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海外旅行でのハプニングから感じた自己認識の変化

先日の木下斉さんのVoicyを聞いて、


今はネットで世界各地の情報や映像にアクセスできるけれど、意識的に海外に出ていくことで発見や自己認識の変化を作り出せるというお話から、7〜8年前に一人旅で行ったパリでの出来事を思い出しました。日本だったら、私だったら、同じことができるだろうかと思った出来事です

パリから日本へ帰る日に、私は一人でシャルル・ド・ゴール空港行きの特急列車に乗っていました。順調に空港に向けて走っていた列車が、止まるはずのない小さな駅に停車しました。フランス語で何か放送されたのですが、私に理解できるはずもなく、周りの乗客は列車を降り始めました。私はわけがわからず不安になっていたその時、乗客の中のある男性が、英語で「この列車は運行中止になった。駅前からバスが出ているから乗り換えて。」と大きな声でフランス語が分からない私を含めた乗客に教えてくれたのです

ゾロゾロと列車から降りた旅行者たち。どうやらその駅から出ているバスでは直接空港に行くことができず、途中の停留所でバスを乗り継がなければならないとのことでした。停留所でバスを待っていたら、フライトの時刻が迫っている人は乗り合わせてタクシーで行こうと誰かが声を上げ、4人ずつのグループで順次タクシーで出発する動きが生まれました。私はフライトの時間までかなり余裕があったので、バスを乗り継いで行くことにしました。最初のバスに乗り合わせた地元の方が空港行きのバスに乗り継ぎする停留所を教えてくれたり、バスの中で簡単な会話をしながら空港へ行く旅行者たちは皆一丸となって空港に向かいました。

郊外に向かって走るバスなので景色が段々淋しくなり、フランス語の看板は読めないし地名もわからないし、Wi-Fiを持っていなかったのでどこを走っているのか、あとどれぐらいで着くのか分からず私は不安でしたが、無事にシャルル・ド・ゴール空港に着いたときは本当に安堵しました。

それにしても、自然とリーダーシップをとってフランス語の放送をみんなに英語で教えてくれた人、タクシーとバスに分かれて行くことを提案してくれた人、地元の乗客に尋ねながら途中の停留所で乗り継ぎを案内してくれた人、と旅行者の中から自発的に助け合いが生まれたことに私は感動しました

日本で同じようなことが起こったら、私は同じことをできるだろうか。東京に住んでいますが、事故や台風などで電車が止まったりすると駅前のロータリーにはタクシーを待つ長蛇の列を目にすることがあります。せっかく来たタクシーに一人で乗りこみ、長蛇の列はなかなか解消しません。同じ方面に行く人を募り相乗りしませんかと声を上げる人はいないのでしょう。知らない人に声をかけるのって勇気がいりますし、女性であれば見知らぬ人との相乗りは怖いでしょうし。

また、都内の電車も運転見合わせになることがしばしばあります。もうだいぶ前のことですが、山手線に乗っていたら1時間ぐらい運転見合わせになったことがありました。鉄道会社はうるさいぐらいに状況を放送してくれますが、日本語だけで英語での案内はありませんでした。海外からの旅行者は何が起きているのか、どうしたら良いのか分からないと思います。そういうときに、大きな声を上げる勇気はないけれど、周りに不安そうな旅行者がいたら、拙い英語だけれども手助けできればいいなと思っています。

トラブルはない方がいいですけど、こういう経験ができるのが海外旅行の醍醐味ですね。また海外に行きたくなります。

ではまた。