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ニコニコ超会議2024反省会(前編)~大風呂敷広げすぎたクリエイタークロス~

はじめに

 毎年恒例のニコニコ超会議(以下ニコ超と称す)に今年も参加した。毎年ならニコ超への参加は楽しみで仕方なかったが、今年はあまりにも辛いことが多すぎて、早く終わってくれと思っていた。ニコ超閉場後に毎年現れる「この先現実おじさん」の代わりに今年は「ムカムカ超現実おじさん」が現れたが、今年は自分にとってニコ超は「ムカムカ超現実」でしかなかった。

 思い出すのも正直辛いが、今後のことを考えて辛いことを記録しておき、今後超演奏してみたに参加なさる方やクリエイタークロスに出展なさる方への参考にしたい。そして全て忘れてまた来年も参加しようとする自分への覚書にもしたい。

冷遇された「超演奏してみた」

 私は2017年以降コスプレで「超演奏してみた」企画内のニコニコ大合奏に参加するのが恒例行事となっているので、ニコニコ大合奏とストリートピアノの状況について説明する。また、超演奏してみたが冷遇されている理由についても考察した。

撮影カメラが入らなかった「ニコニコ大合奏」

 ニコニコ大合奏、今年の曲目は
1日目:「ぼくとわたしとニコニコ動画」「アイドル」「宝島」
2日目:「ぼくとわたしとニコニコ動画」「Blessing」「オーメンズオブラブ」
と、例年よりも1曲増えていてジャンル的にも1日目アニソン2日目ボカロと分かれていて充実していた感があった。特にアイドルは昨年盛り上がっただけに、個人的にはありがたかった。
 しかし、例年ならニコニコ大合奏は超演奏してみたブースで開催されていたが、4月14日のニコ超発表特番にて地図の公開された超演奏してみたブースの区画が8m×4m(クリエイタークロスでいうところの8スペース分)しかなかった。
 ニコニコ大合奏のスペースは例年減っていっており、前回2023年はコロナ禍前の3分の1未満の広さしかなく、1日目はカメラの動線が入らずコスプレイヤー奏者さんの後ろ姿しか映らず、そのため2日目は動線が改善された。
 今回はさらに広さが激減しており、ここでさすがに演奏するのかと思い不安になった。私のクリエイタークロスのスペースと超演奏してみたブースが隣接していたため、私のクリエイタークロスのスペースを貸す必要があるのかとも思っていた。
 しかし蓋を開けてみると超演奏してみたはストリートピアノだけであり、ニコニコ大合奏は別の場所で実施されるとの連絡があった。場所は入場口直後の空き臨時スペースで、広さ的には申し分なかった。
 しかし、昨年までは定点撮影されていたストリートピアノもニコニコ大合奏も今年は定点撮影されなかった。ニコニコ超インフォでニコニコ大合奏の様子が撮影されたが、ニコニコ大合奏のほうは演奏スペースが通路を隔てて二分割されており、片側しか撮影されずもう片側は米粒ぐらいしか映らなかった。私は米粒しか映らなかった片側であり、正直な話、超合わせてみたのほうがカメラに写っていた。(特に1日目についてはMCの方に拾っていただいて感謝している。グフ(R35)を青いザクと呼称なさったのはご愛敬。)
 特に昨年1日目に参加なさって後ろ姿しか映らず2日目に応募なさったレイヤーさんは、今回もまたカメラに撮影されず落胆なさっていた。私は1日目に事情を知っていただけに、非常に心苦しかった。

