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【第二回】なぜ、今(10月に)業績欄を書いてみるのかpart2

part1では業績欄を書いてみる意義について解説し、最後に業績を獲得できるように研究計画を見直してみる必要性を提案しました。

part2の本記事では、
「じゃあ、なんで研究計画を見直してまで業績を獲得すべく努力しなければならないのか、業績ってそんなに大事なのか。」という点について詳しく解説したいと思います。

ここまで記事を読んで、「結局のところやっぱり学振は業績なの?」と思った方。最初にこれだけはことわっておきます、「そんなことはありません」※ 1。

上記の太字を言い換えます…「業績には業績欄を埋める以外にどんなメリットがあるのか、そして、業績がある人がどのような工夫をしているのか。」について解説したいと思います。
これについて言及している記事は、多分、おそらくないのではないかなぁと思います。※当社調べ

よくよく目にする記事は、
業績はあるに越したことはないので、なるべく絞り出してかける業績は全部書きましょう。」みたいなものだと思います。
本記事は、実はそれだけではないんですよ。というものです。くどいでようですが。随分と長い前置きをしてしまいました…

しかし、まだ本題には入れず…大前提から確認します…前提なので、これを知らない人はpart3.5の記事を参考に学振について知るところから始めてください。

学振の申請書というのは、5人程度の審査員の方が、
[1]申請書から推量される研究者としての資質
[2]研究計画
[3]研究計画遂行能力※3
[4]総合評価
の4項目について評点を付けます。[1]-[3]は審査結果に直接の関係はなく絶対評価で評点が付き、[4]のみが審査結果に関係し相対評価で評点が付きます。

ここで注目したいのは、審査員の方々は必ずすべての審査項目について評点を付けなければならないということです※4。いいですか、どんなに優秀な申請者、申請書でも審査員の先生は全項目評点をつけるんです。これはすなわち、総合評価にはちゃんと各項目の評価が反映されるということです。
審査員経験者の先生に聞くと、多くの方が、やはり[1]-[3]の評点を付けてから、最後[4]をつけるという話をしていました。
つまり、審査員の主観によって評価される[1]-[3]で高得点を取らないと、総合評価も上がらないということです※5。

そして、基本的に業績が評点に影響するのは[3]の研究計画遂行能力です。

さてやっと本題に入ります。(後500字もない…)
ここから数行が本記事の本質の部分です。もはやここだけ読んでくれても構いません。3つあります。

業績欄以外の部分において、
【1】———————
「業績をどのように得たのか」を明示しながらアピールすることで自身の研究のオリジナリティ等をエビデンスを持って示すことができます。これは、[3]のみならず、[1]申請書から推量される研究者の資質、についても評点が上がります。
【2】———————
さらに、「業績があるからこそこれからの研究計画を完遂(成功)させることができる」、という主張も展開できるので[2]研究計画についてもその妥当性(実現可能性)を厳しく問われることが少なくなると中山は考えています。
【3】———————
最後に、研究の学術的価値を文章で伝えなくても業績があればそれをある程度、ある程度であれば代替できる。つまり、ただでさえスペースがない申請書の本文の量をやや省略することができます。
(ここら辺についてはPart4で実際の中山の申請書中の例も紹介しながら、ご説明できればと思っています。)

つまり、業績があると、ただ単に[3]研究計画遂行能力(元研究実績)の項目だけではなく、[1]研究者としての資質、[2]研究計画についてもプラスの評点を獲得できる可能性が大いに上がるのです※6。

なので、業績のある方は是非、業績を業績欄のみで燻らせるのではなく、その他の部分においても活用してみてください。
中山が考える結論は、業績があり、かつそれを有効活用することができれば、[3]のみならず[1],[2]においても良い評点を獲得することにつながり、結果として[4]総合評価も良いものになると考えています。
(削りに削って1700字くらいですかね…いや、散々注釈つけて別の記事に先延ばして逃げに逃げたので、謝罪いたします。申し訳ありませんでした…)

第二回part2はこの辺で終了としたいと思います。part3以降は、

Part3:※3に対応して19年度採用分からの評価基準の変更について。業績のアピールがより一層必要になった事案。

part3.5:※4に対応して、学振をまだよく知らない人向け学振について詳しくなれる参考資料の紹介。

Part4:
中山の実際の業績とそのアピール方法について簡単な紹介

の予定です。書きながらまだまだ増えるかもしれません。頑張って、簡潔にわかりやすくまとめられるように頑張ります。そして、※5,6についても後日第五,六回くらいで紹介できればと思っています。まだ未定ですが…

