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党・政府は汚職取締り強化で威信回復するか

 ベトナムでは交通違反の取締りは警官の小遣い稼ぎだと思われている。旧正月(テト)が近くなると街に警官が目立ち、ちょっとした違反でバイクや車両を呼び止め「罰金」を課す。その場で罰金の半額程度を警官に渡せば無罪放免、「罰金」は警察官のお年玉(リーシー)となる。

 英国トランスペアレンシー・インターナショナルの調べ(2017)ではベトナムの汚職腐敗度の世界ランキングは107位、中国は77位。ベトナムは中国よりも低い。不名誉な数字だ。

 ベトナムはもちろんこの状況を看過しているわけではない。習近平のいう「打虎拍蠅」すなわち汚職したハエ(下級官僚)も虎(幹部クラス)も叩くという汚職根絶の取組みはベトナムでも進行中だ。

 グエン・フー・チョン党書記を委員長とする汚職防止中央指導委員会の第13回全体会議がこの1月に開催された。のべ700人以上の党員が故意の法律違反と汚職により処分されたと発表された。

 政治局員でホーチミン市党書記であったディン・ラー・タン氏は国営石油会社社長時代に犯した「故意に法律に違反し国の財産を横領した罪」で昨年逮捕され、今年のハノイ市人民裁判所での2週間の裁判の結果、13年の懲役刑を言い渡された。ベトナムで政治局員だった人物が汚職で逮捕され実刑判決を言い渡されたのはベトナム史上初である。

 中国では反汚職運動が習近平氏の権力闘争であると見なされている。果たしてベトナムでどうなのか、今後の動向を見守りたい。

日本ベトナム友好協会東京都連ニュース「ハノイからの手紙」2018年4月号掲載

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