本当にやりたいこと

 私が自分で選んでよかったと思うこと。それは、歯科衛生士の職業に就いたことだ。


 高校3年生の春、進路決定の時期。ゴリゴリの進学校に通う中で、第一希望に専門学校の名前を書いたのは私だけだったかもしれない。案の定こっぴどく叱られた。担任だけでなく他の教員にも責め立てられ、いくつもの大学の資料を抱えて肩を落として帰った。


 衛生士になりたいと思ったそもそものきっかけは、憧れている人がいたからだ。将来なりたい自分はなんだ?やりたい仕事はなんだ?と考えた時に、1番に思い浮かんだのがその人だった。それ程素敵な人だ。そしてその人をきっかけに、歯科の仕事に興味を持った。
 
 いい大学、いい会社を経て安泰を得るのもきっと幸せだと思う。でも私は、長い長い社会人生活をやりたい仕事に就いて過ごしたい。その思いがとにかく強かった。その思いを叶えてくれるのは結局専門学校で、だから反対を押し切って進学した。


 衛生士になって2年目の今、その選択は正解だったと思う。色々な学科の卒業生が集まる学生生活はものすごく濃く、勉強とは別のジャンルの刺激がたくさんあった。そして何より、お互いに支え合って、社会に出ても仕事の相談ができる素敵な仲間が出来た。

 仕事は楽しい。やりがいがある。あの時違う選択をしていたらこの日々はなかったと思うと、とても怖いとさえ感じる。

 「とりあえず勉強!」「とりあえず偏差値の高いところ!」と考えるよりも、自分がしたいことときちんと向き合うこと。それが出来た高校生の自分に、心からありがとうを伝えたい。

#自分で選んでよかったこと

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