映画「すずめの戸締まり」感想【ネタバレあり】

はじめに

 ここではお久しぶりです。
 映画「すずめの戸締まり」を見てきましたので感想を書きたいと思います。

必要最小限のネタバレあり感想

 この映画では公式さんのツイート

 にもある通り、地震描写や緊急地震速報を受信した際の警報音が流れるシーンがありました。それだけでなく

震災を取り扱ったかなり重い話

になっているため、

震災に対してトラウマのある方については視聴に注意が必要

という感触を得ました。最近だと「仮面ライダーオーズ 復活のコアメダル」で震災時に元気づけてくれた火野映司の死亡描写で心身の不調を訴える人々がいるという話も耳にしており、もし本当であれば視聴に対しては慎重に、何なら円盤やテレビ放送を待つという手段も視野に入れておくことをお勧めします。

 本来なら私はより多くの人々に作品の初見感想を味わっていただきたいため、極力ネタバレは書かないようにしていました。しかし今作では視聴に注意が必要なため、(公式も注意喚起出してましたし)あえて必要最小限のネタバレを書くことにしました。

 私自身の感想としては前日に機動戦士ガンダム水星の魔女第6話という学園ものながら主要キャラが処分されるエピソードを見て心が抉られ、「さすがに水星6話より重い作品じゃないだろう」と舐めてかかってました。
 しかし蓋を開けてみればすずめの戸締まりのほうは現実とリンクしていたためか、水星の魔女第6話を超える重さだったと思います。ダブルで心が抉られました。
 そんなわけで水星の魔女第6話を見た直後に見る作品じゃないなと思いました。見積もりが甘かったです。

ネタバレ全開感想

 さてネタバレ全開感想です。
 どこが重かったかというと、

「恋愛は誰かの犠牲で成り立っている」

 って展開が非常に重かったと思います。前作の天気の子では主人公がヒロインを助けて日本半沈没という結末で、主人公とヒロインの恋愛が日本半沈没という犠牲で成り立っていました。しかし、主人公とヒロインの取り巻く、狂った世界が醸し出す閉塞感を主人公の勢いでぶち破ったという展開だったため、むしろ爽快感があったぐらいでした。
 しかし本作は

 ・地震の原因となるミミズという現象が時折発生する
 ・ミミズに対して戸締まりをやらないとやがて大震災が発生する。
 ・要石がないとミミズが発生しやすくなる
 ・元々要石だったダイジンが宗太に要石の役割を転嫁する
 ・宗太が要石になってしまう
 ・すずめは東日本大震災で母親を亡くした
 ・すずめと宗太の熱意によりダイジンが要石となり大震災を阻止
 ・しかし完全に震災がなくなったというわけではない

 と、日本半沈没ながら死者については明言がなかった前作に対して、今回は誰かが犠牲にならなければ死者が大量に出るという重い内容だったと思います。

 そもそも気まぐれで要石の責任を宗太に転嫁したダイジンが悪いとはいえ、ダイジンの犠牲がなければ震災頻発したり主人公とヒロインの恋愛が成り立たなくなったりしていたわけで。最初はダイジンを悪者視していましたが、終盤はダイジンに感情移入してしまいました。

 思えば現実の恋愛も一夫一妻制である現代の日本では、好きな相手の伴侶になる人はただ一人。天気の子では影を潜めていた恋愛の残酷さが浮き彫りになったように思いました。デートムービーとして見るもんじゃないなとも思いました。

 とはいえ恋愛とは生理的にどうしてもつい手を出してしまうけど苦行でしかないと思っている私にとってはそんなビターテイストがものすごく効いて見ごたえあったと思っています。震災にトラウマのない方に対してはぜひオススメしたい映画だと思っています。

 他の雑感としては
・すずめが例年稀にみる脳筋ヒロインだった
・冒頭の旅館の娘さんが聖人君子だった
・芹沢がいいキャラだった
・オープンカーの変形シーンは笑った
・環さんに保護者の悲哀が出ていた

といったところでしょうか。

終わりに

 そんなわけですずめの戸締まり、個人的にはいい映画だったと思っています。万人に勧められないのが非常に残念なぐらいだと思っています。まずはざっとこんな感じで感想を書いたので、気づいた点あれば追記していきたいと思います。

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