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【第二回】なぜ、今(10月に)業績欄を書いてみるのかpart3

さて、part1では業績欄を書いてみることをオススメし、part2では、なぜ業績が大事なのか、その活用方法の紹介をしました。part3の本記事では、part2の本文中にあった、学振申請書の評価基準の[3]研究計画遂行能力、に関連して業績の評価が変わってきているのではないかという内容になります。

本記事は、part2の注釈で書いたものなので、少し文体がラフであることはお許し下さい。なるべく直しました、、、

中山の記憶では、というより持っている過去の資料を確認したので確かだと思うのですが、今まで[3]研究計画遂行能力は「[3]研究実績」という項目でした…そしれが変更されて研究計画遂行能力という文言に変わりました。これは、2019年度採用(中山の採用年)か審査員への審査基準か何かの資料に記載されている文面に変更があったため、と中山は考えています。というのも、19年度採用の学振特別研究員に関連した審査に関する通知?のようなものに、<本年度よりの主な変更点>という資料がありまして、その一つ目の項目、1.申請、審査、選考日程に関する前年度からの変更点、の中に、

現状の審査方針の文言では、論文数の多寡のみを持って評点を付すように、審査員に誤解される懸念があるとのご意見をいただきました。<中略>誤解を避けるために一部文言の改正を行いました

これによって、業績だけで評価しては行けない、ということにはなりました※1。(しかし、依然として業績は[3]研究計画遂行能力として評価対象にはなります。)
ただ、この審査基準の変更と評価項目の文言の変更は、文言だけの変更には留まらないと中山は考えています。
どういうことかというと、今までは業績欄に記載されている内容だけで審査員も評点をつけられたけど、今後はその業績における申請者本人の貢献度も審査しないといけなくなった、ということです。「研究計画遂行能力」ですから、計画して、それを遂行したのは申請者自身であることを証明しなければなりません。でなければ、審査員も評点のつけようがないのです※2。
つまり、業績欄に記載している業績について、申請者自身が積極的に研究に取り組んだことをアピールする必要性が出てきたということです。研究計画とそれを遂行するところまでをちゃんと自分で行いました、と本文中でも紹介することがベターだと思います。

今業績がある方も、業績をこれから積む方も、ぜひそのことを意識して申請書を書き進めていただければと思います。
では、part3はこの辺で。part3.5では学振ってなに?という読者の方がいたら申し訳ないので、学振とはなんたるか、それらを知るために有効なホームページの紹介などをしたいと思います(当初予定にはなかったですが、、)。そして、part4では中山の業績とその活用法の例を少しだけ紹介したいと思います。

今回も最後まで読んでくださりありがとうございました。引き続き執筆に精進します。

「注意事項とモチベーション」という記事がありますので、こちらにも目を通してください。よろしくお願いします。

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※1:この業績を重視しませんよと言いうお知らせの影響か、19年度採用の申請者数は例年の1割増になっていたように思います。個人的には、業績がないから出す意味はないや、と思っていた層が申請したためと考えています。
全国の大学も、これらの審査基準の変更に合わせて、業績だけで評価されなくなたので、博士後期課程へ進む学生は積極的に申請しましょう。というようなアナウンスをしたのだと思います。現に、中山の所属する研究科の学振説明会のようなものでも、大学の職員の人がそのようなことを言っていました。
直後に、審査員経験のある先生の講演で、「とはいえ、依然として業績はとても重要です。業績がない人が採用されるわけではないので、その点注意するように。」と釘を刺されていましたが…

※2:part3.5でも紹介しますが、学振の申請書の最も基本は、記載するように、と書かれていることは全て記載する、という暗黙のルールです。
それはなぜか、と問われれば、それは記載事項について審査員が審査する。その際に、記載がなければ評価のしようがない。つまり、記載がなければ評価できない、ということになってしまいます。

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蛇足のへび子さん

最近、蛇足のへび子さんに何書こうかなぁ、と考えながら生活するようになってしまいました。本文で書くことはある程度、第十回くらいまで構想があるのですが、へび子さんはないので…笑
今回は研究プレゼンに関して、それに関連して面倒なことって実は大事だよね、ということ、そして修士課程で何を身につけるのか、ということ、あ、後メールとかラインの仕方がん?ん?ん?っていう人が多い気がしたので、メールを送る時の注意点とかも4回くらいに分けて書けたらいいなぁ、と思っております。

