【ストV】3すくみは地上戦にあらず

今回は「地上戦」と「3すくみ」についての個人的な考察を書かせていただこうかと思います

地上戦と聞くと、「3すくみ」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?
今回は、私なりの「3すくみ」の捉え方、「地上戦」について書いていければと考えております

「3すくみ」とは

「技を振る」という行動を大まかに「置き」「差し」「差し返し」の3種類に分類し、それぞれの相性を整理したもの

置き   ・・・ 相手に届かないところで技を振ること
差し   ・・・ 相手に届くところで技を振ること
差し返し ・・・ 相手の攻撃の空振りに合わせて技をふること

以下のようなじゃんけんとして説明しやすいため、地上戦の説明でよく利用されます
・置き   は 差し返し に負ける
・差し   は 置き   に負ける
・差し返し は 差し   に負ける

「3すくみ」で説明しきれていない概念

非常にわかりやすい「3すくみ」ですが、個人的には地上戦において大事な概念を説明できていないと感じています

なぜ技を振るのか
このことについて、「3すくみ」の説明では補完できていない
先述した通り、「3すくみ」は「技を振る」ことを前提にした相性を表現している概念になるため、「技を振る理由」について言及されるものではないと考えています

では、「なぜ技を振るのか」「地上戦とは何なのか」という部分についての私なりの解釈を書いていければと思います

「地上戦」とは何か

個人的には、「地上戦」=「技を振ること」ではないと考えています
そのため、先にあげた「3すくみ」に関しても「地上戦そのものの解説」とは少し違うと考えています

技を振ること は 地上戦の「一つの手段」であり、ある「目的」のためにその手段をとることを「選択」する必要がある

これが、現時点での私の解釈になります
では、その目的とは何か

目的は「自分に有利な距離(間合い)を作り出す」こと

ストVは限られた時間内で、体力を「多く減らした方が勝つ」というゲームになります
※必ずしも体力を「ゼロ」にする必要はありません
(タイプアップがあるため)

通常ストVは1Rの時間が99秒に設定されていることが多く、99秒間かけて「如何に相手の体力を多く減らすか」について考え、戦っていくことになると思います
その時に大切になってくるのが「99秒」という時間の中で「相手より有利な状況」をどれだけ作れるかということだと考えています

ダウンを奪って起き攻めをしている時は、確実に起き攻めをしている側が有利な状況というのは誰が見ても明白だと思います

起き攻めをしている時まではいかなくても、相手より少し有利な状況を作るために「距離(間合い)」を作り出す
それが、地上戦の「目的」ではないかと私は考えています

自分に有利な距離(間合い)とは
 
自分のキャラクターがより強く戦える距離(間合い)

対戦画面に表示されているキャラクターの両方に依存して変わってくる
・自分のキャラクターの技だけが一方的に届く距離
・自分のキャラクターの技をつぶせる技が相手キャラクターにない距離
・自分のキャラクターの技の方が相手キャラクターより早く届く距離

まずは自分のキャラクターがどの距離(間合い)で戦うべきなのか、を整理・理解することが大切になってきます

自分のキャラクターの方がより遠い間合いで有利な場合
 → 距離を離して戦いたい
自分のキャラクターの方がより近い間合いで有利な場合
 → 距離を詰めて戦いたい

有利な距離(間合い)の作り方

自分のキャラクターの理想的な距離(間合い)が整理できたら、実際にその間合いを作っていく必要があります

距離を詰めたい側、離したい側それぞれの視点での目的と手段を整理していこうと思います
距離を離したい側の視点
 
目的
 ・相手のキャラクターが戦いたい間合いまで近づかせない
 手段
 ・技を置く(相手のキャラクターが近づいてくるのを止める)
 ・後ろに歩く(相手のキャラクターとの距離を一定に保つ)
距離を詰めたい側の視点
 目的
 ・自分のキャラクターが戦いたい間合いまで近づく
 手段
 ・前に歩く(相手キャラクターとの距離を詰める)
 ・置きに対して差し返しを狙う(相手が前進を止めてくる置きを狙う)

ここでやっと「3すくみ」の「置き」などが出てきましたが、それ以外に「歩く」という行動が手段として入っていることに気づいていただけると思います
距離を調整するには一番「歩く」ことが手っ取り早く簡単な手段となります
その上で、相手が「歩く」ことに対してどうするか、という回答の一つとして「技を振る」という選択肢がある。私はそう理解しております

