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撮影会モデルさんとのコミュニケーションの難しさ

撮影会に参加するとき、モデルさんとどんな話をすれば良いのか悩む。

この問題を解決してくれる記事は今のところ見当たらないので、もしかしたら僕の心配が過剰なのかもしれない。
また、10年選手のマニアたちも多い撮影会の世界で、僕はまだ1年ほどと歴が浅いのも原因だと思う。

それでも同じ悩みや違和感を持つ人たちに、寄り添う記事になったらと思って、書いてみる。

撮影会でだけ困る理由

女性と話すこと自体が苦手かというと、特にそうではない。
妻もいるし、職場にも女性はいる。美容室でいつもお世話になっているのも女性だし、同僚に誘われればガールズバーに行くこともある。
たしかに僕は世間話は上手ではないけれど、相手が女性だという理由で違和感を覚えたことはない。
それでも撮影会では困ってしまう理由はなんだろう。

一つ大きいのは、会話に失敗したときの怖さだと思う。
ここでは、撮影会とガールズバーそれぞれで、同じ会話をした場合の比較をしてみる。
(この比較自体が怒られそうだけど)

たとえば相手の女の子に、たわいもない世間話の一つとして「学校でなに勉強してるの?」と聞いてみる。
しかし相手が、都内でその分野を勉強できる学校が一つしかないので身バレしそうだから答えたくないなと思ってしまう。

この状況、ガールズバーの女の子ならどうなるか?
相手がうまくかわしてくれるかもしれないし、一緒に行った同僚に「キモいおじさん」の扱いをしてもらって、「愛ちゃん可愛いから聞いちゃったぁー!」とか酒の勢いでクソ寒いことを言ってその場を乗り切れそうな気がする。
なんなら相手が「錬金術の勉強してますー!」とか言って、そこから話を広げるカードを差し出してくれる期待すらできる。

撮影会モデルの女の子ならどうだろう。
勝手なイメージだけどへんな空気になりそうだし、場の雰囲気的にこっちもアホになりきれない。
気が強い系の女の子ならモヤモヤをかかえながら、帰りの電車でそのことをツイートして、その子のファンも同調するリプライをして、気づいたらもう笑えないガチキモオヤジに仕立て上げられるかもしれない。(宮下草薙なみの心配性)
今まで僕は幸い、客を晒しあげるようなモデルさんにあたったことがないが、Twitterではそういうタイプの方もよく見かける。

かと言って、100%プライベートに触れる可能性がない世間話なんて絶望的に難しい。
先日Twitterで撮影会モデルの女の子が「ずっとレンズの話をされてつまんなかった」とツイートをしていたが、その撮影者が気の毒で仕方なかった。
撮影会だからカメラのことをずっと話している分には安心という考えは、全く問題ないように思う。
しかしそのツイートにさえ、女の子に同調するリプライが多くぶら下がっているのを見たときは、背筋が凍った。

撮影会界隈そのものにもつ違和感

残念ながら、若い女の子にお金を払って写真を撮らせてもらうこと自体、世間的にはガールズバーと同じか、それ以上に憚られると思う。
市民権もない分、外でも言いづらい。

しかしTwitterの撮影会界隈では、モデルさんの内面や世界観がどうという芸術活動であることを前提とした、常人には理解できないハイコンテクストなやりとりが今日もなされている。

でもナンダカンダ言って、みんな自分が好きなタイプの女の子を選んで写真を撮っているし、結局みんな女の子好きなだけじゃんと僕はどうしても思ってしまう。

まさか本気で女の子とどうかなりたいと思って撮影会に行く人は、ほとんどいないはず。
それでも、芸術とか関係なく、ただ純粋に自分が好きな見た目の女の子が、自分の好きなシチュエーションや構図で写っている写真を撮れることが嬉しい、ただそれだけで参加する人が大半なのではないだろうか。
また、モデルさん側もそれを理解しているはずだと思う。
それなのに、女の子スキスキ文脈で撮影会を楽しむことが、なんとなくしづらい風潮にどうしても馴染めない。

クールな顔で写真家ゴッコをしていないといけない撮影会界隈の空気に、違和感があるままで今まで過ごしてきた。

しかも自称上級者ほど背景ぼかすし、写真全体の情報量のほとんどを女の子がしめているじゃないか。
僕は別に #写真が好きな人と繋がりたい わけでもないし、 #キリトリセカイ とかも、なにがどう切り取りなのかわからん。
美大卒でも、プロの芸術家でもないから、わからん。
ただ自分がときめいた写真にオーディエンスがいれば嬉しいから、これからもハッシュタグはつけるけど。

たとえばイラスト界隈だと、思い思いのかわいい女の子の作品を見せ合って「かわいい!」「尊い!」とリプが飛び交っている。
どうして写真は違うのだろうと不思議で仕方がない。

少し話がそれたけど、僕の場合はこのあたりの違和感がかなりモデルさんとのコミュニケーションを悩ませ、自分の立ち位置を見失う大きな原因だと思っている。

結局、なにを話していれば良いのか?

モデルさんは写真を撮る作業の協力者だから、撮影中はポーズや撮りたいイメージを伝えながら〜… みたいなのは、違和感があるので書かない。だって、僕はプロのカメラマンでもないし、みんなもそうじゃん。
先のレンズの話も、僕は正解のひとつだと思うのだけど、あいにく僕はカメラの機材に詳しくないので、他を挙げてみる。

・他の参加者が撮ったそのモデルさんの写真の話をしてみる
・衣装の話をしてみる
・どんな写真が好きかを聞いてみる
・美容法を聞く(これまじで知りたい。僕も赤ちゃん肌になりたい)
・好きなYouTuberの話とか

このあたりの話なら、波風が立ちづらい。
ネガティヴな話や、他のお客を比較するような質問は、仕事中のモデルさんを困らせるだけなので避けよう。

ただ僕が一番言いたいことはこんなことじゃない。
もっと大事なことがある。

ファインダーや液晶モニターにうつるモデルさんがかわいいと思ったときは、思いっきり「かわいい!」と口に出してほしい。

目の前にいるのは、見た目や雰囲気が自分の好みにマッチして、身銭を切って呼んだモデルさんだ。
壊れた蛇口のように「かわいい」だの「最高」だの心の声をダダ漏れにすれば良いし、「なにしたらそうなれるの!血液クレンジング?!」とかクソ寒い褒め言葉を思いつくだけ言えば良い。
そして帰ったら、SNSで「よしこタソ天使」などと書いて写真を載せよう。そういうツイートには共感が持てるので、僕も見つけ次第いいねする。
グラビア系の写真を撮っていいよと言っているモデルさんなら、遠慮なく「おしりの女神や!おまいらも好きやろ!」と成果物を自慢しよう。
モデルさんへのリスペクトは忘れずに。

ボディービルの大会でもミスチルのライブでも、遊びの場では自分なりの喜びや感動を、自分なりに表現するものだ。
撮影会でも粛々と奴隷の作業のように写真を撮る必要なんてない。

ツウぶらず楽しもうというお話です。

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