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【第二回】なぜ、今(10月に)業績欄を書いてみるのかpart1

今回の記事では、タイトルでも書いている通り「なぜ、今(10月に)業績欄を書いてみるのか」ということについて解説していこうと思っています。前回の記事(第一回)で、スケジュールの中で大事なことは、業績指導教員や先輩とのコミュニケーションと述べました。その業績について、10月にすべきことと合わせてその重要性を三部構成でご説明できればと思っています。

まず、10月に今年のフォーマットでいいので業績欄を書いてみましょう※1。
( https://www.jsps.go.jp/j-pd/pd_sin.html )
そうすると下記に示すような2つのことが明らかになると思います。
騙されたと思って10分,15分使って書いてみてください。

1 ) そもそも申請書の業績欄の書き方がわからない。
これは、第一回の「申請書作成のスケジュール」でも記載されているのでそちらもご確認いただければと思います。業績についても様々な書き方があります。例えば、情報系の方に多い、論文のアクセプトとカンファレンスへの参加が同義(同時?)のことがあります。そうした場合、業績欄には論文として記載するのか、カンファレンスへの参加として記載するのか、考えなければいけません※2。毎年多くの学生が申請書作成時期に、忙しそうにこれらを調べている印象があります。このような事項について、先輩などに聞いたり指導教員の先生に相談したりしなければなりません。こうした細かなところを今のうちに確認しておけるのは、来年の申請書作成時期に時間的な余裕を作るという意味でとてもメリットがあると思います。
2)自分の業績について再確認できる→申請書作成までの研究計画を見直す機会に
様式を見ていただければわかることですが、申請書の業績欄の大きさは決まっています(多分この業績欄の様式から変わることは無い、はず)。
なので、いざ、本物に自分のこれまでの業績を書いてみると、意外と少なかったり、意外と多かったり、色々な発見があると思います※3。
従って、現在の業績とそれらが業績欄のどの程度埋められるのか、というのを正確に把握することによって、今後10月から5月までの間にどのように研究を進め、どのように業績を獲得するかを今一度考え直す良い機会になります。これが、業績欄を書いてみる理由です。
研究計画を考え直し、それを指導教員の先生と相談してみると良いと思います。

例えば、自分は、論文を書けるデータはあるけど少し足踏みしてるせいで論文が無い…など(ここまでは業績欄を書かずともわかりそうなところですが)、実際に書いてみると、危機感と焦燥感がすごく現実味を持って押し寄せてきます。これがやる気になって、手が止まっていた執筆作業などに力が入ったり。実験を加速させて春の学会で発表できるだけのデータになったり。普段の学会でも受賞を目指してより一層力が入ったり、という良い影響を与えてくれると私は考えております。

なぜ、今なのか。それは、まだ申請書提出まで半年以上あるからです。
申請書を書く時期になって、「自分、業績少ないなぁ…」では、当たり前ですが間に合わないのです。今までそういう状況の人をたくさん見てきました…皆様にはそうはなってほしく無い。その一心です。(なんだか政治家みたいなコメントになってしまいましたね…でも、本心です。)
半年あれば今からでも意識して業績を増やすことは可能です。

じゃあ、なんでそこまでして業績の話をするのか。業績はそんなに大事なのか。ということについては次回part2でご説明できればと思っております。
ヒントは、「業績は持っていれば嬉しいコレクションでは無い」のです。業績のある人たちがそれをどう活用しているのか、それを伝えたくてnote始めました。お楽しみに。

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。今後も良い記事をアップできる様に頑張ります。

「注意事項とモチベーション」という記事がありますので、こちらにも目を通してください。よろしくお願いします。

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※1:もちろん、今年度採用分の様式なので、皆様(本記事のメインターゲットであるM1の方々)が来年の5月に提出する際はちゃんと自身の採用分様式に入力してくださいね。特に、2021年度採用分からDCの申請書のフォーマットに変更がありました。

※2:ちなみに、一つのカンファレンスでの出来事について論文とカンファレンス参加の二重記載は避けたほうがいいというのが通説です。
その他に、よく学生が調べているのが、プライベートなコミュニティでの研究発表会(大教授の方々に散ったお弟子の先生方の研究室が集まっての研究発表会…etc)での発表を業績として記載するか否か、などです。

※3:筆者である中山自身もこの時期に書いてみたのですが、意外と少なくて焦ったことを覚えています。(中山の10月の時点での業績とその後の具体的な研究計画・業績については、また別の記事part3で紹介したいと思います。)

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蛇足のへび子さん※1

あれやこれやと書いてきましたが、実際、本当に優秀な人たちは業績欄を書かずとも指導教員の先生や先輩とそういうところも日常の中で相談したりしてるように感じます。
この差はなんなんでしょうか。すごく曖昧で微妙な差なのですが、先生や先輩とコミュニケーションを密に取り、短中長期的な研究計画や人生設計について相談している人は、申請書の作成から採用まで、すごく自然にスムーズに進んでいるような気がします。
一方で、「先生がなんていうか…」とか、研究の主体が先生にあるかのような発言が多い人は、どこかで躓いてしまっている印象があります。
指導教員をリスペクトすることは大事ですが、修士課程ならば自ら研究提案や意見を積極的に伝えられるように環境整備から取り組んでいくことも大事なのかな、と思ったりもします。
もちろん、これは喧嘩しろとかそういう意味ではなくて、その逆で、良好な関係を築くべき、ということです。そのためには相手を知ることだと中山は考えています。より具体的なアドバイスとしては、質問してみる。ということです。これは研究のことばかりではありません。先生の若い頃だったり、好きなスポーツや芸能人、家族のことなど…色々聞いてみて、どんな人なのかを知る。そうすると、どうやって一緒に仕事をすれば良いかわかってくる。そういう風に思っています。周りを見ていると、行動を起こして相手を知る前から、知る努力をせずに、安全圏からしかコミュニケーションとらない人が多いように思います。そうしたら、それは相手が何考えてるかわからないだろうし自分のやりたいことも積極的に伝えられないでしょう…と中山は思ってしまいます。

それでも、「うちの先生は触らぬ神に祟りなし、だからそんなコミュニケーションを密に、なんて無理」ということであればそのラボを選んだ自分の責任もあるのかな、と思います。
先生はダメでも、OB含めた先輩がいるかもしれないし、近くに若くて熱心な先生がいるかもしれません。
はたまたSNSに救世主がいることだってあります。今年度、分野外の人にも見て欲しいけど、適任の知り合いがいないので、どなたかやっていただけませんか?とSNSで呼びかけている人もいました。
私も今年はSNSで地方の大学からアドバイスを求める連絡があり、何通かやり取りをしました。一発採用、とはいきませんでしたが、面接候補に選ばれ、現在準備しているところだと思います。(後日面接で無事採用されました。)

※1:蛇足のへび子さん。文字通り本文には関係ないような著者のはしがきのようなものです。特に意味はありませんので、気にしないでください。

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