「歩く」ということ

地上戦が「自分に有利な距離(間合い)を作り出す」ことを目的とする以上、一番有効な行動だと考えています
「3すくみ」も重要な概念ですが、その前に、相手・自分が「歩く」ということに対してしっかり考えることが、地上戦にとって重要になってくると考えています

相手・自分が「歩く」ことを踏まえ、現時点で私が「地上戦」に一番大切なことだと考えていることについて書いて、締めくくろうと思います

「地上戦」に一番大切なことは「予測」である

これまでの内容を踏まえ、私が今地上戦に一番大切だと考えているのは「予測」だと考えています

地上戦を「距離(間合い)の奪い合い」であると考えた場合、「歩く」という行動が非常に重要になってきます
お互いが「自分の距離を作るため」に「歩く」「技を振る」という行動をしながら、「相手の行動を抑止する」ということが必要になります

その「相手の行動を抑止する」ために無意識で頼っているのが「予測」であると私は考えています

「相手が近づいてくるのを止めるために技を振る」という行動を例に考えてみても、近づいてきたから技を振る、というより、近づいてき「そう」だから技を振る、という形になっていると思います

この「~してきそう」という「予測」の精度をどこまで高め、相手の「予測」の精度をどこまで低くすることができるのか?というのが地上戦に大事になってくる考え方ではないかと、考えております

予測を行うためには、事前にどれだけ相手の情報を入手できているか?が大切になってきます

自分の予測の精度を高めるために

相手が「どこでどの技を振ってくるのか」「どういう癖があるのか」という情報が多ければ多いほど、正確な予測がたてれるようになり、終盤になればなるにつれて試合を優位に進めることができるようになります

その為に有効であると考えている行動が「歩く(歩きガード)」であると考えています
相手の情報がない時に、技を振ったとして当たるか当たらないかは極論「運」になります
それをより確かなものにするために、相手の行動を見極める
その為に「歩く」
技を振るのは、その後でも遅くない

まずは相手の行動をしっかり見て、最低でも自分なりの仮説をもって技を振れるようになれば、また一つ違った地上戦ができるようになるのでは、と考えております

相手の予測の精度を低くするために

先に書いた「自分の予測の精度を高めるための行動」を相手も当然してきます
その為、少しでも相手が予測を立てづらくする工夫を常にしていく必要があります
このあたりが「読みあい」という一つの言葉で説明されることが多く、上位の方の対戦ではこの辺りの駆け引きが常に行われている印象です

相手の予測を低くするために有効だと考えている行動が「こまめにしゃがむ」であると考えています
よくプロシーンの試合を見ていても、見方によっては「屈伸」と思われるくらいの頻度で「しゃがむ」という動作を行っていると思います

「しゃがむ」ことによって得られる効果としては「相手に"見る"という行動を強いる」ことだと考えています
ストVでは、キャラクターが技を振る時は「一瞬静止する」という性質があります
中足などに代表されるしゃがみ攻撃の場合はそれに加えて「一瞬キャラクターが静止したのちにしゃがむ」という形になります

しゃがみ攻撃は、下段攻撃なので後ろに歩いていると当たるため、防御する側は「しゃがんでガードする必要がある」行動になります
そのため、しゃがみ攻撃が届く間合いで「しゃがむ」ことによって、相手は「下段攻撃を考慮して一瞬しゃがみガードをする」必要がでます
その時点で相手の前進が止まっている
技を振らなくても、「技が来るかもしれない」という予測を相手にさせることで、相手の前進を止めることができるようになります

では今度はそれを利用して一瞬しゃがんでからこちらが逆に前に歩こう…など相手のリアクションを見ながら行動を変えていくというような形になっていくと考えています
※もちろん、私自身書いてはいるものの全然まだできておらず、格闘ゲームを続けていく中で生涯の課題になるのかな…などと考えております


以上が、現時点で私が考える「地上戦」になります
個々人によって考え方、捉え方が違う部分だと思いますので、こんなことを考えている人もいるんだな…という程度に見ていただければと思います

なかなか整理が難しく、まとまりのない文章になってしまいましたが何かの参考になれば幸いです

それでは、よきストVライフを。


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