客席が基本的に立ち見だった「ストリートピアノ」

 先述のストリートピアノも8m×4m(クリエイタークロスでいうところの8スペース分)しかなく、ピアノとドラムセットを置いただけでスペースがほぼ埋まっていたため、観客の皆様の入るスペースがほとんどなく通路側に立ち見という形になった(もしかしたら客席がわずかならがあったかもだが)。
 それでもストリートピアノ参加者の皆様やゲストの皆様、ハラミちゃんはじめサプライズゲストの方々のおかげで、ストリートピアノは大盛況のうちに幕を閉じた。
 サプライズゲストの中でもハラミちゃんのご登場は運営のほうでも認知されていて、公式Xから告知があるほどだった。
 とはいえこちらも専用配信カメラがなかったため、映像としての記録は残っていない。

クリエイタークロスの出展数と本丸ブースの広さ

 このように超演奏してみたブースがかなり冷遇されている感が個人的にはあった。一方でクリエイタークロスの出展数は1日目・2日目合わせて延べ全約1,500スペースのうち演奏してみたは21スペースしかなかった。そこで各ジャンル(演奏してみた、踊ってみた、歌ってみた、VTuber、ゲーム、配信者)においてクリエイタークロスの出展数と本丸ブースの広さが比例しているのではないかという仮説を立て、実際に検証した。
 クリエイタークロスの出展数については1日目・2日目合わせた延べスペース数とした。原則として延べスペース数に応じて使用料が支払われるためである。一方、本丸ブースの広さは実際に計測できないため、ニコ超ホームページにおけるマップ上のブースの縦横ドット数を手作業で計測し、縦横乗算してスペースのドット数を求め、演奏してみたのドット数を除算して面積(8スペース×2m×2m=32平方メートル)を乗算して面積を求めた。そのため多少の誤差があることについてはご了承いただきたい。またVTuberやゲームについては複数の本丸ブースがあるため全て合算した。演奏してみたのニコニコ大合奏に使用したスペースについては一時的な設置である上、マップ上に明記されていないため、除外した。
 クリエイタークロスの出展数と本丸ブースの広さの調査結果を図1に示す。横軸がクリエイタークロスの出展数、縦軸が本丸ブースの広さである。出展ジャンルを色分けしている。また切片0にした回帰直線も求めた。

図1 クリエイタークロスの出展数と本丸ブースの広さ

 クリエイタークロスの出展数と本丸ブースの広さの相関係数は0.75、決定係数は0.55である。決定係数が0.8以上あるときに相関が強いと言われているが、決定係数は0.55であるため相関が弱く、クリエイタークロスの出展数に応じて本丸ブースの広さが割り当てられているわけではないという知見を得た。
 しかし、この回帰直線という出展数に対する本丸ブースの平均的な広さを境界線として、各ジャンルにより出展数に対する本丸ブースの平均的な広さが異なることがわかる。傾きの平均値が42.6平方メートルに対して標準偏差は16.9平方メートルであるため、ばらつきが大きい。そのため出展スペース数あたりの本丸ブースの広さのグラフを図2に作成した。

図2 クリエイタークロス出展数あたりの本丸ブースの広さ

 横軸がクリクロ延べスペース数あたりの本丸ブースの広さ合計、縦軸がジャンル名である。VTuber、ゲーム、歌ってみた、踊ってみた、配信者、演奏してみたの順になっている。
 このうち踊ってみたと配信者はそもそものスペース数が多いので本丸ブースの広さがカンストしたかと思いきやそうでもなく、配信者の本丸ブースは他のブースよりやや狭い。
 一方、VTuberとゲームは本丸ブースが複数に分かれているとはいえ、スペースあたりの本丸ブースの広さが他に比べて大きいため、厚遇されていることがわかる。
 本題の演奏してみただが、スペース数がVTuberの半数程度とはいえ、クリエイタークロス出展数あたりの本丸ブースの広さは配信者の三分の一未満である。ニコニコ大合奏を加味したとしても、冷遇されていることがわかる。
 したがって、演奏してみたのスペース数が所定数(30?)より下回ったために冷遇されたか、もしくはスペース数と関係なく冷遇されたかのどちらかであると考察している。

