needの指導法を精査する必要性(2023年12月改訂版)

これまでに公開している「助動詞」の記事の内容と一部被っていますが、「必要性」の文脈でのneedの指導/評価に関して、思うところがあったので、少し調べてまとめています。
既に、助動詞のneed/本動詞のneed to 原形を取り上げていましたが、今回、改訂版として、need + -ing形の用法とその関連表現に関する記事を追加しました。

辞書も含めて、日本で使われている教材の多くで、助動詞としての need 原形と本動詞としての need to 原形を併せて示して、使用域などの注記をしています。しかしながら、この表現形式には文化圏や世代間での差異が現れるので、空所補充完成四択とか整序作文で出題することには、大きな問題を含みます。

「自分が身に付けた現代英語で十分に通用する表現形式が選択肢にない」とか「自信を持って使える表現形式以外にも、文化差や世代間の差を抜きに、全て覚えておかなければならない」ということのないように、指導者・出題者は心したいと思います。

例えば、高校段階では次のような「問題演習」などが課されることがあると思うのですが、その何が問題なのか?まずは、「ここ、実は痒くないですか?」というところから。

1. 同意となるように書き換えるとき、空所に最適な語を補充せよ。
a. In many schools in the USA, you don’t have to wear a uniform.
b. In many schools in the USA, you (      )(       )(      ) a uniform.

2. 空所に適切な語句を補充し日本文の意味に合うように英文を完成しなさい。
Contrary to the weather forecast, it did not rain yesterday.
We [           ] all our raincoats and umbrellas.
天気予報に反して、昨日は雨が降らなかった。レインコートも傘も全く持ってくる必要がなかったのに。

詳しくは記事を読んでいただくことになりますが、最新のオンラインコーパスなどの知見を踏まえ表現の生息域を考察しています。私が検索した分はスクショを貼っていますので、pdfを拡大して比較していただければと思います。

今回追加した<need + ing形>とその関連表現の記事の執筆では、「動名詞が受け身の意味を表す」という指導(とその評価)の行き過ぎに対して警鐘を鳴らす目的もあります。

例えば、次のような大学入試の出題は、作問の段階で、現代英語の実態への目配りも、受験生への配慮も欠けているのでは?という指摘をしています。
  As my bicycle was broken in the accident yesterday, it needs [      ].
1. repaired
2.repairing
3. repair
4. to repair

以下、その1の助動詞編がA4で11ページ、その2の一般動詞のneed + ing形関連でA4で6ページの記事となっています。

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