Daisy Seed事始め(第3回)
今回は、Pythonのツール"pd2dsy"を使って、Pure DataパッチをDaisy Seedで動かす手順を記載します。本手順はPC上にPythonの開発環境があることが前提となります。pd2dsy v1.0.0はPython3.8以上が必要です(Mac OS(Intel),Python3.9.7で動作確認しました)。
注)Discordの情報によれば、pd2dsyのコンパイラは非常に古く(そのためMIDI機能をサポートしていない)、今後アップデートされる可能性も低いため、第2回で記載した、plugdataを使う方法の方が良いようです。
1. テスト用Pure Dataパッチの用意
第2回の記事で使ったModSaw.pdを使う。
2. pd2dsyのインストール
参考資料3.のGitHub - electro-smith/pd2dsy repositoryをローカルにコピーする。
MacOSのターミナルで以下を実行する。このコマンドはデスクトップ上のpd2dsyフォルダにコピーする。必要に応じて適宜コピー先を変更する。
git clone https://github.com/electro-smith/pd2dsy ~/Desktop/pd2dsyターミナルで以下を実行し、pd2dsyのフォルダに移動する(実際のコピー先フォルダにあわせてパスを変更する)。
cd ~/Desktop/pd2dsyターミナルで以下を実行する。ターミナルに「Setup complete!」が表示されたらインストール完了。
./install.sh
3.pd2dsyによるコンパイルとDaisy Seedへの送信
コンパイル対象のpdパッチを、pd2dsyのフォルダの下に保存する。今回はpd2dsyのフォルダの下にフォルダ「MyPatch」を作り、そこにModSaw.pdを保存する。
Daisy SeedをUSBケーブルでPCと接続する。
Daisy Seedをブートローダーモードにする。
ブートボタン(右)を押したままリセットボタン(左)を押し、リセットボタン(左)→ブートボタン(右)の順に指を離す。ターミナルで以下を実行し、pd2dsyのフォルダに移動する(実際のコピー先フォルダにあわせてパスを変更する)。
cd ~/Desktop/pd2dsyターミナルで以下を実行する。ターミナルのユーザー名の左側に「(pd_env)」が表示されるようになる。
source ./pd_env/bin/activateコンパイルとDaisy Seedへの送信を行う。
コマンドの書式:
python pd2dsy.py --board <BOARD> <FILE>.pd
<BOARD>に設定可能な値については参考資料2、3に記載がある。今回はとりあえず"patch_init"とする。<FILE>にはコンパイル対象のpdパッチ名をパスを付けて指定する。
今回はターミナルで以下を実行する。
python pd2dsy.py --board patch_init ./MyPatch/ModSaw.pdログの確認
ログに表示される下記エラーは無視して良い。
dfu-util: Error during download get_status
make: *** [program-dfu] Error 74
4. Daisy Seedの動作確認
Pure Data上でテスト用パッチを実行した時と同じ音がDaisy Seedから出力されていればOk。
5. 参考資料
Daisy WIki 1. Setting Up Your Development Environment
https://github.com/electro-smith/DaisyWiki/wiki/1.-Setting-Up-Your-Development-Environment#1-install-the-toolchainpd2dsy Guide
https://github.com/electro-smith/DaisyWiki/wiki/Pd2dsy-GuideGitHub - electro-smith/pd2dsy
https://github.com/electro-smith/pd2dsy
Version history
v1.0 : 2024/01/11 公開
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