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。引き続き執筆に精進します。

「注意事項とモチベーション」という記事がありますので、こちらにも目を通してください。よろしくお願いします。

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※1:業績があってもそれを有効活用できずに不採用になっている人も知っていますし、一方で、業績がなくても面接免除で採用になっている人も知っています。結局は、業績の使いようがとても大事です。それと、業績がなくても業績に変わる"モノ"があれば業績がなくても逆転できます。この"モノ"についてはいつか記事で紹介できればと思っています。

※3:19年度採用分からの評価基準の変更について。業績のアピールがより一層必要になった事案について、次の記事で紹介しようと思います…ごめんなさい…許してください…文才を磨きます。。。

※4:学振をまだよく知らない人向け学振について詳しくなれる参考資料の紹介。あんまりに注釈が多くなりすぎたので、これは次の記事で紹介しようと思います…追って公開するのでそちらも読んでみてください…

※5:実はこれも難しくて、[1]-[3]でいい評点を取っても[4]総合評価だけがすごく低いっていうこともあるんです。それに関する記事もいずれ書いていければと思います。あとは[2]研究計画だけが異常に低くなってしまう事案など、紹介できればと思います。

※6:そりゃそうじゃん。業績あるんだから、[1]研究者としての資質も[2]研究計画も評点上がるよ。と思っている方がいるとすれば、その考え方は少し改めたほうがいいと、中山は思います。もちろん、審査員の先生によっては、「業績でほぼ決めている。」という方もいました。しかし、ほとんどの審査員の先生方は審査基準に関する資料に目を通していますし、審査員の先生自身も学振によって審査の正当性を評価されています。また、業績の量だけでは決めていけないという明確な基準(part3)も導入されたことで、業績だけでの判断はとても少なくなってきています。逆に、業績はたくさんあるけど、どうにも本人の研究者としての能力が見えてこない。実は、これらの業績は優秀な先輩や指導教員になされるがままにやった研究の成果なのではないか。そう思われてしまいます。そうではないんです、これは自分が主体的に研究活動を行なった成果なのです。というアピールは、近年、より必要とされていると思います。
また、なんで、これについて中山がこんなにクドイくらいに申し上げるのか、それはまだ記事にはしない(できない)テクニックがあるからです。

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蛇足のへび子さん

おそらく、多くの方がTwitterでの宣伝ツイートをもとに、記事を訪れてくださったことと思います。もともと、当該ツイートは200いいねを目標としていたので、予想通りといえば、予想通りだったのですが、祝日の午後のつぶやきにも関わらず、すごい勢いで拡散され、インプレッションが23000を超え、リンクへのアクセス数も1500近い数字になっていて、驚きました…やはりみんなこういう情報を欲しているんだなというのと同時に適当なこと書けないなぁ、という気持ちです。頑張って書きます。
そして、今回の記事の配信が遅くなってしまい、申し訳ありませんでした。用意していなかったわけではないんです。2つの戦略があったので、あえてずらしました。
1つは、Twitterや知人友人のリアクションを見ながら、最も力を入れたかった本記事の内容を改善するためです。
もう1つは、本気ではない人をふるいにかけるようなシステムを目指した結果です。本気になれない方々は、回ってきた当該ツイートのリンクを一度開いたっきり、二度と開くことはないかもしれません。そんな、本気度の低い人に、これから記事にしていく情報を開示したくなかったのです。せいぜい、その程度なら、10月に業績欄を書くもんらしいよ〜なんでだろうね〜、くらいでいてくださるのが最適でしょう。というのが中山のスタンスです。
さらに、本気で情報を求める意識が高い人にこそ、採用可能性をあげてほしいし、そういう方を応援したい。本当に学振に関する情報を欲している人は、Twitterアカウントのフォローなりnoteのフォローなり、リンクをブックマークするなりするだろうと。それくらい行動力がある人こそ情報を得るべき、というのがもう1つの中山のスタンスです。だから実際のところ、有料記事にしたいんですよね。10記事1000円とかで、購入後はアマゾンギフトとかで1000円返金、実質無料だけど面倒なプロセスを経ないといけない、みたいな。適当な人に面白半分には読んでほしくないなぁっていう個人的な野望です。笑
面倒な性格ですが、ご理解とご協力をいただけると幸いです。
今後ともよろしくお願いします。全力で価値ある情報を提供していきます。

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