えます。mmhmmはそれができる可能性を秘めたツールだと思います。

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