Endless SHOCK たまにEternal(2)

https://note.com/tmtgtsk/n/n501bc7616bbd の続きです。

 プロローグ 2幕のヤバさを思い知れ

 overtureの時はあんなに幸せだったのに、、、なんで今こんな苦しいの、、という気持ちを増幅させてくれるオケ。そして憔悴しきったタツヤ。私たちがそそくさとトイレに並んでいた数十分の間に1年が経過し、世界は大きく変わってしまったらしい。

がしかし、悲しみに明け暮れる暇もなく"Dead or Alive”が始まる。デドオアはあなたの悲しみに寄り添いません。容赦がないのです。
どこを切り取っても秩序のあるパフォーマンスだった一幕と打って変わって、のっけからどカオスなこの曲。デドオアは二幕の序章でありながらここから始まる混沌を全て語っているのかもしれない。
落ちサビっぽいところでコウイチだけが赤と緑で照らされていて、大サビに行く前の「どーん」で真っ赤になる所が一番の見どころです。ゾンビメイクせずともゾンビみがえげつない。光の色だけで心が動かされる体験はなかなかないです。
あと、どーーーーしても気になっちゃうのですが、コウイチの足の下を毎日潜り抜けているゾンビさん、感想をあとでコッソリ教えてください、、、

デドオア終わり、タツヤが4人から責められるシーン。コシオカのパワーに圧倒された。表情を変えずに声の表情だけガラリと変わる恐ろしさ。映画で改めて気づきましたが、ふぉ~ゆ~は、ヤバい。

シェイクスピアシアター ここを見るために7回映画館に通った

 映画3時間休憩なしですが、ここだけはどうしてもトイレに行かない方が良い。マジで。
「タツヤの夢の中で生前コウイチがやりたがってたシェイクスピアの戯曲が繰り広げられる」という恐らく初見殺しの理解難易度高めなシーンなのですが(私は初見の時わけわかめだった)、噛めば噛むほど美味いシーンであり、映画でさらに極上の出汁が取れて永遠に美味い美味いとなっています。
というのも、表情をアップで見られるという映画ならではの恩恵を最も受けたのがこのシェイクスピアシアターだったと思うのです。
観劇の時は「絶望して死ね」のような特徴的なセリフや声色でこのシーンを理解していたので、コウイチはわかりやすく真っすぐな「恨み」を表現していると思っていた。この場面はあくまでタツヤの夢の中なので、「俺はコウイチに恨まれている」というタツヤの思い込みがそのままストレートにコウイチの人格を形成しているのだと思っていたんです。しかし、映画で表情を見て電流が走った。コウイチ、なんて冷たく笑うの、、、こわいこわいこわいよ、、 ということで、こわいと思った表情3選を紹介します。(まとめサイト)

1.裏切り者に死を、、その胸に剣を!!」の間
映画予告にもあるカットです。冷酷すぎて寿命が縮んだ。「流し目」って『きらりん☆レボリューション』読んでた頃からよくわからないんですが、これは流し目ですか?? 欲を言えばその後タツヤが怯えた声出してる時にコウイチがどんな顔してるかも教えてほしい。

2.リチャード3世「続けろよ」の後
ここが一番好き。好きだし怖い。それ何の笑顔???「お前にはどうせ続けられないんじゃないのか?あ?見せてみろよやれるんなら」の笑顔ですか??こわいよ~~~~~~~~~~~~~~~~~~

3.剣を刺してタツヤに握らせるあたり
説明下手だけど、剣にめっちゃスポットライトあたる所の事を言ってます。
剣を受け取って爆笑しながら歩くコウイチ。もうそれはそれは楽しくてたまらんみたいな顔してタツヤの方ガン見しながらタツヤの方に歩いてくるコウイチ。「狂い」です。
このシーンはテラニシがコウイチに剣を差し出し、コウイチがタツヤに剣を握らせ、挑発し、刺される。ジャパネスク最後と同じ流れの中で違うのは彼らの表情。タツヤはコトを起こしてしまった後悔以上にコウイチのいない現実に怯えているのかもしれない。

コウイチこわい所3選、いかがでしたか?(まとめサイト)
ここで重要なのは、狂いのコウイチがあくまでタツヤ君の夢の中の物であるということ。
タツヤ君は自分を追い詰めるタイプなので、彼の中の「コウイチ」像がどんどん暴走して鬼も泣いちゃうくらいのドSになってる。
自分のやった事に向き合えずコウイチそのものに怯えるタツヤ。元々タツヤはコウイチに精神的なプレッシャーを感じていただろうけど、殺したことでプレッシャーを断ち切るどころか逆にその脅威が増してしまったのかもしれない。
改めてこのシーンは、生前コウイチが言った「シェイクスピアの芝居をやりたい」という言葉の伏線回収としてあまりに美しすぎる。これ思いつく人の頭、やばえね、、、

