出生動向基本調査

「少子高齢化」、耳にタコが出来るくらいに聞いている。

手に入る最新の統計が2018年のものだが、
出生数は約92万人と過去最低を更新し、
1人の女性が生涯に産む子どもの数にあたる合計特殊出生率は、
2005年に最低の1.26を記録したのち回復傾向にあったが、
3年連続で低下して1.42となった。

リンクした新聞記事でも説明されているが、
合計特殊出生率が低下には、未婚化、晩婚化、晩産化の影響が大きいと目されている。


年度は違うデータだが、平成30年「我が国の人口動態」によると、初婚年齢はどんどん高くなっているし(31ページ)、当然その後に来ることが多い出産の年齢も高くなっている(10ページ)。さらには結婚してから出産までの期間も長期化している。(12ページ)

平成30年「我が国の人口動態」はこちら
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/81-1a2.pdf

このあたりのデータを持って少子化が進んでいるという説明はよく見かける。
高校の政経の教科書あたりでも出てくる説明だ。

けれども一方で別の調査を見てみると、上記のような状況を当事者が必ずしも望んでいないこともわかる。
別の調査というのは、「出生同行基本調査」だ。

結婚や出産への希望と現実の様子について、夫婦や独身者に対して調査を行なっているものだ。
リンク先の結果のポイントを見てみると、次のことが言えると思う。

① 独身者の多くは結婚したいという希望を持っている。
② (減少傾向はあるものの)独身者も夫婦もおおよそ2人子どもを持ちたいという希望を持っている。
③ 夫婦の場合、希望する人数の子供を持たない理由は、「お金」と「出産年齢」がネックになっていること。

②は意外だった。私は、「夫婦には結婚当初から複数の子どもを持ちたいという希望がない」と予想していたからだ。(理由は金と年齢だと考えていたので、③は予想できた)
あと、独身者にも子どもが欲しいという希望があることにも少し驚いた。①とも関連するけど、結婚しないんじゃなくて、結婚したく(さらに子ども持ちたく)てもできない人が結構多いんじゃないか。

となると、少子化対策の狙いはハッキリしていることになる。つまり、独身者、夫婦関係なく、それぞれの結婚、出産に関する希望を叶えてあげることだ。結婚出産を希望する人たちが持ちたい子どもの数は約2人なので彼らの希望を叶えてあげれば、かなりの少子化対策になりそうだ。

実際にはこの話は「希望出生率」という考え方で表現されて、2015年に1.8を目指すことが発表されている。

具体的な目標を立てるのはいいのだが、結局ネックになっている「お金」と「出産年齢」へのアプローチしないとどうしようもない気がする。「お金」の問題については良く指摘がされていて、出産、子育てに対する手当てをなんとかしろ!という話はよく見る(それだけ手当てが不十分ということなんだろうけど)。

特に「出産年齢」に関するアプローチはあまりみないし、指摘もされないなぁ。
アプローチすると言っても、
若いときに産んでもキャリア形成できる仕組みを作るか、
高齢出産が安全にできる仕組みを作るかくらいしかないんだろうけど。
でもこの二つが叶ったら人生の選択ってかなり幅広くなっていいなぁと思うけど。どうなんだろ。。。

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