英語の手書き文字指導のために:フォント比較の着眼点(2021年2月改訂版)

偉大な先輩たちの背中を追いかけ、20年近くhandwritingの指導法の改善に取り組んできましたが、本当に「悪貨が良貨を駆逐する」状態はなかなか変わりません。環境未整備の小学校英語など、文字の認識、識別、視写での困り感などを観察し、個々の児童生徒に対応した指導をする余裕が現場にないのが一番の問題でしょうが、テストで一律に ○× を決めるために、「学び」を歪めては、本末転倒だろうと思います。

手島良先生の指導書・練習帳が世に出たことを本当に嬉しく思いますが、まだまだ、現場の指導では「浸透」「普及」まではほど遠く、さまざまな「ローカルルール」が立ちはだかっているようです。

例えば「補助線」一つをとってみても、「四線」の間隔をどうするかというような瑣末な問題に注意関心が向き、「どのような文字を、どのように書かせるのか」という部分の議論がどこかにいってしまっている印象を受けます。あくまでも「文字」が主で、四線は「補助」ですから、「文字」そのものを書く handwriting =文字を手で書くこと、という観点を忘れてはなりません。

英語の母国である、英国での伝統、定評ある「手書き文字;文字の手書き」の指導法を日本で誰よりも熟知し、中学校現場で実践されてきたのが手島先生ですから、まずは、手島先生の本をお読みください。


音声指導からのアプローチで用いられる「フォニクス」は、決して文字指導ではないのですが、まだまだ「フォニクス」の指導をしていれば、自然と英語の文字も書けるようになる、というかのような市販教材が存在します。

「ジョリー・フォニックス」指導の日本での第一人者である山下桂世子先生は、ご自身のブログでこう書かれています。

「文字指導 (handwriting) はイギリスの小学校でも行っています。しかし、先生がみな、なぜその順番で指導するのか、なぜこの書体なのか、ということについては理解しているわけではありません。2年前に、学校で handwriting の研修がありましたが、ポイントが非常に曖昧で、結局、何を指導の中核にもっていくのかがわかりませんでした。

また、フォニックスと文字指導を混乱する人もいますが、これらは全く別物です。これも私の勤務校でフォニックス指導の学校訪問を受けた際、うるさく指導されたところです。」

詳しくは、こちらをお読みください。

handwritingの指導にも、原理原則、望ましい手順は存在します。そして、その指導の際に重要なのが、「どのような文字・書体・フォント」を用いるのか?ということです。

私の入門期・再入門期指導での原則は、「見る文字と書く文字のギャップを極力減らす」ということです。

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詳しくは、セミナーを受講していただいて実際に体験してもらうこととして、ここでは、さまざまな「フォント」を比較する際の観点を知り、教師による手書きでの「お手本」を示す際にも、学習者への指導助言を与える際にも、そして「評価」をする際にも役立つ「眼」を養って欲しいと思い記事としての公開としました。無料公開期間は終了したので、現在は有料記事です。ご注意ください。

2021年のオンラインセミナー用に若干の改訂を施しましたので、新しいものをアップします。

A4版で6枚ほどの資料ですが、「一度見えるようになると、次に出会ったときに、それだ、と見えるもの」だと実感してもらえると思います。

あくまでも、テスト対策ではなく、学習者の「困り感」を減らすこと、そして「できる感」を増やすことが主眼ですので、その旨ご理解の上で、ご活用よろしくお願いします。

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