そして今の堂本光一さんに狂いの演技をしてほしい。できたら映像で。同情の余地が一ミリもない極悪非道な人殺しとして復讐されてほしい。それもファンタジー的な狂いではなく、歪んだ人間社会が生んだモンスターみたいな醜い感情をむき出しにする人間臭い悪人をやってほしい。オタクが5億人増えるからやってみませんか?それか40代KinKiKidsが演じるメリーバッドエンド、お待ちしております。

オーナーの劇場のバックステージ 

 タツヤの精神世界から引き戻され、コウイチの死を知らされた面々の悲しみを目撃し、彼の死は紛れもない現実になる。このシーンで印象的なのは、全員が交わらないところだ。病院で看護師さんから直接知らせを受けるリカ、劇場で電話を受けるオーナー、そしてコウイチの死を知らされないタツヤ。ここの違いが、各々がこれからコウイチの死とどう向き合っていくかを決める分岐点になったのだと思う。曲と共に考えてみる。

"Don't Look Back~戻れない日々~"

この曲は「一緒に歌っている」のではなく、「平行線」である。
まずはコウイチの死を最も恐れるタツヤ。彼は怯えを越え、自分を追い詰めた先に「振り返らずに歩く」ことを選んだ。これはつまり、コウイチの死についてはまだ向き合えないことも表している。自責の念を消化できても、自らの愚行で引き起こした現実を振り返ることは彼にはまだできないのだ。
次にオーナーは「これが真実なのか」と歌う。コウイチの舞台人としての強さや輝きを信頼していたオーナー。それがこんなにも脆く崩れ去ってしまったこと、そして本質的に手を差し伸べることができなかった自分(美波里さんは母ではない話は前のブログを参照してネ)大切な輝きを失ってしまったことへの後悔が見て取れる。
三番目にコウイチ。彼の歌詞はタツヤへの励ましだと捉える。この後の蘇ったコウイチを中心としたショーを私が「コウイチが起こした集団幻覚」と捉えないのは、彼はここで既にタツヤを赦していると考えるから。オーナーとタツヤと声を重ね、タツヤと踊りを重ね、リカの前を通って去っていくコウイチを見ると、ここで彼はカンパニーに最後の挨拶をし、思いを託して昇って行ったのではないかと思うのだ。(だから私はコウイチの命を蘇らせたのはタツヤの執念じゃないかと思っている)

そして最後にリカ。リカはDOn't Look Backの後に一人で歌う。
「もう二度と戻れないあの日々には すり抜け落ちてくあなたの思い出が」この詞からリカの悲しみや無力感が受け取れる。反対に言うと、そもそもコウイチの死を受け居られない人ばかりの中で、リカだけがコウイチの死を認め悲しんでいる。
もしかしたらジャパネスクからの一年、彼女は誰よりも病室に足を運び、迫る現実を受け入れる準備をせざるを得なかったのかもしれない。彼女がこの一年どのようであったかは想像するしかないが、「コウイチの死を受け止めたリカ」は元々の素直さと大きな悲しみを経て得たしなやかさによって、この後のストーリーを力強くリードしていく存在となったことは間違いないと思う。

New York Dream

本編とEternalの違いが一番心に刺さるのがNYDだと思います。自分、涙いいっすか??
本編では、体温の無いコウイチにいち早く気づいたリカが、それはもう辛そうに踊る。すごく頑張って死を受け入れたのに、中途半端(?)に蘇られたらそりゃ耐えられないよ、、わかる、、(勝手に共感)
タツヤはインペリアルガーデンシアターでショーを続けるもうまく行かない。まだコウイチにとらわれて苦しんでいる。
そして現実を理解してるが、明るくふるまい一曲演るオーナー。オーナーの心情は描かれないけれど、自分が舞台人としてコウイチにできる最もポジティブなことを考えたのではないかと思う。一つ苦しめば一つ表現が生まれるのは既に現役を引退したオーナーにも言えることなのだ。辛すぎるNYDのオアシス。コウイチめっちゃ楽しそうだけどリカタツヤみてるとつらい、、コウイチかわいい、、、本編のNYDは本当に感情がはちゃめちゃになる。

しかしEternalのNYDは全然違う。皆さんEternal見ましたかね??みんな一緒に、笑顔で、NYD、、、、N(にっこり)Y(ゆめみたい)D(だなあ)、、(?)
楽しかったあの頃に戻りたいという皆の願いが見せた奇跡のNYDだけど、完全に過去のことになったからこそあのNYDが見れるんだと思うとそれはそれで悲しい。みんなは三年経っててもこっちは全然三年経ってないのでたまに感情置いていかれてコウイチメンヘラになっちゃうのがEternalですよね、、

曲に沿って考えてきたらコウイチ復活シーンを書くタイミングを失った。
ここはリカちゃんの動揺を想像するととてもつらい。コメディシーンだからこそかえって辛かったりするよね、、
ちなみに「見ての通り、小柄!!」と自虐しながらも踵高めの靴履いて頑張ってる堂本光一が世界で一番好きです。

まさかまさかの③に続く!(つづくのか)(今日千秋楽!?)







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