大風呂敷広げすぎた「クリエイタークロス」

 ここでクリエイタークロスのスペース数が所定数より下回ったために演奏してみたが冷遇されたという仮説を取るとして、ニコニコ大合奏の常連参加者が手分けしてクリエイタークロスに出展すればいいか、と言われると、クリエイタークロス出展を経験した身からすれば素直に頷けないところである。
 ここでは、クリエイタークロスの出展内容とその問題点を列挙する。

クリエイタークロス出展内容

 当方は「不思議獣がまがま」というサークル名(サークルといっても留守番担当のフォロワーさんと私だけだが)で出展した。出展内容は以下である。
 1日目
 10:00-10:45 グフR35のコスプレの頭を被り、カラオケに併せて電子トランペット演奏(スピーカー:Adio Air BS)
 10:45-14:45 グフR35コスプレ展示
 14:45-15:30 グフR35ガワコスを着てカラオケに併せて電子トランペット演奏(スピーカー:Adio Air BS)
 15:30-16:30 グフR35コスプレ展示
 16:30-18:00 超合わせてみたの不在
 2日目
 10:00-10:30 ニコニコ大合奏のため不在
 10:30-12:30 グフR35コスプレ展示
 12:30-    諸事情につき撤収

クリエイタークロスの良かった点

 個人的にクリエイタークロスの良かった点は以下2点である。
①ニコ超の準備風景が見られたこと
 クリエイタークロス出展者は出展準備のため前日の16時から会場入りできる。そのため、クリエイタークロスだけでなく企業ブースの準備やリハーサルも見られることができ、個人的には非常に気持ちが高ぶった。
②昨年に比べて物販配信がなくても電源が使えたこと
 昨年のクリエイタークロスでは、電源を使う条件として物販と配信をすることが挙げられた。そのためクリエイタークロスの出展を断念した。しかし今年は物販や配信がなくても電源が使えたため、電子トランペットに必要な電源の供給だけでなく、スマホの電源も充電することができ、非常にありがたかった。

パフォーマンス系アマチュア出展者には不利すぎる問題点

 しかし、演奏してみたや踊ってみた、歌ってみたなどのパフォーマンスをするようなアマチュア出展者には不利な問題点が5点あった:
 ①JASRAC楽曲を使用するには個別契約が必要
 ②スペース数と出展者パス数が比例しない件
 ③観客用スペースの確保に関するレギュレーション
 ④音被り
 ⑤出展者がニコニコ大合奏参加禁止にさせられそうだった件
 以下、詳細を述べる。
①JASRAC楽曲を使用するには個別契約が必要
 当方ではJASRAC管理楽曲を電子トランペットで演奏することにした。その際、規約に『音楽著作物を利用する場合において、当該音楽著作物が当社と包括的な利用許諾契約を締結する音楽著作権管理事業者の管理するものであるときには、当該包括契約の範囲内(本企画内での演奏や「ニコニコ生放送」における配信利用など)に限り、当社の責任と費用負担において、当該音楽著作権管理事業者に対する音楽著作権の権利処理を行います』と記載されていた。したがって、演奏目的でJASRAC管理楽曲を使用する際にはニコニコ超会議側で音楽著作権の包括契約がなされているものと当方は認識していた。

図3 クリエイタークロス規約における楽曲の使用について(2024年3月11日記録)

 しかしクリエイタークロス出展者専用Discordで別の出展者が確認を取ったところ、出展者が個別に契約を締結し費用を負担しなければならないと運営から回答があった。なお、クリエイタークロス規約は2024年5月7日に閲覧したところ、以下内容に記載が変更されていた。

図4 クリエイタークロス規約における楽曲の使用について(2024年5月7日記録)

 私は急遽JASRACのホームページを調べて以下ページを発見し、両日出展で15,000円も支払う必要があることを知り、出展を取りやめようとした。(JASRACに相談したところ、5,000円程度の値段で済みそうだったため出展を継続したが。)