【研究発表・プレゼンについて】

最近ラボの学生の研究発表スライドにアドバイスする機会がありまして、そこで感じたことを徒然なるままに書きたいと思います。
中山の場合、ものすごい大変で労力を使う作業ではありますが、意外と研究発表は好きな方で、論文の構想も含めて日々どんなふうに研究発表するのがいいかなぁなどと考えながら研究に取り組んでいます。だからなのかもしれませんが、修士課程の学生の発表スライドの相談を受けていると中々に、やり方も、考え方も、価値観すらも違うのかなぁと思い悩むことがあります。
もちろん、先輩風を振りかざしてアレコレ強い語句で言うのは避けなければならないです。それでも、最後の最後、発表の直前にはやむなく、ここをこう直して、ここをこれに変えて、などとほぼ自分がスライド作っているんじゃないか、と言うような状況になってしまいました…それが自分の中でとてもショックで、なぜうまくいかなかったのか、などと考えてしまいます。ここで、うまくいくとは、あくまで中山の役割はコーチであり、その学生本人がやりたいことを具現化する手伝いをしていく。そして、中山の経験をもとに時にアドバイスをする。そして、学生は自分なりの発表スライドを完成させ、良いプレゼンをする。というものです。理想論に思えるかもしれませんが、指導する立場としてこれを求め続けなければ職務放棄だと思っています。しかし、これがうまくいかない…
何故なのかと考えた時に、考えられる最も可能性の高い理由が、学生が自身の研究について他者に話す機会が少なかった、故にどのように研究内容のアウトラインを作成しプレゼンするのが良いのか、さっぱり着地点が見えていない。と言うものです。
プレゼン資料を作るってものすごく難しいし、考えること、と言うか配慮すべきことが多い作業ですよね。
誰が見るのか、誰が評価するのか、それらによって大きく変わります。学会での発表であれば、研究者や学生が見るものであり、評価する(GOサインを出す)のは指導教員やラボの先輩だったりします。学生が研究発表資料を作成する時、これはとても難しい作業です。何故かって、まだ経験をしたことのない研究者や先輩学生がどこらへんを意識しているのか、どんなことを考えているのか、その頭の中をほとんど理解できない、さっぱりわからない中で資料を作らなければなりません。こりゃ大変だ。
そこで、大事になってくるのがコミュニケーションであったり、参考になりそうなものからしっかり技術を盗むことです。
でも、これはすごく面倒なんです…人によっては胃が痛くなるようなものらしいですね…これをすることで将来的な胃の痛みが解消されることも知らずに…なんとかわいそうな…と中山は思ってしまいますが、、、
日々研究内容や発表する流れについて考えていて、それを何気なく指導教員や先輩と話しておく。それをするだけで、だいぶコンセンサスの取れたアウトラインが出来上がると思います。そうすれば、実際に発表資料を作るときも、コンセンサスがあるのだから想像しているものに大きな乖離もなくお互いストレスフリーで作業ができると思うのですが…どうやら、
まず、身近な人、同期や友人、家族に研究の内容を話さない、話せない、ところから始まって、研究内容について考えることをある種放棄してしましう。この時点で、指導教員や直属の先輩の手となり足となることが決定してしまいます。何が言いたいかと言うと、思考する、考えると言う、頭を使う作業を他者に頼ってしまうと言うことです。そうすると、ラボで研究内容や今後の展望、そして研究発表の構想について、何気なく話すこともできなくなり、最終的に発表する段階になって、指導教員や先輩から「発表どうする?」と相談されて、何も考えていなかった、用意していなかった身からすればいきなりヘビータスク!!と言う状況に陥ってしまうのではないか、と考察しました。
さらに、この負のスパイラルに入った瞬間に様々な研究のタスクがすごく大変なものに思えてくると思います。図の修正や文言の修正、スライドの追加や作り直しといった、発表資料の修正はすごく大変なものになるんだと思います。それもそのはず、自身の思考はほとんど動いていないので、まさしく手となり足となり作業しているようなものですから…何がゴールなのか、どこまで行けばいいのか、どうすれば作業が効率化できるのか、これらをさっぱりわからない状態で作業するのは中山でも想像したらゾッとしてしまいます。
なので、もし、これを読んでくださっている方の中に、どうにも研究発表資料を準備する時にすごく億劫な気持ちになっている、もちろん研究全般においてもそうです、実験計画や論文執筆についてもそう言う状況に直面してしまう、
例えば、なんで、こんな実験しないといけないのか…どうしてここの文言を変えないといけないのか…と感じる人がいるとすれば(もちろんこれは、指導教員や先輩との研究でそう言うことは往々にして起こりうることです)、そう言う時に、頻繁にコミュニケーションをとっていれば、「あ、この人はこう言うゴールや価値観があって、今これを支持しているのか。」と言うことが明確にわかると思います。(もちろん、それが時におかしい人もいますが…)
まずは、本当に簡単なところからコミュニケーションをとるようにしましょう。相手の研究に関する話でもいいんです。コミュニケーションをする時に自分がそのコミュニティで主として従事していることについて話していくだけでだいぶ見える景色が変わると思います。
逆に、話すとボロが出るからなどとコミュニケーションを避けていたら、いずれ大事なところでものすごい醜態を晒し、指導教員や先輩を困らせてしまうかもしれませんし、自分自身に対する評価を大きく下げてしまうかもしれません。
加えて、これは指導する立場の意見ですが、「あなたの研究発表なのになぜ我々がここまでしないといけないの?」と思ってしまいます。にんげんだもの。ここまで行ってしまうと、次の指導は多分ありません…みなさん気を付けましょう。私も気を付けます…
そこで中山は最近、指導的立場の時は、アウトラインから確認するようになりました。もう、発表資料を作るステップを明確にして、(1)アウトラインを書き起こしてみる(2)作成予定のスライドの構成およびそのスライドで主張したいこと(3)実際に作成したスライドの確認、修正点の提案(4)修正したスライドの確認、と言うように各ステップでチェックしています。これでうまくいくといいなぁ…と思っているところです。
今までは、学生の自主性を重んじて(3)からだったのですが、それでは自分への仕事量も多いし、いい結末が得られないことを学びました。
さらに言えば、そう言うことを相談してくれる学生も少ないですね…
早め早めに相談してくれれば、こうはならないのになぁと言う人が多くいるのが現状です。これも、結局コミュニケーション不足といった先述した負のスパイラルに陥っていたらしょうがないことかもしれませんね。
でも、修士課程まで来たのだから、研究には是非積極的に、どのように研究内容を発表するのか、くらいまでは主体的に学ぶ意識を持って欲しいな、とは思います。
修士課程は、大学生活2年間の延長申請ではないと…思って欲しいです、、、ね…

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