映画「グリッドマンユニバース」感想【ネタバレあり】

はじめに

 映画「グリッドマンユニバース」を見てきましたので、感想を書きたいと思います。

ネタバレなし感想

 私は二日目の土曜日(3/25)の夕方に見に行きましたが、人が結構入っていました。また終了後にパンフレットを買おうと思いきや、売り切れてました。WEB通販使えって店員さんに言われましたが、見つかりませんでしたし。再販を願うのみです。
 でもってネタバレスレスレの感想を書くと。
 とにかくテンションが高くてカロリー消費量が激しい映画
 だったと思います。また、シン・仮面ライダーと同様に「監督である俺の解釈を食らえ!」的な映画で非常にお腹一杯になりました。
 あと情緒がぐちゃぐちゃになる映画でもありました。この映画を見てからこむちゃ最終回とお隣の天使様最終回を見たり聞いたりして、情緒がさらにぐちゃぐちゃになりました。
 それと、百合の間に挟まる男許さないマンと、整合性取れてない作品許さないマンの方々にはおすすめしません。しかしそうでない方には普通におすすめしたい映画です。

ネタバレあり感想

 ネタバレあり感想ですが・・・自分にとって本作は

雨宮監督はじめ制作陣の皆さんによる春映画の新解釈

って感じがしました。グリッドマンのオールスターが出てくるわ、ガウマさんしれっと生きてるわ、説明はあったものの新世紀中学生5人がしれっと全機出動できるようになってるわ、ディケイドよろしく複数の世界が融合して破滅するわ、ラスボスである敵の行動原理がメタだわ、六花が文化祭の演劇の脚本でダメ出し食らうあたりまたメタだわ、このカオスっぷりを見ているとなんか春映画を見ている感覚になりました。
 でも大戦無印や大戦Z、大戦GPなどの春映画で感じたもやもや感がなく、むしろネットで皆さんがおっしゃるような爽快感を覚えました。
 これはおそらく「グリッドマンという存在は小さいものであっても、皆さんの協力により大きい存在になっている」というグリッドマンユニバースのテーマが軸に据えられていたからではと思っています。
 グリッドマンも放送当時は内容の奇抜さが故に特撮ファンの間であまり語られず、数年経ってインターネットが発達した頃ぐらいに早すぎた傑作と称された覚えがあります。しかし、グリッドマンを見て育ったリアタイ世代のお子さんが成長してリブート作品を作ったり考察を書いたり応援したりしていった結果、グリッドマンというコンテンツが映画公開するまでに成長していった感があります。
 とはいえ破壊光線とフィクサービームを交互に食らい細胞が劣化して倒されたラスボス(パンフがないので名前を確認できませんでした。すみません。)のごとく、作品の寿命は永遠ではありません。そのため綺麗なところで終わらせるんじゃなく、できる限り作っていきたいしファンの皆さんには応援してもらいたいという制作陣の皆さんの思いを感じました。だからカオスな展開であっても見た後の爽快感はたまらないものがあったと思います。
 一方、ラスボスのモチーフって春映画なんじゃないかと思えてきました。敵がポッと出すぎて確証は持てませんが・・・大戦無印や大戦Zでは震災直後の作品だったためか、「震災で人を救えなかったヒーロー作品に何の価値がある」という疑問符が裏にあり、そのために過去作品のヒーローが消滅したり地球破壊爆弾を投げ込もうとしたりして、退廃的な作風になってしまったんじゃないかと推測しています。疑問を持つこと自体は真摯な姿勢だとは思いますし、春映画に歴史的価値はあるとは思いますが、公開当時見た時にはそんな疑問符のことを知らなかったため、もやもや感がものすごくありました。閑話休題。
 春映画の退廃的な作風と、ラスボスの「グリッドマンは俺のものだ、だからきれいな状態で終わってしまえ」的な行動原理って結構似ているんじゃないかと思っています。
 本作ではそんな春映画モチーフ(?)の敵に対して、「長寿コンテンツだからといっても破壊と回復を繰り返していったら劣化していつかは寿命が来る、だから瞬間瞬間を必死で生きよう」という、これまた春映画のアンサー的な映画であるジオウOQをほうふつさせるものがあり、非常に興味深いと思いました。ちなみにジオウOQの前作品だった平ジェネFOとSSSS.GRIDMANが偶然にも「空想作品が現実世界の人々を元気にする」というテーマで同時期に作品を発表していました。ジオウOQや平ジェネFOのテーマが本作の結論だと思えば、春映画ばりのカオスなのに爽快感があったのも非常に納得がいきます。
 まあもうちょっとラスボスの描写がもう少し欲しかった感はありましたが、これも劇場版ならではの尺足りなさという宿命なので難しいところだと思います。

 あと個々の感想を少々。

<裕太と六花の関係>
 裕太が六花に告白未遂というテレビシリーズの残件をきちんと取り扱ったところが非常に好感持てました。「いや六花はアカネと百合関係だったじゃないか、男が挟まるなんて許さん!」って意見もあろうかと思いますが、六花とアカネはなんか百合ではなく親友関係だと私は思っておりますし、アカネと会った六花「言いたいことはあるけど山ほどあるから言わない」という言葉に関係性が全て集約されてると思いますので、個人的には大満足でした。(だから百合の間に挟まる男許さないマンに本作をオススメしませんでした。)
 余談ですが、何でもかんでも百合に持ってくる最近の風潮は個人的にはどうも馴染めないって思います。リコリコや安達としまむらみたく百合が前提であればそりゃ間に男が挟まったら違和感を覚えますが、SSSS.GRIDMANは裕太と六花の関係もきちんと描いていましたし。

<新条アカネ復活>
 映画ポスターには載ってなかったものの、たぶん出てくるだろうとは思いましたが、わかっていてもやはり出し方がうますぎて涙腺決壊しました。もうダメか…と思っていた矢先においしいところを持っていくとは。もうこれだけで元が取れました。アレクシスと共闘するあたりもいい感じです。

<内海のコスプレ>
 文化祭の準備で内海がグリッドマンのコスプレの型紙作ってるあたり、ものすごく親近感わきました。工作用紙万歳!

<ダイナゼノン組>
 裕太が記憶喪失で告白未遂だったためか、蓬と夢芽が後発作品なはずなのに先輩キャラっぽかったあたり、なんか不思議な感覚を覚えました。あと蓬のガウマさんへの思いや、ガウマさんの姫様への思いもきっちり描写していて、大満足です。
 できれば姫様の声は贅沢言えばオリキャスが良かったですが引退なさってるので仕方ないですし、そんな中で主題歌アーティストの真礼さんを起用しているのは最適解だと思いました。

<ロボ戦>
 前半はロボ戦があまりなかった印象ですが、後半でロボ戦がてんこもりであり、楽しかったですが消費カロリーが半端なかったです。主題歌三連発はすごすぎた・・・

おわりに

 グリッドマンユニバース、結論ですが非常に楽しめました。シン・仮面ライダーに続いてほんと濃い作品でおなかいっぱいです。また次回作も期待しております。

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