博覧会、展示会、動物園、遊園地、 その他これらに準ずる施設でのイベントにおける演奏 ーJASRACー
https://www.jasrac.or.jp/users/facilities/pdf/facility2.pdf

 したがって、JASRAC楽曲を使用することが前提である、演奏してみたや踊ってみた、歌ってみたなどのパフォーマンスをするような出展者にとっては、出展料に上乗せしてJASRAC楽曲使用料を支払う必要があり、不利であるという知見を得た。

②スペース数と出展者パス数が比例しない件
 
昨年度のクリエイタークロスでは、図5の通り1スペースあたり2~3枚出展者パス(入場券)が配布されていた。

図5 クリエイタークロス2023年の出展要項

 しかし今年は出展スペース数に関係なく出展者パスは一律3枚配布であり、図6の通り追加で必要な場合には購入が必要とのことだった。

図6 出展者パスの配布数(2024年)

 なお、参考までにスペース毎の出展料を図7に示す。

図7 スペース毎の出展料(2024年)

 図6と図7から、スペース使用料と出展パス追加購入代の合計を参加者(=出展パス使用者)で割った値のグラフを図8に示す。

図8 2023年と2024年のスペース参加者1人あたりの出費

 横軸がスペース数、縦軸が参加者1人あたりの出費(円)、色が参加人数を示す。左側が2023年、右側が2024年である。2023年に比べて2024年は参加人数が4人以上になると値段が高くなっていることがわかる。
 個人的にはクリエイタークロスでまともにパフォーマンスできそうなスペースは体感で4スペース以上だという認識である。2023年では4スペースを参加者12人で割れば3,333円で済んでいた。しかし2024年では4スペースを参加者の最大数7で割っても8,186円と倍以上の値段であり、2023年において4スペースを参加者7で割った値5,714円よりも4割増である。
 おそらく出展者数が2023年では約200だったのに対して2024年では約1,500で7.5倍にも増加したため、出展者パスを多く発行すると管理が難しいから出展者パスを出し渋りしたという理由もあるかもしれない。しかし、追加購入が必要なシステムだと個人よりも企業のほうが予算管理の桁数という点で有利であり、アマチュア出展者が出しづらいという問題がある。(もちろん企業にも高額となると予算の出しづらさはあれど、出展料程度であれば経費で落とせるレベルだと考える。)

③観客用スペースの確保に関するレギュレーション
 図8を見ると出展スペース数1が一人あたりの参加にかかる出費が最も少ないため、出展スペース数1が最もお得と思えるかもしれない。しかし、出展スペース数1は1でパフォーマンスをするには狭いという問題がある。
 狭いだけならまだどうにかできる。しかし、出展者用Discordでは「観客は自スペースに入れるように。はみ出る場合は運営のほうで人員整理する。」との通達があった。
 しかもこの通達は出展申込締切後であり、出展スペースの拡張も締め切られていた。そもそも出展スペース数1の場合は追加拡張も不可能だった。
 出展取りやめを考えたが、観客用スペース3人分を設けることでどうにか出展を強行した。
 しかし、実際には観客の皆さんはスペース内に入っておらず通路上で視聴しており、人員整理もされていなかった。さらには隣のスペースの観客が自スペースにはみ出ていたり、隣の出展者の演奏者と思わしき者が自スペースを浸食していたこともあった。
 運営に通報しようにも運営の場所が遠いため通報できなかった。出展者用Discordに写真を付けて投稿することで通報するという裏技を知ったのは、ニコ超終了後のことである。(浸食していた隣の出展者の演奏者と思わしき者については、隣の出展者の代表者の方にお願いして浸食しないようにしていただいた。代表者の方には感謝している。)
 レギュレーションに委縮して出展を辞退しようとしたり観客用スペースを無理矢理設けようとしたりしていた自分がバカを見たという感じだった。

④音被り
 パフォーマンス系出展者を悩ませたのが、近隣スペースとの音被りである。近隣スペースも演奏してみたで固まっていたので音被りが発生した。それだけでなく本丸スペースや他のスペースとも音被りが発生し、カオスとなっていた。
 当方は1日目にカラオケを流しながら電子トランペット演奏したが、イヤモニがないとカラオケが全然聞こえないレベルだった。これは自分の失敗であるが、隣の異色演奏団体さん(ニコニコどりーまーずさん)とその隣のビジュアル系バンドさん(RANさん/LIBRAVELさん)、そして逆隣りの超演奏してみたブースの皆さんの演奏がどれも音声が大きすぎて何が何だかわからないカオス状態になっていた。
 隣がビジュアル系バンドで爆音鳴らしてもたじろがないニコニコどりーまーずさん、演奏終了後に爆音でごめんなさいと謝ってらしたRANさんと、カオスながら様々な光景が見られて楽しかった。しかし自分自身パフォーマンスがしっかりできる環境だったかと言われると疑問符である。
 2日目については音割りが決められていたので1日目ほどカオスではなかったが、思うところあって途中で撤収した。それでも音被りは発生していた。

⑤出展者がニコニコ大合奏参加禁止にさせられそうだった件
 4月になり出展者パスをいただいた際、出展者パスの裏側には「各日9:30~10:30は、クリエイタークロス外への移動を禁止しています。他所で見かけた場合には不正利用と判断し、パスを没収の上ご退場いただきます」と書かれていた。
 しかし、ニコニコ大合奏は9:20からリハ開始で10:30に終了予定。出展者がニコニコ大合奏に参加したら出展者パスを没収され退場させられるのかと戦々恐々としていた。そもそもクリエイタークロス申込時に移動禁止令を事前に知っていればクリエイタークロスかニコニコ大合奏のどちらか出ないという対応も可能だったが、
 2023年11月28日:クリエイタークロス申込
 2024年02月01日:ニコニコ大合奏開催(オープニング演奏)告知
 2024年4月中旬:移動禁止令発令
 という具合だったため、どう考えても不可能だった。後出しジャンケンっぷりに対して本気で出展取りやめにしようとも考えていた。
 結局出展者用Discordで交渉してどうにか参加可能にしていただいた(担当者の方々には本当に感謝しています)が、結局一日目のニコニコ大合奏を見に行けなかったのは残念である。
 また、今年許可されたからといって来年も許可されるとは限らないのが、クリエイタークロスの怖さである。 

熱意のある人ほど絶望し、主役を主張する人ほど得をするシステム

 以上、今回のニコ超ではニコニコ大合奏を目的とした参加者が冷遇され、だからといってクリエイタークロスに参加してスペースを広くしようとしてもパフォーマンス系アマチュア出展者が痛い目を見るというシステムになっており、いかんともしがたいという感触があった。
 そのため長年ニコニコ大合奏に毎年参加し、コロナ禍前ではプチ打ち上げも主催、大合奏勢のまるなげストリートを観賞なさるほどの熱意のある参加者の方が「演奏してみたなんてなくなればいい」とおっしゃっていて、個人的には納得しつつも非常にショックを受けた。あれだけ熱意のある方が演奏してみたに絶望なさっているなんて、今年は相当酷かったと考えている。
 事は演奏してみただけに留まらなかった。クリエイタークロス出展の件で私が何度も出展を辞退しようとしたときになだめていただいたほどの熱意のある方が、ニコニコ超会議の主催であるD社の姿勢に異を唱えてニコ超に参加なさらなかったということもあった。具体的にはボカコレなど投稿祭を賞レース化して商売化するという姿勢に異を唱えてらした。
 思えば今回のニコ超も
 ①JASRAC楽曲を使用するには個別契約が必要→包括契約代の節減
 ②スペース数と出展者パス数が比例しない件→出展者パスの単価を高めつつ、入場券を購入させようとする施策
 ④音被り→物販だろうがパフォーマンスだろうが十把一絡げの枠を設けて提供することで経費節減を図る
 と、クリエイタークロスという枠で荒稼ぎを図ろうとしている節があるということを当方では痛感した。昨年約200枠だったクリエイタークロスを約7.5倍まで増枠し、大風呂敷を広げた売り文句にしていたところも荒稼ぎと言えよう)。
 思えばクリエイタークロスにて参加者の要望がほぼ通らなかった(大合奏参加禁止解除という例外はあるが稀である)のも、前年比約7.5倍も増枠して担当者の方々がきめ細かに対応できる量ではなかったため、塩対応にならざるを得なかったと推測している。
 担当者の方々の大変さを痛感したのは追加情報未提出者リストである。未提出者は(運営関係者も含めて)1割だったが、それでも1,500の1割だから150名にも及ぶ。大量の出展者名を見て、相当いっぱいいっぱいなんだろうなあということを痛感した。
 また、ニコニコ大合奏が冷遇されていたのも、「冷遇しても恒例行事だからどうせ参加するだろう」という考えがあったのかもしれない。
 ニコ超でのクリエイタークロスの担当者の皆さん、超演奏してみた運営の皆さん、ニコ超での現場の皆さんについては例年通り、いや例年以上にがんばっていただいたのでありがたいと思っている。特にニコニコ大合奏の現場の担当者の皆さんには毎度扱いづらいガワコスで申し訳ないとすら思っている。
 しかし、肝心の大本営の荒稼ぎな方針が大問題だと考えている。

 演奏してみた勢が冷遇された一方、厚遇された界隈もあった。VTuberの次にクリエイタークロス出展スペースあたりの本丸スペースの広かったゲーム勢である。
 ゲーム勢は体験型や実況型のタイプが多く、体験型であれば顧客を自スペースに入れる事自体敷居が低く、体験待ちの顧客が多かったとしてもスマホを用いた呼び出しシステムを使えば行列を作らずに済む。著作権についても実況や体験が許可されているものが多かったり自作のゲームで気にしなくてもいいものがあったりしているため気にする必要がない。音被りについてもノイズキャンセリングヘッドホンを貸し出しすれば解消できる。クリエイタークロスは行列ができてしまう物販以上にゲーム向けの枠と考えることもできる。
 また、ゲームのほうは「〇〇の主役は我々だ!」主催の「我々だ!音楽祭」が本丸ブースとは別に超スペシャルステージで開催された。有料配信も行われた。音楽祭にはビッグバンドを招いており、演奏してみたのジャンルに入れた方がいいんじゃないかと思えるレベルである。
 今回のニコニコ超会議のスローガンは「ひとりのこらず主人公。」であるが、むしろ今年のスローガンは「超会議の主役は我々だ!」と言えるぐらい、ゲーム勢が厚遇されていた感があった。(もちろんゲーム勢に何の恨みもなく、むしろゲーム勢レベルで他の界隈を厚遇していただきたかった感があった。)
 また、ヴィジュアル系バンドの方々が爆音で演奏なさっており私が演奏を敬遠していた中、奮闘して大編成で演奏することで観客を集めたニコニコどりーまーずさんもいい意味で主役を主張なさっていた感があり、主役を主張できる人ほど得をするシステムだったのかもしれないと思っている。
 また、ニコ超初参加の方や参加二回目の方から感想をお聞きしたところ、ニコ超も大合奏もすこぶる好評だった。過去との比較がないためだと考える。

終わりに

 以上、ニコニコ超会議や演奏してみたの問題点を列挙し、クリエイタークロスが大風呂敷を広げすぎた影響で演奏してみた勢や熱意のある参加者が冷遇されたという話を綴ってきた。今後どうするかについて語ろうとしたが文字数が足らないため、後編

https://note.com/tngamagama/n/n3b04ad20f37a

にて反省と今後の展望について述べる。


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